先週、格付け会社のフィッチが米国債の格付けを引き下げました。格付けはこれまでの最上位「AAA」から「AA+」となりました。なお、米政府は「恣意的」な格下げだと反論しています。 格下げの理由は、財政赤字の拡大および政治的対立の激化です。後者は恒例行事のようになっている債務上限引き上げ問題を巡る対立です。突然の格下げに驚きましたが、理由を見ると当然かもしれません。 格下げの発表を受けて、米10年債の金利は一時大きく上昇しました。しかし、現在はほとんど元の水準に戻っています。市場は比較的落ち着いていて、米国債の投げ売りといった状況にはなっていません。 2011年にも同様の格下げ(AAA→AA+、当時はS&P)がありました。この時どうなったかというと、金利が急落しました。つまり格下げにもかかわらず、米国債の価格は急騰したのです。 一体なぜでしょうか。次のようなロジックです。米国債が下がるなら、他の