SF受賞歴も、ロックに傾倒 その友人の影響で聞き始めたのが、GSの中でも音楽性が高かったザ・スパイダースやザ・ゴールデン・カップス。オルガンの大野克夫やキーボードのミッキー吉野に「何じゃこれ?」と衝撃を受け、彼らの演奏する洋楽に心を奪われていった。 「時代はサイケデリック・ロックの時代に入っていた。他の同級生がエレキギターから入ってベンチャーズやビートルズを通っていったのに対し、僕はいきなりドアーズやヴァニラ・ファッジ、ジェスロ・タルなんかを聞き始めたんです」 ここに落語、SFに続き、ロックという趣味が加わった。「それが変わらないままずっと来ました」と、50年以上をそれらの趣味とともに歩んできた。 SFでは中3時にサイボーグを扱った短編「青銅色の死」で、初等科から大学生まで学習院全体を対象とした「安部能成文学賞」を受賞した経験もある。同世代のライバルには、後に「傷だらけの十六歳」を著した柴