馬毛島の買収で地権者と合意した、と当時官房長官だった菅総理が発表したのは昨年12月。買収の舞台裏は一切表沙汰になっていないが、その一端が分かる訴訟が密かに進んでいる。そこには加藤勝信官房長官の「口利き」を示す面談記録が証拠として提出されていた。 *** その会社は東京・新橋、中華料理店や大衆居酒屋などが立ち並ぶ一画にある。宝石販売会社や法律事務所、「開運鑑定」などが入る雑居ビルの5階。事務所のドアの横には、問題の会社「リッチハーベスト」(以下、「リッチ社」)の他、関連会社2社の表札が掲げられていた。 民間調査会社によると、不動産業を営むリッチ社は資本金1500万円で年間の売り上げは8千万円程度、従業員は3名となっている。2005年に同社を設立した社長は大手建設会社元役員、もう一人の役員は大手不動産会社の出身だ。事務所の雰囲気や規模、どの点からも「160億円」の巨額案件に関わるような企業には