はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 もしも一日だけ過去のどこかに戻してもらえる魔法があるとしたら、私は9歳の頃の、ごくごく平凡な日に戻してもらいたいと考えています。 時代的には1971年(昭和46年)です。 1971年 私は小学校2年~3年生でした。 その頃うちは、父がサラリーマンとして働き、母は専業主婦、兄は私とは7学年離れていたので、中3~高1でした。 両親と子供二人という、ごくごく平凡な4人家族でした。 私は毎日元気に小学校に通い、帰宅してからは友達と遊ぶか、家で本を読んだり母と過ごしていました。 習い事はまったくしていませんでした。 私自身なにかを習いたい気持ちはなかったし、親も特に何か習わせようと勧めることもありませんでした。 この当時であっても、何も習い事をしていない子供は、珍しかったように思います。 母の口から 「勉強しなさい!」 という言葉を聞いたことは