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  • 40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』

    ある種の読書がシミュレーションなら、これは人生の、それも自分の人生の「手遅れ感」の予行演習になる。若い人こそ読んで欲しいが、分からないかも。歳経るごとにダメージ増、over 40 からスゴ本。 この感覚は、カフカの『掟の門』。かけがえのない人生が過ぎ去って、貴重な時が自分の手からこぼれ去った、あの「取り返しのつかない」感覚に呑み込まれる。 大事なことは、これから始まる。だからずっと待っていた。ここに来たのは間違いだから、本気になれば、出て行ける。けれど少し様子を見ていた。習慣のもたらす麻痺が、責任感の強さという虚栄が、自分を飼いならし、日常に囚われ、もう離れることができない―――気づいたらもう、人生の終わり。 カフカの再来と称されたブッツァーティは、『神を見た犬』でも示すとおり、寓意性の高い幻想譚を描く。物語の面白さにうっかり釣り込まれると、極めて当たり前の、普遍とも言えるメッセージを突付

      40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』
    • 【書評】人生は有限だということを忘れないために『タタール人の砂漠』 - Under the roof

      タタール人の砂漠 (岩波文庫) 作者: ブッツァーティ,脇功出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/04/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (22件) を見る 通して読んだのは3回目だけど、やっぱりすごい。 僕は、大学を卒業後、2年間を所謂「ブラック企業」で働いていた。 月150時間の残業。有給休暇や夏季休暇なんかは取得できず、多少の体調不良なら休まず出勤していた。入社してすぐに「辞めたい」という言葉が頭の中の大半を占めていたが、結局そのまましばらく働き続け、体と心が壊れかかっているのに気付き辞めた。気付くまで2年かかった。 その後1年間フリーターとして過ごし、26歳になる時に今の会社に就職。残業は月10時間以下、有給休暇や夏季休暇もしっかり取得できる環境に変わり、不満のない今の生活を手に入れることが出来た。もちろん給料は下がったが、総労働時間と照らし合わせて時給換算すると

        【書評】人生は有限だということを忘れないために『タタール人の砂漠』 - Under the roof
      • 時は遁走し、すべては過ぎ去っていく──『タタール人の砂漠』 by ディーノ・ブッツァーティ - 基本読書

        タタール人の砂漠 (岩波文庫) 作者: ブッツァーティ,脇功出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/04/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (22件) を見るまるで人生そのものの時の移ろいを小説へと移し変えたような作品だ。ぼんやりとしているとあっという間に時は遁走し、過ぎ去っていってしまう。一度去っていったものは決して返ってくることはなく、ただ懐かしむことしかできない。 本書『タタール人の砂漠』はイタリア人の著者ディーノ・ブッツァーティによる長編小説作品。イタリアの文学作家としてはイタロ・カルヴィーノと並んで評されることも多い作家の代表作だ。物語の主人公ジョヴァンニ・ドローゴは、若くして、町から遠く離れ娯楽もない辺境の国境警備職をあてがわれる。目の前に広がる砂漠からはいつか敵が来襲するかもしれないと言われているが、その兆候は微塵もなく「備え」である彼らは無為に砂漠を見続ける

          時は遁走し、すべては過ぎ去っていく──『タタール人の砂漠』 by ディーノ・ブッツァーティ - 基本読書
        • Amazon.co.jp: タタール人の砂漠 (岩波文庫): ブッツァーティ (著), 脇功 (翻訳): 本

            Amazon.co.jp: タタール人の砂漠 (岩波文庫): ブッツァーティ (著), 脇功 (翻訳): 本
          • 1人ハロウィン - 砂漠のリアルムシキング

            今日は年に一度のビックイベント「ハロウィン」 一年前からこの日に焦点をあて、実は準備してきていた。 朝から仮装すべきかどうか、みんなの挙動を伺ってみた。 みんなどんな仮装してくるのか楽しみにしていたら、普段となんら変わらない格好だった。 うん。とりあえず仕事なんだな。 いつでも仮装できるように、早めに実験を片づけて、どのタイミングでみんな仮装するのか様子を伺っていたら、 なぜかみんな昼過ぎに早退してしまった。。 えーーーーーーーーーーーーー? 停電が原因か? とりあえず機を失ってしまった。 ちぇっ もんもんとしながら、デスクワークをこなしてみるが、ちっともはかどらない。 やっぱりやることやってからでないとダメだ。 ということで、一人ハロウィンすることに。 今年の仮装は、 「バッタ」 使われることが無かった巨大ケージにて。 ちょうど先日、緑色の女性の民族衣装をみつけて買っていたのだ。 ちょっ

              1人ハロウィン - 砂漠のリアルムシキング
            • Amazon.co.jp: なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書): 高木徹也: Digital Ebook Purchas

                Amazon.co.jp: なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書): 高木徹也: Digital Ebook Purchas
              • 40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』

                ある種の読書がシミュレーションなら、これは人生の、それも自分の人生の「手遅れ感」の予行演習になる。若い人こそ読んで欲しいが、分からないかも。歳経るごとにダメージ増、over 40 からスゴ本。 この感覚は、カフカの『掟の門』。かけがえのない人生が過ぎ去って、貴重な時が自分の手からこぼれ去った、あの「取り返しのつかない」感覚に呑み込まれる。 大事なことは、これから始まる。だからずっと待っていた。ここに来たのは間違いだから、本気になれば、出て行ける。けれど少し様子を見ていた。習慣のもたらす麻痺が、責任感の強さという虚栄が、自分を飼いならし、日常に囚われ、もう離れることができない―――気づいたらもう、人生の終わり。 カフカの再来と称されたブッツァーティは、『神を見た犬』でも示すとおり、寓意性の高い幻想譚を描く。物語の面白さにうっかり釣り込まれると、極めて当たり前の、普遍とも言えるメッセージを突付

                  40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』
                • Amazon.co.jp: なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書 9): 高木徹也: 本

                    Amazon.co.jp: なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書 9): 高木徹也: 本
                  • 人口わずか32人!!ネバダ砂漠のど真ん中に建国された国「モロッシア共和国」が面白い!! | コモンポスト

                    世界中には、勝手に国を作って独立を宣言してしまう人々がいますが、モロッシア共和国もそんな勝手に作られた国です。アメリカ・ネバダ州のネバダ砂漠の真ん中に作られたミクロネーションをご紹介します。 モロッシア共和国を建国したのは独裁者であるケビン・ボーさん。アメリカ合衆国ネバダ州ライアン郡のデイトン近郊に首都が置かれています。ボーさんは砂漠の真ん中に国家に必要な施設を設置し、独立を宣言しました。 ボー家(ガバメント・ハウスとして知られている)の裏庭および正面の庭(約1エーカーの土地)、さらに南カリフォルニアの別の私有地から成ります。元々、1977年に幼少期のプロジェクトとして確立され、1990年代後期に実体のある領土に発展しました。 モロッシアという名前は、「小さな岩山」を意味するスペイン語の単語に由来。ちなみにボーさんは、モロッソス人と呼ばれる古代ギリシャの氏族とは無関係と述べています。 その

                      人口わずか32人!!ネバダ砂漠のど真ん中に建国された国「モロッシア共和国」が面白い!! | コモンポスト
                    • 様々な「死」を知ることで、生きててよかったと思う本 - 442 なぜ人は砂漠で溺死するのか?:あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術

                      突然ですが、 "溺死”といえば どこで亡くなったことを言うでしょうか? プールで溺れて亡くなる。 川で溺れて亡くなる。なんていうことは聞いたことがありますが 「砂漠」で溺死 はあまり聞いたことがないのでは? 今回の本 なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書) 高木 徹也 [詳細はAmazonで⇒] タイトルからいきなり 砂漠で溺死?? と謎の言葉を残してくれています。 この一見、考えられないようなシュチュエーションで 考えられないような死に方、この訳のわかない発想を 今回の本は教えてくれそうです・・・。 【目次】 第1章 砂漠で溺死する生き物・ヒト 第2章 交通事故より「風呂場」が危ない 第3章 日常生活の場は「不審死」でいっぱい 第4章 「覚悟の自殺」の意外な結末 第5章 えっ! そんな場所で……!? 第6章 死んでも「セックス」はやめられない 【書感】 人には様々な

                      • 高木徹也『なぜ人は砂漠で溺死するのか?』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                        なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書) 作者: 高木徹也出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2010/08/25メディア: 新書購入: 8人 クリック: 131回この商品を含むブログ (7件) を見る ガキの頃に、学研とかの「これでキミも名探偵! 少年推理謎解きブック」みたいな本を読んでいたときに「死体が砂漠の真ん中でひからびて発見されたが、死因は溺死だった。このトリックをきみは解明できるか!」みたいなのがあって、答は、砂漠の真ん中で洗面器に張った水に顔を突っ込ませて殺した、というものだったんだよね。あの話かー、と思って読み始めたら、全然ちがった。 法医学者が、まず死亡診断って何というところから入り、死亡届がどんなふうに書かれるか、さらにはいろんな死因についてあれこれ、著者自身の体験を交えておもしろく記述する本。法医学者だから職業柄、変な死体が次々に持ち込

                          高木徹也『なぜ人は砂漠で溺死するのか?』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                        • 『タタール人の砂漠』ブッツァーティ|良い人生だったと思いたい - 書に耽る猿たち

                          『タタール人の砂漠』ブッツァーティ 脇功/訳 岩波文庫 2021.5.10読了 現代イタリア文学の鬼才で、カフカの再来と呼ばれているブッツァーティさん。神秘的、幻想的で、不条理を描いたら右に出る者がいないと言われている。元々気になってはいて、堀江敏幸さんの小説の中にも登場したことで余計に読みたい意欲が高まっていた。この『タタール人の砂漠』はブッツァーティさんの代表作である。 期待以上に好ましい文体と漂う空気感があった。特段大きな事件は起こらないのに先が気になってしまうというこの感じ(作家にとってはこれ以上ない褒め言葉だと思う)を持てる数少ない作家の1人かもしれない。砂漠という乾いたタイトルなのに、何故だか私にはしっとりした作品に感じられた。 そのしっとりした重みを感じたのは、おそらく一度バスティアーニ砦に腰を落ち着けたら二度と他の世界に出られなくなったジョバンニ・ドローゴの生き方から連想し

                            『タタール人の砂漠』ブッツァーティ|良い人生だったと思いたい - 書に耽る猿たち
                          • 【書評】美しき傑作『タタール人の砂漠』ディーノ・ブッツァーティ【著】 | 飄々図書室

                            殆ど何も起こらないにも関わらずこんなにも面白い小説であるのは、それが僕たちの人生の縮図となっているからに他ならない。 主人公たるジョヴァンニ・ドローゴの惰性に甘んじた人生が、他人事としては読めないのである。 僕たちは退屈から逃げることはできない 僕たちは退屈だ。人生に飽き飽きしている。 変化に対して臆病なくせに、「なにかいいことないかなー」とか言ったりする。 何かドラマティックなことを心の底では望んでいるのに、日々、スマホゲームにちまちまと時間を費やしたりする(私もそうである)。 では、何か大胆な行動に出ればいいのかというと、決してそうではないらしい。 「退屈から逃れるために、人生を変えようとする大胆不敵な画策は、殆ど失敗し、むしろ退屈を増大させるだけである」というのが、現在の心理学・哲学における共通認識となっていると聞く。 じゃあどうすればいいんだね。 安心したまえ、我々の人生はジョヴァ

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                            • ディーノ・ブッツァーティ『タタール人の砂漠』読書会 - 三柴ゆよしのボルヘスを殺せ!

                              花散らしの雨も降り、そろそろ春本番といったところですね。 今年の冬は長かった。春を待つのはもうたくさん。そんなあなたに朗報です。次は韃靼人を待ちましょう。 5月18日(土)にディーノ・ブッツァーティ『タタール人の砂漠』読書会を行います。必須課題図書はこちら。 タタール人の砂漠 (イタリア叢書) 作者: ディーノブッツァーティ,Dino Buzzati,脇功出版社/メーカー: 松籟社発売日: 1992/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 52回この商品を含むブログ (20件) を見る タタール人の砂漠 (岩波文庫) 作者: ブッツァーティ,脇功出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/04/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 時間は13時から17時まで。 場所は高田馬場。ワンドリンク制で参加費は約1000円。参加者の方には後日詳細を送ります。 参加表

                                ディーノ・ブッツァーティ『タタール人の砂漠』読書会 - 三柴ゆよしのボルヘスを殺せ!
                              • Amazon.co.jp: 人の砂漠 (新潮文庫): 耕太郎,沢木: 本

                                  Amazon.co.jp: 人の砂漠 (新潮文庫): 耕太郎,沢木: 本
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