国会議員に求められるものは何か。27日投開票の衆院選では、自民党の派閥裏金事件を受けた「政治とカネ」や経済、外交政策などが焦点となっているが、それだけだろうか。実は、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて憲政史上初めて設置された国会調査委員会が、原子力政策だけではなく、国会のあり方の根本的な見直しを提言していた。そして今、当時の関係者の嘆きは増すばかりだ。 ◇関連インタビュー 国会が行政チェックを果たすには? 待鳥聡史・京都大教授の指摘 最初で最後の国会調査委員会 東京・霞が関近く、日比谷公園内にあるレストランの2階。7月上旬、国会事故調の委員や調査実務を担ったメンバー約30人が集まった。この日は事故調が報告書を衆参両院議長に提出して12年の節目。事故調委員は学者や弁護士、福島県大熊町の被災者らで構成された。調査メンバーには元新聞記者など多彩な顔ぶれが参加し、約半年間の濃密な調査をと