記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 人類にとって画期的だと信じられ、広く受け入れられたのに、実際には大きな害悪をもたらしてしまった――本書『禍(わざわ)いの科学』(関谷冬華訳)は、そんな科学的発明の悪影響を取り上げ、「なぜ」そうなったのかを読み解こうとするもの。取り上げられるのは、現在にも影響が残る、アヘン、マーガリン、ロボトミー手術、化学肥料、優生学、DDT(有機塩素系殺虫剤)禁止、メガビタミン療法の7つの発明だ。 著者は長年ワクチンの研究をしてきた科学者で医者のポール・A・オフィット氏。エピソードだけでなく、どうすれば悲劇にならずに済んだのかという「教訓」も導き出している。その教訓をもとに、最終章では電子タバコや遺伝子組み換え作物といった最先端の発明に対しても考察を進めている。 ■「手っ取り早く」が命取り 発