文学の街 作家・井上ひさしさんの講義による「作文教室」が岩手県一関市で開かれたのは、1996年11月15日から17日にかけての3日間のことでした。 このとき、古く美しい建物を活かした文学館をつくろうという、一関ならではの趣旨のもと、「文学の蔵」設立委員会が立ち上げられます。 中学時代を一関市で過ごされたという井上さんは、その恩返しのためにプロジェクトチームの一員として企画段階から参加されました。 「文学の蔵」の建設基金づくりのために、まったくの無報酬というボランティアの形で講義もされたんですね。 その講義の内容は、文章を書く上でまさに宝箱のような密度の高いものとなったため、主催者側はこれをなんとか形に残そうと動き出しました。 そして、井上さんのその講義録音をもとに編まれた「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」が新潮社より発刊されることとなったのです。 井上さんの「作文教室」に参加され