「旧優生保護法の問題に気づけなかった」と後悔を口にする浅野史郎さん=神奈川県内の自宅で2024年6月25日午前11時43分、遠藤大志撮影 国が免責されるのは不合理だ――。2022年10月、障害者へ強制不妊手術を施してきた旧優生保護法の被害を巡る仙台高裁訴訟に証人として出廷した、前宮城県知事の浅野史郎さん(76)は、法廷でそう証言した。一連の被害で最初に起こされた訴訟だったが、1、2審とも被害者側が敗訴とされ、3日に最高裁で判決が言い渡される。「私も加害者」と語る浅野さんの胸の内とは。【聞き手・遠藤大志】 -―仙台高裁に証人出廷した経緯は。 仙台弁護団長の新里宏二弁護士から打診があった。これは私の義務だという思いと、贖罪(しょくざい)意識もあり覚悟をもって証人を引き受けた。 当時、声を上げられなかった被害者の訴えが(不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する)除斥期間を理由に認められず、国