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呼吸器内科の検索結果81 - 120 件 / 142件

  • 膠原病の肺病理:線維芽細胞巣の量的検討 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

    関節リウマチに伴う間質性肺炎の病理所見で、特にUIP(通常型間質性肺炎)パターンの特徴は前回の記事でまとめました。UIPパターンといっても、特発性肺線維症(IPF)で認めるようなUIPパターンとは少し異なる可能性があります。 線維芽細胞巣は病理UIPの特徴の一つであり、主として筋線維芽細胞からなる所見です。特に肺の線維化がまさに進行している部位に認めうると考えられています。 病理学的にはこのような所見です(アスタリスクの部分)。 Raghu G, et al. An official ATS/ERS/JRS/ALAT statement: idiopathic pulmonary fibrosis: evidence-based guidelines for diagnosis and management. Am J Respir Crit Care Med 2011;183:788–8

      膠原病の肺病理:線維芽細胞巣の量的検討 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
    • 特発性肺線維症のANCA陽性率と血管炎発症率 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

      間質性肺炎の検査では、様々な項目をスクリーニングとして検査しますが、その一つにANCAという項目があります。これは小型血管炎と関連する自己抗体の一つですが、実は特発性肺線維症(IPF)でも陽性となることがあります。 ANCAに関する詳細は以下の記事をご覧ください▼ アメリカの2施設(UCSFとUC)から、特発性肺線維症745例を対象とした重要な研究が報告されました。 UCSF:カルフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California San Francisco) UC:シカゴ大学(University of Chicago) Liu GY, et al. Prevalence and Clinical Significance of Antineutrophil Cytoplasmic Antibodies in North American Patients

        特発性肺線維症のANCA陽性率と血管炎発症率 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
      • ALIC⁴E試験:インフルエンザ様疾患に対するオセルタミビルは併存疾患がある患者や高齢者で恩恵が大きい | 呼吸器内科医

        ALIC⁴E試験:インフルエンザ様疾患に対するオセルタミビルは併存疾患がある患者や高齢者で恩恵が大きい 2019年 12月 31日 「有熱期間が半日~1日くらい短くなるくらいですね」と説明することが多い抗インフルエンザ治療薬ですが、併存疾患があったり高齢であったりする場合には、より恩恵を受けるというエビデンスが示されました。 Butler CC, et al. Oseltamivir plus usual care versus usual care for influenza-like illness in primary care: an open-label, pragmatic, randomised controlled trial Lancet, December 12, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(19)32982-4

          ALIC⁴E試験:インフルエンザ様疾患に対するオセルタミビルは併存疾患がある患者や高齢者で恩恵が大きい | 呼吸器内科医
        • 膠原病に伴う間質性肺疾患:誰が診断するか?(国際アンケート調査) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

          間質性肺炎の原因は様々ですが、その一つが膠原病です。膠原病というのは、結合組織病(connective tissue disease; CTD)とも言いますが、 関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA) 全身性強皮症(systemic sclerosis; SSc) 多発性筋炎/皮膚筋炎(polymyositis/dermatomyositis; PM/DM) シェーグレン症候群(Sjögren's syndrome; SS) 混合性結合組織病(mixed connective tissue disease) などが包括される疾患群です。 これら膠原病に伴う間質性肺疾患はまさに現在注目されており、日本からも診断・治療指針2020が発刊されました。▼▼▼ この膠原病に伴う間質性肺疾患をだれが診断や治療を行うのか、国や地域によって様々だと思いますが、その実態はあまりわか

            膠原病に伴う間質性肺疾患:誰が診断するか?(国際アンケート調査) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
          • 全身性強皮症に伴う間質性肺炎の病期分類(その1) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

            昨日の記事で、全身性強皮症に伴う間質性肺炎では、病期分類として重症度が上がるにつれてKL-6の値が上昇することを報告させていただきました。 全身性強皮症に伴う間質性肺炎の病期分類は、2008年に報告されたGohらの基準を用いています。 Goh NSL, et al. Interstitial lung disease in systemic sclerosis: a simple staging system. Am J Respir Crit Care Med 2008;177:1248–54. これは胸部HRCTで病変の広がりが20%を超えるかどうか、努力肺活量(FVC)が70%を超えるかどうかで、limited diseaseとextensive diseaseに分類されます。 病変の広がりは、①大動脈弓部、②気管分岐部、③肺静脈合流点、④3と5の中間、⑤右横隔膜上、の5スライスで、

              全身性強皮症に伴う間質性肺炎の病期分類(その1) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
            • 関節リウマチの肺病理:UIPパターンの特徴 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

              関節リウマチに伴う間質性肺炎の画像所見は、UIP(通常型間質性肺炎)パターンが多く、次にNSIP(非特異性間質性肺炎)パターンが続きます。 肺病理所見に関しては、あまり報告が多くはありませんが、例えばリンパ球浸潤や細気管支周囲の化成を伴うリンパ球の過形成、NSIP様の線維化、濾胞性細気管支炎などが特徴です。 また病理学的にもUIPパターンをとることが報告されています。しかし、その病理学的なUIPは以下のような特徴があります。 線維化は不規則で気道中心性である 結節性のリンパ球の集簇を認め、時に胚中心を伴う NSIPのような肺胞隔壁の線維化が一般的 細気管支のリモデリング(細気管支周囲の化生)を認める 胸膜の炎症細胞浸潤と線維化を認める 時に線維芽細胞巣を認める(特発性肺線維症よりも少ない) Smith M, et al. Usual interstitial pneumonia-patte

                関節リウマチの肺病理:UIPパターンの特徴 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
              • 過敏性肺炎:抗原についての専門医アンケート - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                過敏性肺炎は、微生物、真菌、動物由来のタンパク、無機物などの抗原を繰り返し吸入することで生じる間質性肺炎と考えられています。過敏性肺炎の治療では、その抗原からの回避がとても大切であり、様々な抗原の有無を調べるため、多くのお話を伺います。 これまで多くの原因となりうる抗原が議論されてきました。しかし問診ですべての抗原曝露の有無を徴することは困難であり、医師によってもばらつきがあります。 今回、過敏性肺炎の原因となり得る抗原のうち、問診で聴取すべき抗原曝露のエピソードを、世界中の36名の専門医にアンケートをとった結果が報告されました(デルファイ法)。 Barnes H, et al. A Systematically Derived Exposure Assessment Instrument for Chronic Hypersensitivity Pneumonitis. Chest 20

                  過敏性肺炎:抗原についての専門医アンケート - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                • 急性増悪の予後とACP(アドバンス・ケア・プランニング) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                  急性増悪の治療には、現時点で有効性の確立した治療法はありませんが、日本ではステロイドパルス療法や免疫抑制剤の治療が行われることは多いです。 急性増悪発症後の予後は極めて不良であり、2016年に発行された特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き 改訂第3版を参考にすると、 平均生存期間は1.3か月 死亡率50%程度 といわれています。 また、2020年に日本から報告されたリコモジュリン®の治験の結果では、90日生存率は81%の結果でしたが、対象はあくまで治験参加者であり注意は必要です。 急性増悪では、多くの患者さんが呼吸不全を呈します。通常の酸素投与では不十分なことも多く、その際には人工呼吸器管理の適応を考えなければなりません。 しかし、特発性肺線維症(IPF)患者の呼吸不全に対する人工呼吸器管理に関して、国際ガイドラインでは、 「人工呼吸器管理は大多数の患者に対しては決して勧められないが、少数

                    急性増悪の予後とACP(アドバンス・ケア・プランニング) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                  • Toyo@呼吸器内科専門医 on Twitter: "これはダメです。健康被害が出ます。どうやったら止められる?正しい認識が普及するのを待っても遅い。これらの会社株主の方は総会で疑義紹介かけて下さい。自分も株主になるか。利益だけ考えてるなら、健康被害出てから訴訟になったら、会社に損害… https://t.co/wPzoisscbS"

                    これはダメです。健康被害が出ます。どうやったら止められる?正しい認識が普及するのを待っても遅い。これらの会社株主の方は総会で疑義紹介かけて下さい。自分も株主になるか。利益だけ考えてるなら、健康被害出てから訴訟になったら、会社に損害… https://t.co/wPzoisscbS

                      Toyo@呼吸器内科専門医 on Twitter: "これはダメです。健康被害が出ます。どうやったら止められる?正しい認識が普及するのを待っても遅い。これらの会社株主の方は総会で疑義紹介かけて下さい。自分も株主になるか。利益だけ考えてるなら、健康被害出てから訴訟になったら、会社に損害… https://t.co/wPzoisscbS"
                    • 当院のCOVID-19病棟の変遷 | 呼吸器内科医

                      日経メディカルオンラインの連載に「劇的ビフォーアフター:廃止病棟がCOVID-19病棟に!」(URL:https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/kurahara/202101/568540.html)という記事を掲載しました。少しだけ内容を変えて、当院のCOVID-19病棟の変遷について、ここでも紹介させていただこうと思います。 当院は大阪府南部の呼吸器疾患を専門に診ている病院で、結核診療も担っています。2年前に新病棟ができてから、国立療養所時代の廃止病棟を取り壊し、あまった廃止病棟をスタッフ待機室に転用していました。何を隠そう、私のデスクは廃止病棟の病室にございます。廃病室・イズ・マイルーム。夜になると、幽霊が出るとか出ないとか。がくぶる。 2020年春先、大阪府から「COVID-19病床確保のため、廃止病棟を稼働させてほしい」と言

                        当院のCOVID-19病棟の変遷 | 呼吸器内科医
                      • 小細胞肺癌の抗がん剤治療をどのラインまで行っているか - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                        今日は小細胞肺癌に関しての報告です。 肺癌には大きく小細胞肺癌と非小細胞肺癌がありますが、特に小細胞肺癌では治療効果も限定的で、再発も多く、予後が不良であることがわかっています。 この小細胞肺癌、特に抗がん剤治療を行った進展型小細胞肺癌に対してどのラインまで治療をおこなうか、世界各国の実臨床データをまとめた研究が報告されました。 DiBonaventura MD, et al. Adherence to recommended clinical guidelines in extensive disease small-cell lung cancer across the US, Europe, and Japan. Ther Clin Risk Manag 2019;15:355–66. (図. 進展型小細胞肺癌に対する各国の最終治療ライン。文献より引用掲載) 上手の縦軸は実数で、各国

                          小細胞肺癌の抗がん剤治療をどのラインまで行っているか - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                        • 見えてきた4回目接種の概要。その功罪は?そして抗原原罪とは? | JR立花駅最寄りの内科・呼吸器内科 - まつうら内科

                          尼崎市役所から北へ車で1分、東七松町にある「まつうら内科」院長 松浦邦臣です。前回ブログで予測したとおり、第6波がダラダラとした波を描きながらも少しずつ感染者数は減少傾向にあるようです。これからGWをむかえ人流が増加することから、5月は一時的に増加に転じる可能性が高いですが、そもそも各国は経済優先のウィズコロナ政策に舵をきっており、これまでの蔓延防止等の対策や、大阪の吉村知事の発言にもありましたが、濃厚接触者の隔離期間の短縮にもそろそろ変化を加えていかないと、世界の流れから置いていかれるような気がしてなりません。 <見えてきた4回目接種の概要> さて、新聞等の報道にもあるように、R4年5月下旬から6月上旬をめどにコロナワクチンの4回目接種がはじまります。概要は以下の通りとなります 〇4回目の対象接種者 60歳以上 18歳以上60歳未満のうち基礎疾患(高血圧、糖尿病などリスク疾患を指すと思わ

                          • 肺線維症に関する10の研究課題2021(オーストラリアでの調査) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                              肺線維症に関する10の研究課題2021(オーストラリアでの調査) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                            • IPFの急性増悪か他の原因による急性呼吸不全かの鑑別は非常に重要である - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                              特発性肺線維症の患者では、急性増悪を発症することが知られていますが、急性増悪に類似した病態として肺炎などに伴う急性呼吸不全があります。その両者の鑑別が大変重要であることを述べた研究が日本から報告されています。 Teramachi R, et al. Outcomes with newly proposed classification of acute respiratory deterioration in idiopathic pulmonary fibrosis. Respir Med 2018;143:147–52. 背景 呼吸器関連の入院、特に特発性肺線維症(IPF)の急性増悪(AE)は、IPF患者においてよく認め、死亡率の上昇と関連していることがわかっている。 研究目的:新たに提案された入院患者におけるARD(acute respiratory deterioration)とA

                                IPFの急性増悪か他の原因による急性呼吸不全かの鑑別は非常に重要である - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                              • MPO-ANCA関連血管炎の肺病変合併率は約50% - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                ANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody)は抗好中球細胞質抗体と呼ばれる自己抗体の総称で、これと関連の深い血管炎をANCA関連血管炎と総称しています。ANCAに関しては以下の記事もご覧ください。 このANCAの一つであるMPO-ANCAに関連した血管炎について、日本ではMPO-ANCA関連血管炎に関する重症度別治療プロトコールの有用性を明らかにする前向きコホート研究(JMAAV: Japanese patients with MPO-ANCA-Associated Vasculitis)が実施されました。 このコホート研究から、MPO-ANCA陽性のANCA関連血管炎における肺病変の報告がなされています。 Ozaki S, et al. Severity-based treatment for Japanese patients with MPO-

                                  MPO-ANCA関連血管炎の肺病変合併率は約50% - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                • NETs(好中球細胞外トラップ)ってなに? - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                  ANCA関連血管炎は、小型血管’(小細動静脈や毛細血管)を主座とする抗好中球細胞質抗体(ANCA)が関与する血管炎です。 ANCA関連血管炎の記事に関してはこちらのリンクからご確認お願いします▼ ANCA関連血管炎 カテゴリーの記事一覧 このANCA関連血管炎の病態は様々な研究がなされていますが、その一つの重要な病院としてNETsが挙げられます。 Brinkmann V, et al. Neutrophil extracellular traps kill bacteria. Science 2004;303:1532–5. NETs(Neutrophil extracellular traps)とは、好中球細胞外トラップのことで、効率よく病原菌を攻撃するために好中球が放出する網状の構造物です。 白血球の1つである好中球は、生体内に侵入してきた細菌や真菌類を攻撃(貪食、殺菌)することで、感

                                    NETs(好中球細胞外トラップ)ってなに? - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                  • 外科的肺生検後の急性増悪は約2%で起こり、対側肺に優位である - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                    間質性肺炎を詳しく調べる際の検査の一つに、外科的肺生検があります。 外科的肺生検は、実際に手術で肺を生検する手法です。現在では、基本的には胸に2cm程度の2つか3つの小さな切れ目(ポート)を入れ、胸腔鏡を使用して肺の一部を切除する、ビデオ補助胸腔鏡下外科的肺生検(VATS; video-assisted thoracoscopic surgery)という手法を用いて行うことが多いかもしれません。 注意点として、これは間質性肺炎の治療、ではなく診断や病態把握のための検査です。 もちろんとても重要な検査であり、必要時には提案していますが、やはり急性増悪をはじめとした術後合併症の懸念はあります。 そこで、2006年にこの外科的肺生検の術後の急性増悪についてまとめた研究が日本から報告されました。 Kondoh Y, et al. Acute exacerbation of interstitial

                                      外科的肺生検後の急性増悪は約2%で起こり、対側肺に優位である - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                    • 画像NSIPパターンでも約40%は病理UIPパターン - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                      間質性肺炎の代表的な画像所見はUIP(通常型間質性肺炎)パターンやNSIP(非特異性間質性肺炎)パターンですが、この両者の鑑別は決して容易ではありません。 Sumikawa H, et al. Pathologically proved nonspecific interstitial pneumonia: CT pattern analysis as compared with usual interstitial pneumonia CT pattern. Radiology 2014;272:549–56. 一言解説 間質性肺炎の画像所見でNSIPパターンを呈しても、約40%は病理所見でUIPパターンを呈することがあり注意を要する。 さらに詳しく解説(専門的な内容です) 目的 病理学的に診断された非特異性間質性肺炎(NSIP)患者における胸部CT所見を評価し、病理診断や予測死亡率など

                                        画像NSIPパターンでも約40%は病理UIPパターン - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                      • 新型コロナ感染後に症状が長期間持続しうるのはどのような患者か? - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                        新型コロナウイルスに感染した後に経験しうる様々な症状について、過去の記事で報告をさせていただきました。報告によってその頻度は極めて変動することがわかるかと思います。 しかし、どのような方が症状が持続しやすいのか、実はまだあまりわかっていません。その疑問の答えとして、2021年にNature Medicineという雑誌から一つの研究結果が報告されました。 Sudre CH, et al. Attributes and predictors of long COVID. Nat Med 2021;27:626–31. 対象は4182例の新型コロナウイルス感染症患者で、28日以後も症状が持続しうるリスク因子について検討しています。大部分がイギリス(88%)の患者で、そのほかにアメリカやスウェーデンの患者が含まれていました。 本研究では28日以後も症状が持続していたのは558例(13.3%)でした

                                          新型コロナ感染後に症状が長期間持続しうるのはどのような患者か? - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                        • 特発性肺線維症(IPF)の合併症とは? - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                          特発性肺線維症(IPF)は、慢性かつ進行性に悪化する原因不明の間質性肺炎であり、特発性間質性肺炎の代表的な疾患です。IPFに関しては以下の記事もご覧ください。 特発性肺線維症(IPF)の合併症には、様々なものが報告されています。 Idiopathic pulmonary fibrosis: effects and optimal management of comorbidities 肺の合併症としては、肺がんや肺高血圧症などが、 肺外の合併症としては、睡眠時無呼吸症候群、逆流性食道炎、心疾患(心不全や冠動脈疾患)、抑うつ症状や不安などが報告されています。 特発性肺線維症(IPF)では、これら様々な合併があることが報告されており、肺だけでなく、肺以外にも着目して診療を行うことがとても重要です。

                                            特発性肺線維症(IPF)の合併症とは? - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                          • 関節リウマチ:間質性肺炎の年間発症率(イギリス) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                            関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis; RA)は、多発の関節炎を特徴とする膠原病ですが、間質性肺炎を合併することはよく報告されています。 イギリスの9つの施設から、1460例の関節リウマチ患者を対象とした研究が報告されました。少し前のデータにはなりますが、1986年から1998年の関節リウマチ患者を対象に約10年間の観察期間(最長は23年間の観察)を経た報告です。 Koduri G, et al. Interstitial lung disease has a poor prognosis in rheumatoid arthritis: results from an inception cohort. Rheumatology 2010;49:1483–9. 本研究の結果では、12586人年の間に43例(2.9%)の間質性肺炎が診断され、さらに死亡時に9例(0.6%)

                                              関節リウマチ:間質性肺炎の年間発症率(イギリス) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                            • 間質性肺炎合併の肺高血圧症に対する吸入トレプロスチニル - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                              間質性肺炎の合併症の一つに肺高血圧症がありますが、現状ではこの肺高血圧症に対する有効性の確立した治療薬はありません。 しかし、2021年に吸入トレプロスチニルの安全性と有効性を評価した研究結果が報告されました(INCREASE study)。 Waxman A, et al. Inhaled Treprostinil in Pulmonary Hypertension Due to Interstitial Lung Disease. N Engl J Med 2021;384:325–34. 方法 対象:間質性肺炎を背景に持つ肺高血圧症の患者 超音波ネブライザーを用いて1日4回トレプロスチニルを吸入(最大12回)する群とプラセボ群に割付。 主要評価項目:16週までの6分間歩行距離の変化量 結果 トレプロスチニル吸入群はプラセボ群に比較して、6分間歩行距離を有意に改善しました。 変化の最小

                                                間質性肺炎合併の肺高血圧症に対する吸入トレプロスチニル - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                              • インターパーク倉持呼吸器内科

                                                8月1日から、オンライン診療を始めました ご希望の方は、以下の内容をご了承いただいた上、お問い合わせください お問い合わせ先 オンライン診療ご希望の方は、まずはメールにてお問い合わせください メールアドレス:59yoyaku55@gmail.com メールの件名を「オンライン診療希望」とし、 メール本文に以下の内容を記載し、保険証の写真を添付してください メール本文に記載していただきたいこと メール本文には ・当院の診察券番号(お持ちの方) ・お名前 ・ふりがな ・住所 ・電話番号 ・LINEの登録名(友だち登録(後述)後、こちらから識別するため) ・診療希望日時 ・現在の症状等 をご記載ください また、保険証の写真を撮影し、添付してください お持ちの方は、当院の診察券も一緒に撮影してください また、栃木県内在住でお持ちの方は、子ども受給者証も一緒に撮影してください *同居家族など、複数人

                                                • インターロイキン6が線維芽細胞の増生を惹起:特発性肺線維症(IPF) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                  現在新型コロナウイルス感染症で着目されているインターロイキン6(IL-6; interleukin-6)ですが、特発性肺線維症(IPF)の病態に関与している可能性が指摘されています。 特発性肺線維症(IPF)は慢性的に進行性の経過をたどる原因不明の間質性肺炎ですが、以下の記事にまとめていますので、一度ご覧ください▼ 2003年に報告された報告ですが、健常肺、特発性肺線維症(IPF)がインターロイキン6(IL-6)に曝露した結果、健常肺では線維芽細胞の増生は抑制され(a)、特発性肺線維症ではむしろ線維芽細胞の増生が惹起されています(b)。 Moodley YP, et al. Fibroblasts isolated from normal lungs and those with idiopathic pulmonary fibrosis differ in interleukin-6/g

                                                    インターロイキン6が線維芽細胞の増生を惹起:特発性肺線維症(IPF) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                  • 急性増悪の発症危険因子と長期予後とは - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                    急性増悪は特発性肺線維症(IPF)で報告され、2016年には国際ワーキンググループからその定義や診断基準の改定案が報告されました。 しかし、IPF以外の間質性肺炎でのその頻度や予後はわかっていません。 2020年にIPFとIPF以外の間質性肺炎との、急性増悪の頻度と予後を調べた研究が日本の単施設から報告されました。 Suzuki A, et al. Acute exacerbations of fibrotic interstitial lung diseases. Respirology 2020;25:525–34. 本日は前回の続きの報告です。前回の記事をまだお読みいただいていない方は、以下のリンクからご覧ください。 急性増悪発症のリスク因子 特発性肺線維症(IPF)であること(vs IPF, HR 0.453) 肺機能が悪いこと 努力肺活量(FVC)低値(per10%, HR 0.

                                                      急性増悪の発症危険因子と長期予後とは - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                    • 今週の記事まとめ(2021/11/29-2021/12/04) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                      いつもお読みいただき有難うございます。 今週は以下のような内容で報告させていただきました。もう12月ですね、早いもので2021年も最終月となりました! 症状やQOLの質問票:CAT(COPDアセスメントテスト) CATはIPFでも有用な質問票である 過敏性肺炎の重要な検査である「イムノキャップ 特異的IgG鳥」が保険適応になりました 鳥関連抗体の診断における感度、特異度は? 特発性肺線維症(IPF)における息切れと低酸素は予後不良 来週からも引き続きよろしくお願いします。 クリックお願いします!

                                                        今週の記事まとめ(2021/11/29-2021/12/04) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                      • 新型コロナウイルス感染後の持続する呼吸困難:メカニズム - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                        新型コロナウイルス感染後の持続する症状(いわゆる後遺症)は様々ありますが、息切れを自覚することもあるようです。例えばイタリアからの報告では、発症60日時点で43%の方が呼吸困難を自覚されていました(以下記事をご覧ください)。 なぜこのような呼吸困難が持続するのか。 そのメカニズムは明らかではなく、仮説の域はでていません。たとえば2021年7月にBMJという医学雑誌に掲載されたレビューからの引用では、持続する呼吸困難のメカニズムは以下の通り記載されています。 慢性的な炎症が起こることで、炎症誘発性サイトカインと活性酸素種の持続的な産生が起こり、周囲の組織や血液中に誘導される。 内皮障害により線維芽細胞が活性化され、膠原繊維やフィブロネクチンが沈着し、線維化が起こる。 内皮障害、補体や血小板の活性化、血小板/白血球炎症性相互作用、炎症誘発性サイトカインの放出、凝固経路の異常、低酸素血症が過剰な

                                                          新型コロナウイルス感染後の持続する呼吸困難:メカニズム - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                        • 特発性肺線維症における過敏性肺炎ガイドライン2020 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                          過敏性肺炎の診断基準が2020年に報告されましたが、その診断基準をどのように臨床の現場で用いていくかはまだまだ議論の余地があります。 過敏性肺炎の診断基準に関しては以下の記事をご覧ください。 この過敏性肺炎のガイドラインについて、日本から外科的肺生検を施行した280例の研究が報告がされました。 Takei R, et al. New Guideline Diagnosis of Fibrotic Hypersensitivity Pneumonitis in Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Am J Respir Crit Care Med 2021. 過敏性肺炎ガイドラインで過敏性肺炎と診断した95例のうち、特発性肺線維症(IPF)と診断されていた症例は42例(44%)でした。 また反対に、特発性肺線維症(IPF)の137例うち、過敏性肺炎ガイドラインで過敏

                                                            特発性肺線維症における過敏性肺炎ガイドライン2020 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                          • 関節リウマチに伴う間質性肺炎:画像のUIPとNSIP - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                              関節リウマチに伴う間質性肺炎:画像のUIPとNSIP - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                            • 新型コロナ発症後6か月時点の経過②:胸部CT検査と肺機能の経過(中国) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                              新型コロナ感染後の経過に関する中国の報告の続きです。 Huang C, et al. 6-month consequences of COVID-19 in patients discharged from hospital: a cohort study. Lancet 2021;397:220–32. 前回と重なりますが、本研究の患者背景は、年齢の中央値は57歳、男性が52%、観察期間は約6か月程度です。入院中に全体の68%が酸素投与を必要とし、7%が高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)や人工呼吸器管理を要しています。 今回、新型コロナの重症度を以下の通り7段階に分類しました。 scale1:入院なし、普段通りの生活の再開が可能 scale2:入院なし、普段通りの生活の再開が困難 scale3:入院したが、酸素投与は不要 scale4:入院し、酸素投与が必要 scale5:入院し、高流

                                                                新型コロナ発症後6か月時点の経過②:胸部CT検査と肺機能の経過(中国) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                              • 過敏性肺炎の有病率と罹患率(アメリカの保険請求データベース) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                過敏性肺炎は、微生物、真菌、動物由来のタンパク、無機物などの抗原を繰り返し吸入することで生じる間質性肺炎であり、主にⅢ型、Ⅳ型アレルギーが原因と考えられています。 過敏性肺炎の治療では、その抗原からの回避がとても大切で、抗原が不明なものは予後不良と報告されています。 過敏性肺炎の有病率、罹患率について、2004年から2013年のアメリカの保険請求データベースを用いた研究が2018年に報告されました。 Fernández Pérez ER, et al. Epidemiology of Hypersensitivity Pneumonitis among an Insured Population in the United States: A Claims-based Cohort Analysis. Ann Am Thorac Soc 2018;15:460–9. 過敏性肺炎の1年間の有

                                                                  過敏性肺炎の有病率と罹患率(アメリカの保険請求データベース) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                • 特発性肺線維症における画像所見と予後との関係 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                  2008年に日本から報告された研究ですが、特発性肺線維症の患者における画像所見についてまとめたとても重要な研究ですのでご報告します。 Sumikawa H, et al. Computed tomography findings in pathological usual interstitial pneumonia: relationship to survival. Am J Respir Crit Care Med 2008;177:433–9. 背景 特発性肺線維症(IPF)は、胸部CT検査で典型的な通常型間質性肺炎(UIP)の所見を認める場合と、非特異性間質性肺炎(NSIP)でしばしば見られるような非特異的または非典型的な所見を示す場合がある。 研究の目的:IPFの胸部高分解能CT(HRCT)を再確認し、CT所見と死亡率の相関を明らかにすること。 方法 組織学的にUIPと診断され

                                                                    特発性肺線維症における画像所見と予後との関係 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                  • 脂肪組織が間質性肺炎に及ぼす悪影響 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                    肥満パラドックスに関してはようやく間質性肺炎の領域でも議論されるようになりましたが、その真偽はまだ議論があります。今年のChest誌に、脂肪組織と間質性肺炎に関する報告です。 Anderson MR, et al. Adiposity and Interstitial Lung Abnormalities in Community-Dwelling Adults: The MESA Cohort Study. Chest 2021;160:582–94. 背景 肥満は拘束性換気障害と関連し、努力肺活量(FVC) が早く低下することが知られている。この関連は機械的な要因のみによるものではなく、脂肪由来のメディエーターによる直接的な肺傷害を反映している可能性がある。 研究課題:脂肪組織は間質性肺炎の病態に関与しているか? 研究デザインと方法 地域在住の成人の大規模多施設共同研究において、心膜、

                                                                      脂肪組織が間質性肺炎に及ぼす悪影響 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                    • 自然界と人体の神秘 ~フィボナッチ数列、黄金比から見る~ | フォレスト呼吸器内科クリニック町田 | 町田駅

                                                                      子供(中学1年生)の夏休みの数学自由課題を手伝っていたら、とても興味深いことを知りました。今回のブログは「咳痰」「呼吸器」にはほとんど関連ありませんが、数列/数学を通じて自然界や宇宙にまで通する「法則」「真理」を垣間見るような感覚になり、神秘的な気持ちになれたらと思います。 「自然という書物は数学の言葉で書かれている」(ガリレオ・ガリレイ) イタリアの数学者フィボナッチ(1170~1259年頃)が紹介した数列を「フィボナッチ数列」と言います。 1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377… 「どの数字も前2つの数字を足した数字」という規則の数列です。何が不思議だと思います?実は自然界にはこの数列が多く潜んでいます。 1+1=2 1+2=3 2+3=5 3+5=8 5+8=13 8+13=21… 数学者のフィボナッチは「ウサギの増える」様子をみて、この数列を見

                                                                      • 第4波による大阪府の病床逼迫 | 呼吸器内科医

                                                                        2021年4月7日の大阪府のSARS-CoV-2新規感染者数は過去最多となりました。重症病床患者も158人まで増加し、重症病床の転院引き受けが難しくなっている現状があります。実稼働ベースで重症病床使用率は90.8%まで上昇しています(158床/174床)。 第4波は、直近2週間で4倍以上に「7日間陽性者数」が増加し、第2波、第3波を激しく上回る速度で拡大しています。緊急事態宣言の緩和が東京よりも3週間早かったため、卒業・入学・異動シーズンを迎えたこともあり、想定を上回る角度で患者数が増加しました。重症病床は、すでに第3波後半の余波で60床が稼働した高い発射台で第4波を迎えることとなりました。また、重症病床数全体もかなり減らしていたことから、感染の再増加に対応できず、急速な病床逼迫につながったものと思われます。 現状、実臨床ベースでの変異株の影響は明らかになっていませんが、すでに大阪府全体で

                                                                          第4波による大阪府の病床逼迫 | 呼吸器内科医
                                                                        • 新型コロナ:発症後の心肺機能の経過 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                          新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発症後の心肺機能の経過について、 オーストリアから多施設観察研究の報告です。 Sonnweber T, et al. Cardiopulmonary recovery after COVID-19: an observational prospective multicentre trial. Eur Respir J 2021;57 対象は145例のCOVID-19、主に発症100日目の経過を評価しています。 結果は以下の通りです。 <発症100日目の症状> 症状がある患者は全体の41% 主な症状は、呼吸困難、咳嗽、睡眠障害など <発症100日目の胸部CT検査> 何らかの異常所見を認めた患者は全体の63% すりガラス影や網状影が主体 <発症100日目の肺機能> 肺機能障害がある患者は全体の36% 拘束性障害(努力肺活量(FVC)<80%)は全体

                                                                            新型コロナ:発症後の心肺機能の経過 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                          • CATはIPFでも有用な質問票である - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                            CAT(COPDアセスメントテスト)は、もともとCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の状態が健康と日常生活にどのような影響を与えているかを判断する質問票として使用されてきました。 CATについては以下の記事もご覧ください▼ CATは8項目の簡単な質問からなるアンケート(40点満点)で、COPDの患者ではとても有用な質問票ですが、間質性肺炎での有用性は明らかではありませんでした。 しかし、2017年に特発性肺線維症(IPF)の患者におけるCATの有用性を示した素晴らしい研究が日本から報告されています。 Matsuda T, et al. COPD Assessment Test for measurement of health status in patients with idiopathic pulmonary fibrosis: A

                                                                              CATはIPFでも有用な質問票である - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                            • 特発性肺線維症における蜂巣肺の有無(INPULSIS試験のサブグループ解析) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                              特発性肺線維症の胸部CT所見は、胸膜直下の分布と網状影が特徴で、典型的には蜂巣肺を呈します。 下図はどちらも胸膜直下の網状影を認める特発性肺線維症の画像ですが、左は蜂巣肺あり、右は蜂巣肺なしの画像です。 (Raghu G, et al. An official ATS/ERS/JRS/ALAT statement: idiopathic pulmonary fibrosis: evidence-based guidelines for diagnosis and management. Am J Respir Crit Care Med 2011;183(6):788–824より引用掲載) 上記画像のように典型的であればわかりますが、なかなか蜂巣肺の有無を判断することが難しいことも多いのが実際です。 例えばこれは、特発性肺線維症に対する抗線維化薬であるニンテダニブ(商品名:オフェブ)の試験

                                                                                特発性肺線維症における蜂巣肺の有無(INPULSIS試験のサブグループ解析) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                              • リジン尿性蛋白不耐症に伴う肺合併症について解説 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                                リジン尿性蛋白不耐症という病気をご存じでしょうか。前回の記事で簡単にまとめていますので、まだ読まれていない方は、一度ご覧ください。 多彩な症状を呈するといわれていますが、肺の合併症として、間質性肺炎が指摘されています。 2015年にフランスから14例のリジン尿性蛋白不耐症をまとめた研究が報告されました。 Valimahamed-Mitha S, et al. Lung involvement in children with lysinuric protein intolerance. J Inherit Metab Dis 2015;38:257–63. リジン尿性蛋白不耐症の診断年齢中央値は生後9か月。 最長で35歳まで観察された症例を含む14例のリジン尿性蛋白不耐症の患者のうち、10例(71%、診断年齢中央値は3歳)で肺合併症を認めたようです。 胸部CT検査は7例に施行し、全例で間質

                                                                                  リジン尿性蛋白不耐症に伴う肺合併症について解説 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                                • 肺炎によるARDSの早期・晩期死亡の関連因子とは - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                                  肺炎をきっかけに両側の肺に影が出現し重度の呼吸不全を呈することがあります。このような病態を急性呼吸窮迫症候群(ARDS; acute respiratory distress syndrome)と呼びますが、どのような臨床的な因子が予後と関連があるのか、まだあまりわかっていません。そこに言及した報告が日本から2021年に報告されました。 Ichikado K, et al. Clinical phenotypes from fatal cases of acute respiratory distress syndrome caused by pneumonia. Sci Rep 2021;11:20051. 背景 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の致死的転帰を予測する客観的な臨床的特徴や予後因子は、ベルリン定義が発表されて以来、報告されていない。 研究の目的:肺炎による致死性ARDSの2つ

                                                                                    肺炎によるARDSの早期・晩期死亡の関連因子とは - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ