第六話 意に沿わぬ振る舞い 「では、話させてもらうよ。 次の日、お勉強とかが終わると、ヒーナ様は私とベイジに『昨日の塔に行こう』と言い出した。スネーシカ姉さんが隠れて、泣いていた場所。そこなら大事な話ができる、と。 三人で塔の螺旋階段に入る前に、ヒーナ様が兵士を一人、引っぱってきた。階段の入り口で見張りをするよう、言いつけてね。『女同士の話に聞き耳を立てたりしないでしょうね。そういうことは、男として恥ずべきことと思いなさい』とか釘を刺した。その兵士は固まっていたよ。 階段を登って、塔の上に出ると、町並みをよく見渡せた。そうだ、思い出した。あの時は二日続けて、雲一つ無い青空だったんだ。こっちは、あんな辛い話を知らされたのにね。お天道様は知らんぷりかって気分だったよ。だから私だけじゃなく、ヒーナ様もベイジも、心ん中じゃ、雲が立ちこめまくっていただろう。 ヒーナ様は大して景色も楽しまないで、私と