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米軍輸送機オスプレイをめぐる最悪級の事故となった屋久島沖の墜落から1週間。米軍は6日、事故に至った不具合の「根本的な原因は不明」としつつ、世界中で飛行を一時停止すると決めた。相次いだ重大事故にもかかわらず、人口密集地の上を飛び続けた機体の「全機停止」。日本政府は動揺を隠せない。
自民党の政治資金パーティーをめぐる問題が岸田政権を揺るがしている。 7日午前、岸田文雄首相が、自ら率いる岸田派(宏池会)の派閥会長を退く意向を固めたというニュースが飛び交った。首相周辺によると、派閥の政治資金問題の疑惑を受け、派閥の会長を退くことで、党のトップとして信頼回復に努めることが狙いだという。 そもそも自民党の歴代首相は在任中は派閥を抜ける慣習があった。それは所属したままでは派閥の利益にとらわれてしまい、国家や党全体のリーダーとしてふさわしくないという不文律だった。首相として憲政史上最長の在任期間を記録した安倍晋三氏も、在任中は派閥を抜けていた。 無派閥の菅義偉前首相が「派閥政治を引きずっているというメッセージになって、国民の見る目は厳しくなる」と苦言を呈し、派閥を抜けるよう求めたこともあったが、首相は周囲に「別に派閥を抜けなければならないルールがあるわけではない」と主張。首相在任
自民党安倍派が政治資金パーティー収入の一部を組織的に裏金にしていたとみられる疑惑について、具体的な説明を拒んでいる同派所属の松野博一官房長官は7日、会見での対応の改善などを求めた報道各社の要望に対し、事実上のゼロ回答で応じた。報道各社に「個々の政治団体や政治活動に関するお尋ねについては、政府の立場として、お答えは差し控える」などと、文書で答えた。 内閣記者会に加盟する朝日新聞などの報道各社は6日、松野氏が記者会見で具体的な回答を避けているとして、定例会見でこの問題について具体的に説明するか、別に説明の機会を設けるよう求めていた。 松野氏は回答期限の7日夕、首相官邸報道室を通じて文書で回答。「定例の会見は政府の立場としてお答えしているものと認識しており、個々の政治団体や政治活動に関するお尋ねについては、政府の立場としてお答えは差し控える」とした。 会見とは別に説明の場を設けるかについては「ま
少子化対策の財源確保策の一つ、社会保障の歳出改革をめぐり、政府が2028年度までに1・1兆円規模の公費削減を見込んでいることが分かった。改革の検討メニューには、医療・介護の負担増も並ぶ。「こども未来戦略」に盛り込み、年内に閣議決定する。 少子化対策の事業費は年3・5兆円規模。既定予算の活用、医療保険料とあわせて徴収する「支援金(仮称)」、改革工程での捻出で、28年度までに財源を確保するとしていたが、内訳は明らかにしていなかった。 改革メニューには、医療・介護で「現役並み」の所得がある高齢者について、窓口負担や利用料を「3割負担」とする対象拡大の検討が入る。支払い能力を判断する際に金融所得や資産を勘案することも検討課題にあがっている。 改革工程は、各項目の実施時…
「エビデンス」という言葉が、真偽を裏づけるものとして、当たり前に使われるようになりました。でも「エビデンス」って本当に決定的なもの? 社会学者の松村一志さんに聞きました。 「エビデンス」という言葉が広まった大きなきっかけは、1990年代に生まれた「エビデンス・ベースト・メディスン」でしょう。医師の経験に頼るのではなく、効果や副作用をめぐる科学的証拠に基づいて治療を施す。それが医療や学問を超えて人口に膾炙(かいしゃ)するようになりました。 学問レベルと一般の人とでは、エビデンスの扱い方が異なります。学問の世界では、膨大な量の論文などをもとに、証拠の強さを評価し、選別することが重視されてきました。それにより、エビデンスから言えることの範囲が狭められていくのです。 雑多なものがひとくくりに 一般の人々も、ネットなどに…
岸田文雄首相が2019年にニュート・ギングリッチ元米下院議長と面会した際に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)友好団体トップらが同席したとされる問題で、首相は7日午前、官邸で記者団の取材に応じた。ギングリッチ氏が朝日新聞の取材にトップらの同席を認めたことについて問われ、「同行された方がどなたであったか承知していない。この認識は変わらない」と述べた。 首相は「ギングリッチ氏に確認すべく接触を試みているが、たとえ同行者のなかに(教団)関係者がいたとしても認識は変わらない」と主張。「同行者にそういった方がいたことをもって、旧統一教会と関係を持っていたという指摘はあたらない」とも述べた。 ギングリッチ氏が、面会は友好団体が手配したと説明していることについては、「あくまでもギングリッチ氏との面会が申し込まれ、元外務大臣の立場でお会いした」。ギングリッチ氏側から首相に回答があった際に説明するかどうかに
おやじのことは、大っ嫌いでした。 目がギラギラしていて、不満があると大声を出して。それが全部、恫喝(どうかつ)するような口調なんです。復員兵で、骨の髄まで軍隊に染まった人でした。戦後はなんだか、不機嫌に生きていましたねえ。 戦争中は、フィリピンと中国北部の戦線にいたそうです。おやじいわく、「日本一勇猛果敢な連隊」だったんだとか。 記憶の中のおやじは、酒を飲んでは戦場体験を話していました。いや、語るなんてもんじゃなく、何というか「うめき」みたいなものかな。バラバラの断片の記憶が、お酒を飲んでうめき声と一緒に漏れてくる。そういう感じです。 「フィリピンの上陸作戦では、連隊の先頭を切って走った」とか、「マッカーサーを捜してバナナ畑をさまよった」とか。でもじきに、圧倒的な米軍の逆襲が始まるわけです。悲惨な経験もしたのでしょう。
「エビデンス」という言葉が日常会話でも当たり前に使われるようになりました。文芸評論家の鴻巣友季子さんは、「自分こそ正しい」というバトルのツールになっている面がある、と指摘します。話を聞きました。 「エビデンス」は重要なのに…… 科学的根拠は重要ですし、私も大学の授業で「エビデンスを示すように」と言っています。ですが、誰かの意見に「エビデンス」を求めたり、自分の「エビデンス」を主張する際に、それが相手を言い負かす目的だけになったりしている場合があり、そういう風潮には疑問を感じています。 SNSでは、強い言葉で、短時間で、分かりやすく立場を表明する人に支持が集まります。何かが起きた時、すぐに明確な言葉を発信する人が「バズる」。そしてその際に根拠として何らかのデータなどを提示すると、「エビデンスがある」として、その意見の正しさが裏打ちされるかのような効果があります。 目的化した「バズる」 私が書
横浜最大の歓楽街・伊勢佐木町に隣接する福富町付近で、酩酊(めいてい)した客が飲食店員とATMに行き、多額の現金を引き出される被害が多発している。神奈川県警伊勢佐木署によると、身に覚えのない支払いの相談は今年に入って急増し、被害総額は計約1億4700万円で、昨年1年間の2倍に迫る勢いだ。新型コロナウイルスが5類に移行して初めての忘年会シーズンを前に、県警は警戒を強めている。 スナックや外国料理店、風俗店などが立ち並ぶ横浜市中区福富町。早朝、両脇を女性に支えられた泥酔客がコンビニでお金をおろし、コインパーキングや歩道に置いていかれる。 こうした光景を、福富町町内会の小島正男副会長(75)ら住民は何度となく目撃し、110番通報してきた。小島副会長は「警察が駆けつける頃には女性たちの姿はない」と話す。 「身に覚えのないカード決済があった」「コンビニで多額の金が引き出されたが、記憶がない」 福富町周
自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる疑惑を受け、岸田文雄首相は6日、党幹部を集め、政治資金パーティーを当面自粛することを申し合わせた。パーティー券を購入してきた企業や団体からは、自民党に対する苦言と注文が相次いだ。 会社幹部の男性は5月、自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)のパーティーに出席した。地元の衆院議員に頼まれ、10枚のパーティー券を購入したが、上京したのは自身だけ。 「大人数で東京には行けないのに、付き合いでお金を払っていた」 ■「昔ながらの金権政治」…
三重県立くわな特別支援学校(同県桑名市)の女性校長が昨年9月、障害がある生徒との接し方を犬へのしつけに例えて部下を指導していたことが県教育委員会への取材でわかった。県教委は「不適切な発言があった」として校長の処分などを検討している。 校長は、県教委の調査に不適切な発言を認め、今年10月下旬に教職員らに謝罪した。学校関係者によると、「子どもたちに謝罪したい。ショックを受けた職員のみなさんにも申し訳ない」と話したという。現在、校長は通常通りに勤務している。 県教委や学校関係者によると、校長は昨年9月、女性教諭を校長室に呼び出し、教諭を慕う特定の生徒への接し方について指導した。その際、校長は「犬を取り扱うようにその生徒と接すればいい」という趣旨の発言をしたという。教諭はその後退職した。周囲には発言にショックを受けたと漏らしていた。 別の教員にも動物の例え使い指導 教諭の退職後、校長の発言を…
「エビデンス」という言葉が当たり前に使われるようになった。政治や教育、時には個人の意見にも、科学的根拠やデータが求められる。そのことで何を獲得し、何を失っているのか。 ■即「善悪」判断、覆う不寛容 鴻巣友季子さん(翻訳家・文芸評論家) 科学的根拠は重要ですし、私も大学の授業で「エビデンスを示…
「異次元の少子化対策」をめぐり、政府は3人以上の子どもがいる多子世帯について、2025年度から子どもの大学授業料などを無償化する方針を固めた。所得制限は設けない。教育費の負担軽減で、子どもをもうけやすくする。「こども未来戦略」に盛り込み、月内に閣議決定する。 対象は子どもが3人以上の世帯。大学生のほか、短期大学や高等専門学校などの学生も含める方針。入学金なども含む方向で調整している。子どもとしての数え方も今後詰める。 年収380万円未満の世帯では現在、授業料を減免したり、給付型奨学金を出す支援制度がある。政府は今春、少子化対策として、24年度から、年収600万円までの中間層の多子世帯などに対象を広げ、授業料を減免すると発表した。 今回は多子世帯は原則、所得制限なく無償化すると踏み込んだ。戦略原案では「学業の要件について必要な見直しを図る」とも記した。授業に出席していない場合は対象外とするこ
岸田文雄首相が2019年にニュート・ギングリッチ元米下院議長と面談した際、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップらが同席していたとされる問題で、ギングリッチ氏が朝日新聞の取材に応じ、トップらの同席を認めた。面談については「UPFジャパンが手配した」と説明した。 岸田氏は「ギングリッチ氏から表敬をしたいという申し入れがあって、お会いした」としているが、教団側が日米の有力政治家の面談を仲介していた可能性がある。 岸田氏は自民党政調会長だった19年10月、党本部でギングリッチ氏と面談。朝日新聞は経緯や同席者についてギングリッチ氏に質問を送り、6日に書面で回答があった。 ギングリッチ氏によると、UPFジャパンの梶栗正義議長や、米国の教団の元会長でUPFインターナショナル会長のマイケル・ジェンキンス氏が同席し、岸田氏と会話も交わしたという。面談は「UP
「遅い」「場当たりだ」――。自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる疑惑を受け、岸田文雄首相(党総裁)は6日、派閥によるパーティーを当面自粛する方針を打ち出したが、党内では首相の対応の遅れに対する批判が渦巻く。 茂木氏や麻生太郎副総裁ら党幹部による「8者会合」に先立ち、官邸で開かれた政府与党連絡会議。公明党の石井啓一幹事長は首相らに苦言を呈した。「国民の反応は厳しい。丁寧な説明と再発防止策をお願いする」 対応を派閥任せにし、後手に回った首相に連立パートナーとしてのいら立ちを示した形だが、自民党内からはさらに厳しい声が出る。参院の有力議員は「やることなすこと、遅い!」。党幹部は「岸田の岸田たるゆえんだ」と苦笑いする一方、「『対応が遅い』と批判されて動いても場当たり感が出る」と懸念する。 来秋の総裁選再選を見据えて派閥の意向を重視してきた姿勢が傷を広げたとの見方が党内では大勢だが、首相周辺は「過
「近畿の水がめ」と呼ばれる滋賀県の琵琶湖で、少雨による水位低下が続いている。 県北部の長浜市では、普段は湖岸近くに浮かぶ小島「奥の洲」が陸続きになり、フランスの有名な修道院「モンサンミシェル」のようだと話題になっている。 琵琶湖河川事務所が発表した6日午前6時の平均水位はマイナス70センチで、県が渇水対策本部を設置する基準まで、あと5センチに迫る。台風の上陸が少ないなど、今年は好天が続いたのが理由で、今年7~11月の大津市での降水量は、平年より約3割少なかった。 湖北野鳥センターによると、「奥の洲」は鳥の生息地で、湖岸と島の間にある浅瀬は、水位が上昇する夏場は水深約1メートルほどで、つながっていない。 湖岸の湿地帯にあるヨシ群落を保護するため、県は条例を定めている。同センターは、ヨシを折ったり、芽を踏みつぶしたりしないため、湿地帯をむやみに歩かないよう呼びかけている。 琵琶湖以外でも、ダム
自民党最大派閥・安倍派による組織的な裏金作りの疑惑など派閥の政治資金パーティーをめぐる一連の問題を受け、党総裁の岸田文雄首相は6日、党幹部を集め、各派閥による政治資金パーティーを当面自粛することを確認した。 2022年の各派閥の年間収入のうち、政治資金パーティーによる収入は5割から8割超で、派閥運営の柱だ。首相は「信頼回復に向けた取り組みを明らかにするまで」の自粛を求めたが、開催できない期間が長引き、収入の激減が続けば、各派閥の求心力は低下し、自民党の特徴といえる派閥政治の衰退につながる可能性がある。 主要5派閥の収入の77%がパーティー収入 岸田派は80% 総務省が公表した22年の政治資金収支報告書によると、自民の主要5派閥の収入総額は計11・4億円で、このうちパーティー収入が77%だ。最も収入が多かった麻生派は2・9億円のうちパーティー収入は2・3億円で収入全体の81%を占める。岸田派
自民党の高市早苗経済安全保障担当相を中心とする議員勉強会の第2回会合が6日、国会内で開かれた。参加者は高市氏を含め10人で、初回より3人少なかった。現職閣僚が主宰する勉強会に党内から批判が出ており、出席者から「派閥から出席を止められた議員もいる」との不満も漏れた。 勉強会「『日本のチカラ』研究会」は、自民内では次の総裁選に意欲を示す高市氏の足場固めが狙いとみられている。非公開で行われ、安全保障の専門家が講演したという。出席者のひとりは「高市さんは、内閣が吹っ飛ぶくらいの覚悟で省庁再編をやらないとだめだなどと発言していた」と話した。 「高市勉強会」は来月以降…
政務活動費を横領したなどとして、神戸地検は6日、兵庫県尼崎市の光本圭佑市議(44)を業務上横領罪や有印私文書偽造・同行使罪などで起訴した。 起訴状によると、光本市議は2019年1月~21年9月、当時所属していた尼崎市議会の日本維新の会市議団の預金口座から計約200万円を横領したり、請求書や領収書などを偽造して政務活動費の支出書を作成したりしたとされる。光本市議は同市議団で政務活動費の管理業務に従事していた。 問題は昨年6月に発覚。同8月に同市議会事務局が有印私文書偽造・同行使などの疑いで刑事告発し、今年10月、業務上横領などの疑いで県警が書類送検していた。 3度の辞職勧告決議も…… 市議会議員政治倫理審査会は同11月、パソコンの納品書の偽造行為などについて、政治倫理基準に違反すると認定。市議会は11月までに3度、辞職勧告決議案を可決した。光本市議は今年7月の審査会に出席した際、「お答えでき
自民党安倍派が政治資金パーティー収入の一部を裏金にしていたとみられる問題をめぐり、内閣記者会に加盟する朝日新聞などの報道各社は6日、同派所属の松野博一官房長官が記者会見で具体的な回答を避けているとして、対応を改善するように文書で要望した。定例会見でこの問題について具体的に説明するか、別に説明の機会を設けるように求めた。 松野氏は2019年秋から約2年、派閥の運営を取り仕切る事務総長を務めた。現在も意思決定機関である常任幹事会のメンバー。安倍派の疑惑が報じられて以降、毎日2回の会見でこの問題に質問が集中しているが、松野氏は「政府の立場で会見しており、お答えは差し控える」と繰り返し、説明を拒んでいる。 6日の記者会見でも、自身が…
岸田文雄首相が2019年にニュート・ギングリッチ元米下院議長と面談した際、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体のトップらが同席していたとされる問題で、ギングリッチ氏が朝日新聞の取材に応じ、トップらの同席は事実だと認めた。友好団体トップらもそれぞれ岸田氏と会話を交わしたといい、当時撮影したという写真も提供した。 岸田氏は自民党政調会長だった19年10月、党本部でギングリッチ氏と面談。ギングリッチ氏によると、この場に、旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップ、梶栗正義議長や、UPFインターナショナル会長で米国の教団の元会長、マイケル・ジェンキンス氏が同席していたという。 朝日新聞はギングリッチ氏にメールで取材を依頼し、6日に書面で回答があった。ギングリッチ氏によると、それぞれ会話も交わしたとして、当時撮影したという写真を提供した。写真に納まっているのはギングリッチ
Re:Ron連載「ことばをほどく」第4回 10月25日の最高裁の判決で、「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」(「性同一性障害特例法」)におけるいわゆる不妊化要件が違憲であるとの判断が、裁判官全員一致で下された。 性同一性障害特例法は、トランスジェンダーが戸籍に記載された性別を変更する際の手続きを定めた法律だが、現在この手続きをおこなうには五つの条件を満たすことが求められている。①18歳以上であること、②婚姻をしていないこと、③未成年の子がいないこと、④生殖腺がない、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること⑤性器が変更後の性別の標準的な性器の形状に近似した外観になっていること、だ。「不妊化要件」と呼ばれているのは四つ目の条件であり、要するに生殖能力がある状態では戸籍上の性別を変更することはできないという内容である。不妊化要件は⑤のいわゆる「外観要件」とセットで「手術要件
車両が行き交う度、砂ぼこりを巻き上げる未舗装の道。吹き抜ける北風を遮る大きな建物はない。大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)。靴底には、湿った土がこびりついていた。 「こちらです」。11月27日、2025年大阪・関西万博の準備を担う日本国際博覧会協会(万博協会)が報道機関向けに開いた現地見学会。協会職員に案内された先に、規則正しく木柱が組み合わさった巨大な建築物がそびえていた。数メートル先で、クレーンが轟音(ごうおん)を上げながら約2トンの木材をつり上げている。 当初想定の1・9倍に膨らんだ最大2350億円の会場建設費のうち、344億円を投じる大屋根(リング)だ。 直径675メートル、1周2キロ、高さは内側12メートルで外側20メートル、世界最大級の木造建築物。「多様でありながら、ひとつ」という万博の理念を表すシンボルで、参加国・地域や民間企業のパビリオン、大学教授や映画監督ら著名人が手
「おはようございます。教授の回診です」 病室のドアをノックして、入院患者に声をかける。大学病院の外科医だった30代前半の女性の朝は、そうやって始まった。 毎朝7時過ぎ、医局員総出で教授の到着を待つ。教授のためにエレベーターを呼び、乗り切れなかった医局員は遅れないように階段をダッシュする。隊列を組んで広い病棟を歩き回り、入院患者の様子を確認する。 それはそれで大事な仕事だったけれど、その後に待っている「教授の雑談」を聞く時間は、耐えがたかった。 朝の貴重な時間が刻一刻と過ぎていく中、医療とは関係のない時事問題や、趣味嗜好(しこう)の話などを聞かされる。長いときは1時間以上にもなった。「女の外科医はいらない」と、教授はよく言っていたっけ。 目を伏せて、うとうとしながら聞き流す日々。本当は10分でも寝たかった。 教授による「時間搾取」は、それだけではなかった。 週末は、教授の趣味のゴルフ…
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自民党安倍派(清和政策研究会)や二階派(志帥会)の政治資金パーティーをめぐる疑惑を受け、党総裁の岸田文雄首相は6日、派閥によるパーティーの開催を自粛するよう求める方針を固めた。政権幹部が明らかにした。 首相はこの問題について、同日昼に首相官邸で開かれた政府与党連絡会議で「政治の信頼を回復するため、自民党としても強い危機感を持って、この問題に一致結束して対応していく。この後、党の幹部とも当面対応について相談する」と語った。 首相はこの後、党本部に幹部を集め、派閥パーティーの自粛を要請する方針だ。麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長、森山裕総務会長の各派閥のトップのほか、安倍派幹部の萩生田光一政調会長らが参加する。関口昌一参院議員会長、世耕弘成参院幹事長も出席する方向だ。 首相は、各派閥の政治資金収支報告書へのパーティー収入の不記載の問題に加え、最大派閥の安倍派による組織的な裏金作りの疑惑などが相次
自民党最大派閥の「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとみられる問題で、派閥から裏金のキックバックを受けた疑いがある所属議員の秘書らから、東京地検特捜部が任意聴取を始めたことが、関係者への取材でわかった。秘書らは還流を受けた事実は認めているという。 政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)容疑での立件を視野に捜査している特捜部は、派閥の担当者に加えて議員側からも説明を求めることで、実態解明を進めるとみられる。 関係者によると、安倍派では…
大麻由来の医薬品の解禁や、大麻の使用罪を新たに設ける大麻取締法などの改正案が成立する見通しとなりました。使用罪の創設は、若者の間で広がる乱用を防ぐことにつながるとされます。しかし、依存症治療に携わる国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長の松本俊彦さんは「厳罰化より支援の充実が必要」といいます。使用罪創設がもたらす影響や大麻をめぐる現状について聞きました。 ――今回の法改正では、大麻由来の薬が国内でも使えるようになる一方、大麻の使用罪が設けられます。どう受け止めていますか。 治療の選択肢として、効果のある薬が使えるようになることは、非常に喜ばしいと思います。一方で国際的には、薬物政策の「厳罰化」に対する反省が高まっています。「使用罪」の創設は、もう少し丁寧な議論が必要だったのではないでしょうか。 ――どういうことでしょう。 大麻の「完全無罪」「合法化」や、「大麻は安全だ」と言っている
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