渡辺努 東京大学経済学部長 最も優秀な学生がベンチャーに 企業の寄付でトップ人材獲得も 東大で学ぶ学生も昔とは様変わり。自らもベンチャー企業を設立した渡辺努・経済学部長に、経済学部の現状や、最近の学生気質について聞いた。 (聞き手=藤枝克治・本誌編集長、構成=稲留正英・編集部) ── 東大経済学部が日本の社会において果たしてきた役割は。 ■他の大学と同様に研究と教育の二つの側面があるが、相対的に教育の貢献度が大きい。毎年350人程度が卒業し、官庁や日銀、マスメディアなどで活躍している。日本社会に人材供給面で多大の貢献があった。 もちろん、研究面でもどの大学と比べても遜色はない。特に強いのが、ミクロ経済の理論、特にゲーム理論などだ。計量経済学も強い。こうした分野でグローバルな業績を上げている。 ── 英調査会社によると東大経済学部の世界ランキングは31位。シンガポールや中国の大学よりも10位