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ブラックフライデー
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首謀者の「正体」 山梨県富士河口湖町にある中国資本ホテルが「あなたの家の木のせいで富士山がよく見えない」という理由で隣人宅のヒノキを無断で伐採、さらに除草剤を注入した事件。 前編記事『「私たちは日本の警察には捕まらない」…隣人のヒノキを無断伐採した中国資本ホテルの実行犯が逮捕、実刑判決も首謀者の中国人経営者は「国外逃亡」』でも紹介したように、器物損壊の罪に問われた実行犯の中国人男性に対し、甲府地裁は12月2日、求刑通り罰金30万円の判決を言い渡した。 被害者の井上さん(仮名)は、こう安堵する。 「この件は本来、隣人とのトラブルなので内々の話し合いで収めたいと考えていました。ところが、ホテル側からは誠意ある対応が一度もなく、あまりにも倫理観が欠如していたため告発を決意しました。被害発生から3年近く経ちますが、まずは実行犯に対する処分が決まって安心しました」 前代未聞の行為に及んだのは、富士河
実行犯は中国人男性 山梨県富士河口湖町にある中国資本ホテルが「あなたの家の木のせいで富士山がよく見えない」という理由で隣人宅のヒノキを無断で伐採、さらに除草剤を注入した事件。 週刊現代は2024年2月に『「富士山が見えないから切った」…中国資本のホテルが隣人宅のヒノキ23本を無断伐採した、「身勝手すぎる言い分」』でいち早く詳報した。 その後、器物損壊の罪に問われた実行犯の中国人男性に対し、甲府地裁は12月2日、求刑通り罰金30万円の判決を言い渡した。 「この件は本来、隣人とのトラブルなので内々の話し合いで収めたいと考えていました。ところが、ホテル側からは誠意ある対応が一度もなく、あまりにも倫理観が欠如していたため告発を決意しました。被害発生から3年近く経ちますが、まずは実行犯に対する処分が決まって安心しました」 こう安堵するのは、被害者の井上さん(仮名)だ。 まずは前代未聞の事件を振り返る
韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が12月3日午後11時、「非常戒厳」を宣言した。野党が予算案に合意しないことなどを受け、「国政がまひ状態にある」としての対応だった。 戒厳が出されてから、韓国の国会前には危機感をもった多くの市民が集まった。警官と揉み合い、シュプレヒコールをあげた。国会の内部では190人の議員が戒厳の解除を求める動議を可決した。韓国のテレビは、市民が軍隊の銃につかみかかる場面を報じた。 非常戒厳は、それによって「デモや集会行為の禁止」や「メディアの統制」などが可能になる、きわめて強力なものだからだ。1987年に韓国の民主化が実現して以降、戒厳が宣言されたのは今回が初めてだった。 大統領はこうした動きを受け、12月4日の未明に戒厳の解除を発表。大統領によるずさんな権力の濫用と言わざるをえない状況だが、一方で、すみやかに戒厳解除に至ったのは、戒厳にたいする市民のきびしい行動
アニメやゲーム、映画の中だけの出来事だった「仮想現実」や「仮想空間」。 それらを「現実」のものにする革命的技術・メタバースの名が広まって早数年、VRやスマートグラス、Apple Vision Proが登場し、その存在はより身近なものになりつつあります。 しかし、そもそも私たちはなぜメタバースに、仮想空間という「もう一つの現実」に行ってみたいと思うのでしょうか。 そこには人間の根源的な、ある「欲望」があるのではないかと、哲学者の戸谷洋志さんは分析します。 戸谷さんの新著『メタバースの哲学』から、私たちの未来を変えるかもしれないメタバースの「正体」に迫るヒントをご紹介します(『メタバースの哲学』の一部を抜粋・再編集しておとどけします)。 メタバースが提示する可能性 2022年、政府は「経済財政運営と改革の基本方針」のなかで、「社会課題の解決に向けた取組」として、東京一極集中を是正し、地域の活性
「誰だって、自分の人生という物語の主人公だ。」 だから、清涼飲料水広告の少女はいつも走っているし、面接では自分の人生を物語として流暢に語らねばならないし、インスタの投稿は「統一感」を大事にせねばならない。 けれども、本当にそうなのだろうか。 私の人生は、物語なのだろうか。物語「でしかない」のだろうか。 物語でない私の人生には、価値がないのだろうか。 現代社会を覆い尽くす、過剰な「物語」に違和感を感じるあなたへ。 美学者・難波優輝氏による【新連載】「物語批判の哲学」が幕を開ける––––。 「物語」を愛しながら、「物語」に抵抗する あらゆるところで「物語」がもてはやされている。 私はそれが不愉快である。物語を愛しているがゆえに。 たとえば、これまでの人生を理解するナラティブ(物語)が不適応を起こしているために心身の不調を訴える人に対して、異なる解釈を提示する「ナラティブ・セラピー」(国重&横山
従来の健康保険証の発行が停止になり、マイナ保険証への切り替えが進むことになっている。しかし、この方針には様々な問題がある。この問題は、根本に戻って考え直す必要がある。 マイナ保険証にはメリットがない 12月2日で、従来の健康保険証の発行が停止された。従来の健康保険証は、今後は、原則としてマイナンバーカードに保険証の機能を乗せた「マイナ保険証」に切り替えられることになる。 しかし、マイナ保険証の利用は進んでいない。 10月末時点でのマイナンバーカードの普及率は全人口の約76%であり、マイナ保険証の登録は、カード保有者の82%だ。しかし、10月の利用率は、15.7%にすぎない。つまり、登録はしたものの、ほとんど使われていない。 なぜ使われていないのか? その理由は明らかだ。患者の側から見て、メリットが感じられないからだ。その半面で、利用に危険が伴うと感じている人が多いからである。 マイナ保険証
東京って、いるだけで疲れる 地方から東京に遊びに来た友人と話していたときのこと。その友人が「東京って、いるだけで疲れるんよね」と言っていた。こう思う人、多いのではないだろうか。 筆者は仕事柄、東京の街について書くことが多いのだが、その度に「東京は疲れます」というコメントが来る。 どうやら、多くの人がそう思っているようだ。もちろん個々人の感覚的な話だから定量的なデータがあるわけではないけれど、実感としてこう感じている人は、けっこういる。 では、どうして東京は疲れるのだろうか。 たぶん、その理由の一つが「座れる場所が少ない」こと。 筆者は都市ジャーナリストとして、東京に「座る場所が少ない」あるいは「座る場所はあってもなんだか座りづらい」ことを問題にして、その理由について考察してきた。カフェはどこも激混みだし、外でふらっと座れる場所も少ない(この辺りについては、この記事で書いているのでぜひ読んで
アメリカ50州のうちネバダのみで、経営が法的に認められている売春宿「Ranch」。1971年に合法化され、以後、客にも娼婦にもHIV感染者を一人も出すことなく歴史を刻んできた。今日、同州には19のRANCHが存在する。その一箇所で働いていたのは、45歳の“新人”女性と実の娘だった。アメリカ合衆国において、風俗で働く理由とは何なのか。ノンフィクション作家の林壮一氏が現地取材を行った。 45歳の新人女性の名前はローラリー・グレイ。Chicken Ranchで働き始めて4カ月目だった。19歳のときに出産した娘にこの仕事を勧められたという。 結婚相手とは上手くいかず、シングルマザーとして娘を育てることになったローラリーは2008年に銀行のコールセンターの仕事を見付け、転職する。 前編『売春宿で働くアメリカ人親子…「45歳の新人」の母親は娘に誘われて売春婦になった』 フルタイム労働でも稼げず、気づけ
「トランプ、ヴァンス陣営」として選挙戦を勝ち抜き、米国史上3番目に若い副大統領となるJ・D・ヴァンス。麻薬中毒の母親、貧困と労働者階級の出自、弁護士としての成功、大富豪ピーター・ティールとの繋がりなど派手な経歴が取り立たされる一方、カトリックの世界観に共感し、信仰を選び取ったということは意外と知られていない。キリスト教という視点から大統領選挙を考察した前回に続き、本稿ではトランプ2.0の行方を担う次期副大統領・ヴァンスについて掘り下げる。 最も頭脳明晰な次期副大統領 ヴァンスはここ数年、新右翼(The New Right)、あるいは「国民保守主義(National Conventionalism)」と呼ばれる共和党内の新たな動きの中で、最も頭脳明晰な論者として位置付けられている。
大統領選挙におけるカトリック票の存在感 2024年の大統領選挙で共和党が勝利した。トランプ、ヴァンス陣営が七つの激戦州を制し、一般投票でも過半数の7478万票を獲得するに至った原因について、現在様々なメディア、評者、シンクタンクが分析している。 インフレなどの経済的要因、戦争終結への願い、不法移民問題、熱狂的なトランプ支持者など、すでに挙げられている種々の原因はすべて影響していただろう。同時に、どの集団が民主党から共和党に流れたのかという分析の中で目立っていたのは、ヒスパニックと呼ばれるスペイン語を話すラテン系の人たちであり、別の観点からすればカトリックの信仰を持つクリスチャンだった。 英国から移住してきたプロテスタント、特にピューリタンと呼ばれるカルヴァン主義者たちが自分たちの理想郷を目指して建国したアメリカ合衆国では、プロテスタントの政治的な影響力が一貫して大きかった。アイルランド系や
1954年に第1作『ゴジラ』が公開されて以来、日本のみならず世界中から支持されて特撮映画作品の象徴となっているゴジラ。この度、ゴジラ生誕70年、伊福部昭生誕110年記念企画として、2014年にアナログ盤で発売された『ゴジラ』と『キングコング対ゴジラ』のオリジナル・サウンドトラックが初CD化される。 数量限定でLP重量盤のリリースも決定しているが、その原点は1977年9月25日に東宝レコードから発売されたLP『日本の映画音楽 伊福部昭の世界』であった。東宝特撮映画のテーマ音楽が詰め込まれて大ヒットとなったこのアルバムがその後の特撮サントラの世界を開拓したのだ。そのプロデューサーを務めたのが、当時東宝レコードのプロデューサーだった岩瀬政雄氏。今回初めてCD化されるアルバムのマスターテープも氏の管理によって東宝レコードにて保管されていたもの。邦画サントラ盤のフィールドを築いた氏に、伊福部昭氏のエ
この国にはとにかく人が足りない!個人と企業はどう生きるか?人口減少経済は一体どこへ向かうのか? なぜ給料は上がり始めたのか、人手不足の最先端をゆく地方の実態、人件費高騰がインフレを引き起こす、「失われた30年」からの大転換、高齢者も女性もみんな働く時代に…… 話題書『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』では、豊富なデータと取材から激変する日本経済の「大変化」と「未来」を読み解く――。 (*本記事は坂本貴志『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』から抜粋・再編集したものです) 労働参加の急拡大と低所得者の急増 日本ではこれまで周縁労働者と考えられてきた女性や高齢者の労働参加が急速に進んでいる。このような急速な労働参加の拡大は、日本人の賃金の動向にも大きな影響を及ぼしてきたと考えられる。 続いて、国税庁「民間給与実態統計調査」から、1年以上継続勤務者の賃金
PCで聴くなんて「めんどくさい」と思っている人が圧倒的多数に違いない…なんと、PCがオーディオに変わる驚愕のソフトが存在した 既存のネットオーディオと「Roon」の違い それでは既存のネットオーディオと何が違うのかというと、「Roon」自身が音楽データのデコード(復号)を行い、RAAT(Roon Advanced Audio Transport)と呼ばれ る独自のプロトコルでPCMまたはDSDの音楽データをオーディオ機器に供給する点にあります。 一方、「Roon」以外のネットオーディオでは、UPnPと呼ばれるプロトコルを用いて音楽データをネットワーク上でやり取りすることが多く、ほぼ標準になっています。 UPnP(Universal Plug and Play)はメーカーが異なる機器間でもデータをスムーズにやり取りできるという長所がありますが、信号の復号処理がネットワークプレーヤーにとって負
PCで聴くなんて「めんどくさい」と思っている人が圧倒的多数に違いない…なんと、PCがオーディオに変わる驚愕のソフトが存在した 類稀なる高音質で、話題になったネットオーディオ。しかし、割高な価格とダウンロードのわずらわしさから一部のマニアにしか支持されませんでしたが、高音質定額制配信サービスの出現で、大きく変わろうとしています。 ベテランと言われるオーディオ愛好家の中にも、CDやレコードなどの「パッケージメディア(パッケージ音源)」によるオーディオなら知識も経験もあるが、ネットワークが重要になった最近のオーディオに関しては、専門用語の意味もわかりにくいと感じている人もいるかと思います。 はじめてネットオーディオに挑戦するオーディオファンや音楽ファンを対象に、機材の選び方、高音質ストリーミングのセッティング、煩わしいネットの設定などなど、聴き放題の“1億曲ライブラリー”を手にするノウハウをご紹
11月25日、厚生労働省は、勃起不全(ED)治療薬「タダラフィル」(製品名「シアリス」)など、3つの成分に対して、薬局販売が可能なスイッチOTC化に向けて、一般からの意見募集を始めたことを発表した。不妊や家族間の不和などを解消することを目的としているが、「時短スキーム」で検討が進められるという。 この報道に、翻訳家でライターの桑沢まりかさんは言葉を失い、心が閉じていくのを感じたという。桑沢さんは、10代の頃に受けた性暴力で傷つき、今もその治療と戦いながら性暴力の問題や緊急避妊薬や中絶の問題など女性が受ける問題をテーマに寄稿を続けている。すでに発売されている勃起不全(ED)治療薬「バイアグラ」の恐ろしい記憶……。 時短スキームのED治療薬の検討、そして、緊急避妊薬のOTC化などについては今もなお課題は尽きず、解消されない。この差は一体なぜなのか? この問題について『#緊急避妊薬を薬局でプロジ
兵庫県庁に更なる問題発覚 齋藤元彦兵庫県知事の公選法違反疑惑による炎上が収まらないが、県庁内部でも大問題が取り沙汰されている。「副知事のなり手がいない」のだ。 齋藤氏は前の任期中、右腕の片山安孝前副知事に実務の采配を任せていた。その片山氏は一連の騒動で県庁を去った。
元伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎さん。仕事に生涯を捧げてきた名経営者も85歳を迎え、人生の佳境に差し掛かった。『老いた今だから』では、歳を重ねた今だからこそ見えてきた日々の楽しみ方が書かれている。 ※本記事は丹羽宇一郎『老いた今だから』から抜粋・編集したものです。 たくさん読んだ人が勝ちじゃない 読書家のなかには、自分は年に一〇〇冊以上読んでいるとか、これまでに数千冊読んだとか、誇らしげに冊数を語る人がたまにいます。 しかし、そういう人を単純に「すごい」と思わないほうがいい。ひとことで「多読」といっても、本の内容や読み方によって意味合いは違ってくるからです。 私は、多読することだけがよいとは思っていません。若い人に対しては、 「できるだけたくさん本を読むほうが、得られる知識は多くなり、視野も広がるだろう」 とアドバイスしますが、人生経験を重ねてきたシニア世代の方
クローン人間はNG? 私の命、売れますか? あなたは飼い犬より自由? 価値観が移り変わる激動の時代だからこそ、いま、私たちの「当たり前」を根本から問い直すことが求められています。 法哲学者・住吉雅美さんが、常識を揺さぶる「答えのない問い」について、ユーモアを交えながら考えます。 ※本記事は住吉雅美『あぶない法哲学』(講談社現代新書)から抜粋・編集したものです。 「人間の尊厳」って何? 立法が追いついていない、あるいは立法という方法が相応しくない問題領域というものがある。そういう分野での人々の行動指針を考える方法として自然法を捉え直すのが適切だろう(たとえば生殖医療技術、終末医療、AIと人間との関わり、クローン技術の適用、情報化の進展と共に生じる新たな犯罪など)。 今日自然法に理解を示す学者は、自分の体系的な理論を披露するというよりは、「基本的人権の尊重」や「人間の尊厳」を重視し、それらを現
子役として芸能界の浮き沈みを目撃 昨年2月、ご自宅で取材を行ったばかりだった。役柄そのまま、ラフでシャイで優しく、「俺、ようしゃべるな、おい」と自分にツッコミを入れていた。享年75、あまりにも急な訃報に驚いたが、一介の火野正平ファンとしてその軌跡を振り返っていきたい。客観性を保つため文中敬称略で、ご了承ください。 1949年東京生まれの火野正平、本名・二瓶康一は12歳より子役の活動をスタートし、引っ越し先の関西で売れっ子となる。本名のまま『わんぱく砦』(66〜67年)の伴刀左衛門役でブレイク、続く『無敵!わんぱく』(68年)では主演に抜擢される。 のちに必殺シリーズのプロデューサーとなる朝日放送の仲川利久が両作とも監督を務めており、結婚の仲人を頼むなど「恩師」として慕っていた。子役として芸能界の浮き沈みを見てきた火野だが秘めたる気性は荒く、「ギャラを上げる」という約束を反故にされて製作会社
ふつうに生きていたら転落するーー! あまりに残酷な「無理ゲー社会」を生き延びるための「たった一つの生存戦略」とは? 作家の橘玲氏が、ますます難易度の上がっていく人生を攻略するために「残酷な世界をハックする=裏道を行く方法」をわかりやすく解説します。 ※本記事は橘玲『裏道を行け』(講談社現代新書、2021年)から抜粋・編集したものです。 「FIRE」という生き方 1939年にニューヨークのスパニッシュ・ハーレムに生まれたジョー・ドミンゲスは、英語を満足に話せない母親と生活保護に頼りながら暮らし、ストリートギャングのメンバーになって爆発物のつくり方を覚え、抗争相手への襲撃作戦を練った。そんななかで、福祉システムや司法システムをいかに利用するかを学んでいった。 大学進学の機会がなかったドミンゲスにとって幸運だったのは、1950年代のアメリカが学歴社会の形成途上だったことで、聡明だった彼はウォール
金(カネ)と健康ーーそれは高齢者にとって老後生活の質を左右する、もっとも重要な二大ファクター。とりわけ2010年代から急速に高まった老後資金への不安を高めたのは、NHKのある番組がきっかけでした。 【エッセイスト・酒井順子さんが、昭和史に残る名作から近年のベストセラーまで、あらゆる老い本を分析し、日本の高齢化社会や老いの精神史を鮮やかに解き明かしていく注目の新刊『老いを読む 老いを書く』(講談社現代新書)。本記事は同書より抜粋・編集したものです。】 いくら必要かわからない「老後資金」 時代および制度が変化するに応じて、高齢者が求める本もまた、変化している。書店の老い棚は、高齢者の不安と欲望を映す鏡と言うことができるのだが、そんな中でも老い棚における二大勢力は、時代がどう変わろうと「金」と「健康」に関する書籍群であることに変わりはない。高齢者が何より欲しているのは、言わずもがなではあるが、金
作家・大江健三郎氏の全集『大江健三郎全小説』が、このたび異例の重版となりました。全集ができあがるまでにはどのような苦労があったのか。26年という長きにわたって著者に伴走した編集者の山口和人さんが、大江氏との思い出、全集の来歴を語ります。 超一流のエンターテイナー 大江健三郎さんが亡くなられてから2年近くが経とうとしています。年が明ければ生誕90年です。編集担当者として初めて大江さんにお会いしたのは、30年前の1994年6月17日のことでした。大江さん59歳、ノーベル文学賞受賞の4ヵ月前でした。 その後講談社を定年退職するまでの26年余、何度ご自宅に大江さんをお訪ねしたことでしょう。手帳を見ると通算200回以上。毎回呼び鈴を押して家に招き入れられるときの張りつめた気持ち。しかし辞去するときまでにはすっかり寛いだ気分になっています。なぜなら大江さんは、人を楽しませることにかけては超一流のエンタ
なぜか日本では振るわないサブウェイ 緑色と黄色のロゴがトレードマークのサンドイッチチェーン店「SUBWAY(サブウェイ)」。 サブウェイ発祥の地・アメリカでは、2023年時点で2万店舗以上を展開し、マクドナルドやスターバックスなどの大手フードチェーンのなかでも店舗数第1位を誇る人気ぶり。全世界で見ても約3万7000店舗も展開しており、マクドナルドに次いで世界2位のファストフードチェーン店となっている。 一方、日本でのサブウェイは、10年前の2014年に約480店舗展開していたのをピークに、それ以降は縮小傾向。コロナ禍を経て現在は国内178店舗と、最盛期の4割にも満たない店舗数にまで減少してしまっているのだ。 最近では、飲食事業大手の「ワタミ株式会社」が2024年10月25日付で日本サブウェイを完全子会社化。ワタミの会長兼社長の渡辺美樹氏は、今後20年でサブウェイの店舗数を現在の10倍以上で
緑色と黄色のロゴがトレードマークのサンドイッチチェーン店「SUBWAY(サブウェイ)」。サブウェイ発祥の地・アメリカでは、2023年時点で2万店舗以上を展開し、マクドナルドやスターバックスなどの大手フードチェーンのなかでも店舗数第1位を誇る人気ぶり。全世界で見ても約3万7000店舗も展開しており、マクドナルドに次いで世界2位のファストフードチェーン店となっている。 一方、日本でのサブウェイは、10年前の2014年に約480店舗展開していたのをピークに、それ以降は縮小傾向。コロナ禍を経て現在は国内178店舗と、最盛期の4割にも満たない店舗数にまで減少してしまっているのだ。 最近では、飲食事業大手の「ワタミ株式会社」が2024年10月25日付で日本サブウェイを完全子会社化。ワタミの会長兼社長の渡辺美樹氏は、今後20年でサブウェイの店舗数を現在の10倍以上である3000店舗まで拡大することを目指
トランプ次期大統領が主要ポストの人事を固めた。政権構想が徐々に明らかになるなか、世界はアメリカのウクライナ情勢や中国、北朝鮮への対応がどう変わるのか、固唾をのんで見守っている。 社会学者の橋爪大三郎氏は、「アメリカの前提が崩れれば、国際秩序の前提も壊れてしまう」と語る。 なぜ、トランプは再選されたのか。彼を支えているアメリカ人とはいったい誰のことなのか。そしてこれから30年間に世界ではどんなリスクが待ちかまえているのか。 橋爪氏に解説してもらった。 移民を排除したいのは「移民」 ――傍若無人で、やんちゃなイメージのトランプが大統領に選ばれてしまうのはなぜなのか。アメリカ社会の背景を教えてください。 アメリカ人自身にも、再選されたトランプが何をするのか、わかっていないと思います。混乱のきわみ。たとえるなら、「学級崩壊」が起こっている。学級委員タイプの候補はいやだから、反対のタイプに投票した。
実質賃金が上がらないのは、賃上げが消費者物価に転嫁されるからだ。政府や日銀は転嫁が望ましいとしているが、それでは、転嫁できない中小零細企業や、賃上げの枠組みから外された人々が被害者になる.政府は、いま進行している物価上昇を食い止めるべきだ。 賃金が上がるので物価が上がる 実質賃金の対前年比が、2024年6、7月にプラスになったが、その後は再びマイナスに戻った。こうなるのは、物価が上昇しているからだ。 ところで、物価が上昇する原因が、暫く前から変化している。2023年ごろまでは、世界的インフレと円安のために輸入物価が高騰したことが原因だった。しかし、最近では、名目賃金が上がっており、それが消費者物価に転嫁されるために物価が上がっている。 この変化は、一般にはあまり注目されていないが、重要なものだ。 つまり、賃上げは消費者の負担において行われているのだ。消費者と労働者を同一視し、全体として考え
節約志向の中国人が増えている 近年の中国では、身の丈に合った節約を心掛ける消費者が増加していることは間違いない。 前回記事〈去年より「ズル買い」中国人が急増…“国民的大セール”で横行した「モラルなき買い物」〉では、そうした中国国民の変化を、本年の独身の日セールの結果をもとに解説した。 一部では、生活のダウングレード(格下げ)を余儀なくされる消費者もいる。今年の独身の日セールは、中国の消費者の不安な心理を改めて確認する機会になったといえる。その背景には、不動産投資がけん引してきた中国の経済成長が限界を迎えたことがある。 2020年8月、中国政府は不動産業者に対する資金規正=“3つのレッドライン”を実施した。デベロッパーの資金繰りは悪化し、マンションなどの資産価格は下落した。 土地の利用権譲渡益で財源を得てきた地方政府の財政は悪化した。地方政府の隠れ債務である“地方融資平台”や、融資平台向けの
日本国憲法の「第九条」は、日本人である幣原喜重郎(しではら・きじゅうろう)が発案した——研究者たちによってすでに否定されたこの「神話」は、しかし、いまも亡霊のように生き残っている。いったいそれはなぜなのか。島根大学山陰研究センターで客員研究員を務める杉谷直哉氏が解説します。 憲法第九条は「誰の発案」か? 日本国憲法第九条は、おそらく日本国憲法の中で最も有名な条文です。 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 この条文はいわゆる戦争放棄を定めたものです。多くの人が社会科の授業で習っているはずですし、大学に進学したら憲法を扱う講義で必ずといっていいほど取り上げられてい
全国で相次いでいる、いわゆる「闇バイト」による強盗事件。「一戸建て」がターゲットになるイメージもあるが、マンションだから安心とは言い切れない。前編記事〈「闇バイト」のターゲットは「一戸建て」とは限らない… 〈マンション強盗〉で狙われやすい「物件の特徴」「驚きの手口」〉では、「マンション強盗」の巧妙な手口をお伝えした。 本稿では、大切な命と財産を守るために知っておきたい具体的な防犯対策を、引き続きセコム株式会社コーポレート広報部の仁村園子さんに訊いた。 取材・文/石井晶穂 マンション住人が帰宅時に注意すること 共連れ、業者を装う、下がり蜘蛛、足場を利用……。前編記事で紹介した、これらマンション特有の侵入手口に対し、私たちはどのような対策をとればよいのだろうか。 今日からできる対策を、セコム株式会社の仁村園子さんに挙げていただいた。 (1)エントランスから「共連れ」を防ぐ 住人にまぎれて一緒に
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