なぜ実名報道や遺族取材を拒む遺族が多いのか。背景の1つが、被害者への根強い差別や誹謗中傷だ。京アニ事件で娘を失った渡邊達子さんは「メディアはその実情に向き合ってきたのでしょうか」と問いかける。【シリーズ:被害者と遺族の「本当」】
京都アニメーション放火殺人事件で亡くなった渡邊美希子さんは、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』などで美術監督を務めていた。母の達子さんは美希子さんの生前から、家の壁いっぱいに、京アニ作品のポスターなどを飾ってきた。 「許可してへんのに…」 被害者遺族である渡邊達子さんは、取材を受けた新聞社の記事を読んで、憤りを抱いた。自分の住んでいる市町村名が勝手に載っていたからだ。 【被害者・遺族へのアンケート】被害後に直面した困難について、体験・意見を募集します 36人が死亡した「京都アニメーション放火殺人事件」(2019年)で亡くなった渡邊美希子さんの母・達子さんと兄・勇さんは現在、「少しでも社会の役に立てるなら」と、当初は断っていたマスコミの取材を受けている。 2人は「遺族取材と実名報道」について、一定の理解を示す。一方でこの5年、他社より先に記事を掲載しようと、遺族の都合を考えない強引な取材を
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