食品大手ミツカン創業家の元婿養子で、実子との離別を強いられたと訴えている中埜大輔さんが、ミツカンホールディングス(愛知県半田市、中埜裕子社長)を相手取り、不当な異動や解雇の無効などを主張し、1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、東京地裁であり、中埜さんの請求が棄却された。 今回の訴訟の名目は労働裁判だが、紛争の発端はいわゆる「ミツカン父子引き離し事件」だ。海外の投資銀行員だった中埜大輔さんは2013年、ミツカンの中埜和英社長(当時、翌年会長)の次女、聖子氏(現ミツカンHD副社長)とお見合いを経て結婚した。 中埜大輔さん側の主張によると、翌年生まれたばかりの長男を、祖父母である社長夫婦との養子縁組などを強要された。これを拒否すると聖子氏との離婚要求や、赴任先のイギリスから日本国内への異動命令が下されるなどした末に、聖子氏との不本意な離婚や長男との生き別れを強いられた。 2019年に創業