勉強が大の苦手だ。努力を重ねないと追いつけない。それ以前に努力ができない。だが、主人公チャーリイ・ゴードンは短い間に天才に変わってしまった。 チャーリイは32歳だが幼児なみの知能しかなかった。そこへもたらされた夢のような話。大学の先生らが特別に治療してくれるというのだ。さっそく手術を受けた後も、これが科学への偉大な貢献になることや「IQが二倍になればきっとみんなぼくを好きになってくれる」ことを信じていた。離れていった家族のことを思い出し、やがて別人のようなIQ185の天才になる。この架空の物語は手術後にチャーリイが書く経過報告だ。 これだけ聞くとなんて素晴らしい話だ、うらやましいと思う。ところが読み進むにつれて、この考えは消えていった。チャーリイは難しい学問や多くの言葉も簡単に身につけるが、周囲の態度は変わっていく。 アルジャーノンとはチャーリイと同じ手術を受けた白ネズミだ。これは動物と人