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小尾芙佐の検索結果1 - 4 件 / 4件

  • 【ビブリオエッセー】私なりの学び、重ねたい努力 「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著 小尾芙佐訳(早川書房)

    勉強が大の苦手だ。努力を重ねないと追いつけない。それ以前に努力ができない。だが、主人公チャーリイ・ゴードンは短い間に天才に変わってしまった。 チャーリイは32歳だが幼児なみの知能しかなかった。そこへもたらされた夢のような話。大学の先生らが特別に治療してくれるというのだ。さっそく手術を受けた後も、これが科学への偉大な貢献になることや「IQが二倍になればきっとみんなぼくを好きになってくれる」ことを信じていた。離れていった家族のことを思い出し、やがて別人のようなIQ185の天才になる。この架空の物語は手術後にチャーリイが書く経過報告だ。 これだけ聞くとなんて素晴らしい話だ、うらやましいと思う。ところが読み進むにつれて、この考えは消えていった。チャーリイは難しい学問や多くの言葉も簡単に身につけるが、周囲の態度は変わっていく。 アルジャーノンとはチャーリイと同じ手術を受けた白ネズミだ。これは動物と人

      【ビブリオエッセー】私なりの学び、重ねたい努力 「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著 小尾芙佐訳(早川書房)
    • ダニエル・キイス 小尾芙佐 訳「アルジャーノンに花束を」感想 - 新薬史観

      誰もが読んでいる本、というものを全く読んでいないことに気がつく度に、これまでツイッターで無為に過ごした時間を想い、悲しくなる。 「わが闘争」「銃・病原菌・鉄」「失楽園」「神曲」などなど、全て未読。挙げ始めると本当にキリがないので、滅多に「読書が好きです!」とは言えたものではないが、「あの三島や太宰が認めた!」みたいな名著でさえ殆ど読んでいないので、「私とはいったい……」と考えては辛くなる。小学生からよく本を読んでいた方だとは思うのだが、「高校生からドストエフスキー読んでました!」みたいな奴が溢れる現代は、まこと恐ろしい世界である。 自分が高校生のころは、日本文学には手を出せても、海外の書籍には全くと言っていいほど手をつけられなかった。安部公房を読んでは「なるほど、わからん」と思い、川端康成を読んでは「何言ってるんだこいつ」と本を閉じ、まったく身にならない読書をしていた覚えがある。そんなだか

        ダニエル・キイス 小尾芙佐 訳「アルジャーノンに花束を」感想 - 新薬史観
      • 連載「"不実な美女"たち──女性翻訳家の人生をたずねて」(vol.1 小尾芙佐さんに聞く 3回裏) - 光文社古典新訳文庫

        裏の回では、3回表に登場した小尾芙佐さんの愛読書、当時の出版や翻訳事情、関連する本などをご紹介します。 連載3回表で明らかになったように、神谷(小尾)芙佐さんが翻訳者としてデビューしたのは、早川書房の「S-Fマガジン」そして「ミステリマガジン」(「EQMM」)だった。 今回のインタビューにあたって、筆者は小尾さんの1960年デビュー当時の翻訳作品やエッセイを現物の雑誌で読むべく、ネットを調べ、各種図書館へ行き、小尾さんの蔵書からも何冊か発掘していただいた。活版組の、今では驚きの小さな文字、レトロでオシャレな装丁は、むしろ新鮮かも。投稿欄には読者の住所も載っていて、ああ、昔はそうだったんだ、と思う。そして、古い雑誌から立ちのぼってくる独特の臭い。 すると、なんというタイミングでしょう、「ミステリマガジン」も「S-Fマガジン」も創刊700号を迎え、記念アンソロジーの文庫が刊行されたではないです

          連載「"不実な美女"たち──女性翻訳家の人生をたずねて」(vol.1 小尾芙佐さんに聞く 3回裏) - 光文社古典新訳文庫
        • 第二十八回「闇の左手」 アーシュラ・K・ル・グィン:著 小尾芙佐:訳(ハヤカワ文庫) - しま子の読書会ブログ

          くっ!まったく読み進められない! SFでは珍しく大苦戦しました。 原因としては世界観が確立され過ぎていることです。 惑星ゲセンを舞台とした物語なのですが、そのゲセンの街の名前も多彩です。 (ル・グィンのサイトを見ながら懸命に主人公たちの足取りを追いました) また、ゲセンの人々の価値観を表す言葉が初めて出会う言葉ばかり。 「ケメル」=両性具有であるゲセン人の発情期を表す言葉 「エクーメン」=複数の惑星連合 「シフグレソル」=面目を施すか失うかといった形での抗争 そして「ヌスス」=我関せず これらの言葉を飲み込みながら読んでいくとなかなか前に進まず苦労し続けました。 そして苦労したこの気持ちを共有しに読書会へ向かうのでした。 シュガさん「あ~面白かった! 読みやすかったね!」 私「ヌスス・・・(´・ω・`)」 「闇の左手」はゲセンと呼ばれる惑星にやってきたエクーメンの使節ゲンリー・アイを中心と

            第二十八回「闇の左手」 アーシュラ・K・ル・グィン:著 小尾芙佐:訳(ハヤカワ文庫) - しま子の読書会ブログ
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