首都圏への人口・商業施設の集中からの脱却を図る「地方創生」が叫ばれる中、地方の企業はどのような事業展開を進めるべきなのか、北海道札幌市に住む筆者が北海道で「地方創生」に関わる施設を紹介していきます。 今回訪問した北海道近代美術館(札幌市中央区)は、地元・札幌市民以外にも多くの観光客が展示を見に訪れます。現在開催中の『北海道美術紀行』展(7月2日から11月8日まで開催)は、「海外からの観光客を意識した」テーマ設定ということで、美術館発信の地方創生ともいえる内容となっています。 後編では、展示を担当した同館学芸員の松山聖央さんに、美術館の地方都市における役割などを伺いました。 作品のセレクトはテーマの深堀と広い文脈の中への置き換えが必要 Q:最後には『道産子追憶之巻』(岩橋英遠、1978~82年)という作品が展示されていますが、これはどのような作品ですか? 「全長およそ29メートルという横長の