新館長・蔵屋美香が語る横浜美術館の展望。「新しい星座を描きたい」2020年4月1日をもって横浜美術館の新館長に就任した蔵屋美香。25年以上にわたり東京国立近代美術館でキュレーターとして活躍してきた蔵屋は、新たな舞台で何を目指すのか? 聞き手・構成=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) ポートレート撮影=稲葉真 蔵屋美香 新しい課題にもうひと頑張りしたい──蔵屋さんは1993年から2020年3月まで東京国立近代美術館(以下、東近美)で務められ、館を代表するキュレーターでした。なので、今回の横浜美術館館長就任には驚いたというのが本音です。まずは、横浜美術館館長という職を引き受けた理由をお聞かせいただけますか? 私は東近美に26年──四半世紀ですね(笑)──いて、やることはやった、という気持ちはあったんです。東近美にはコレクションを担当する「美術課」と、企画展・教育普及・ライブラリ運営などを行