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  • 司馬遼太郎人気を支えた「大衆歴史ブーム」はなぜ生まれたのか?福間良明『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』 - 明晰夢工房

    司馬遼太郎の時代-歴史と大衆教養主義 (中公新書 2720) 作者:福間 良明 中央公論新社 Amazon 「司馬さんの書かれるものは日本外史とでも呼ぶべき種類の史書ではあるまいか」とは、有吉佐和子の『坂の上の雲』評だ。このように、司馬遼太郎作品はたんなる歴史小説の枠をこえ、一種の教養本として読まれている。司馬作品は物語中にしばしば「余談」がさしはさまれ、そこでは司馬の政治や軍事、世論などへの見解が自在に語られる。こうした特徴は吉川英治や山岡荘八といった、それまでの歴史作家の作品にはないもので、読者の歴史への知的関心をかきたてるものだった。なぜ司馬の「歴史教養本」は時代に求められたのか。『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』によれば、司馬作品の人気を支えていたのは、昭和50年代に起きた「大衆歴史ブーム」だという。 昭和50年代に司馬作品を愛読していたのはおもに中年男性だが、かれらは教養主

      司馬遼太郎人気を支えた「大衆歴史ブーム」はなぜ生まれたのか?福間良明『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』 - 明晰夢工房
    • 「這い上がり型志向」と「分かち合い型志向」をキーワードに朝鮮社会の実態を活写する良書『朝鮮民衆の社会史 現代韓国の源流を探る』 - 明晰夢工房

      朝鮮民衆の社会史 現代韓国の源流を探る (岩波新書 新赤版 2030) 作者:趙 景達 岩波書店 Amazon タイトル通り硬い内容を想像していたが、読んでみると思っていたよりずっと面白い一冊だった。この一冊で両班・中人・良人・賤人の四身分からなる李氏朝鮮の社会を俯瞰することができる。村祭りの様子や賤民が両班に成り上がる方法、芸能民や最下級の賤民「白丁」など周縁的存在の生活、宮女や妓生などの女性の境遇など、幅広いトピックを扱っているので気になる箇所を読むだけでも楽しめるし、通読すれば朝鮮社会の基層をなす「這い上がり志向」と「分かち合い志向」をよく理解できる。この二つは朝鮮社会を理解するうえでの重要キーワードで、本書では何度も登場する。 朝鮮における「這い上がり志向」を示すものとして、民衆の両班志向があげられる。両は最上位の身分だが、一章『朝鮮社会の儒教化』によると朝鮮では身分上昇の手段が多

        「這い上がり型志向」と「分かち合い型志向」をキーワードに朝鮮社会の実態を活写する良書『朝鮮民衆の社会史 現代韓国の源流を探る』 - 明晰夢工房
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