企業も自治体も避けては通れなくなっている「個人情報保護制度」や「データ保護」。 そのトップランナーとして、第一線を走り続けているのが板倉陽一郎弁護士だ。弁護士2年目から消費者庁に出向し、世界的にルール作りが急務だったデータ保護の現場をつぶさに見てきた経験を持つ。以後、「仕事の9割がデータ保護」という板倉弁護士は、八面六臂の活躍をしている。 そんな板倉弁護士をかたちづくり、動かすものは一体、なにか。(取材・文/猪谷千香、写真/永峰拓也) 板倉弁護士は何人いるのか? 省庁の会議、学会でも強烈な存在感 「板倉弁護士は、何人いるのだろうか?」 板倉弁護士の仕事ぶりを少しでも知れば、多くの人がそんな疑問を持つ。 日中は勤め先である法律事務所で通常の執務をこなす。夜半、終業後は論文や専門誌の原稿などの執筆に没頭、うっかり帰りが日をまたぐこともある。 省庁や関連団体では、データ保護や個人情報保護法制に関