浮世絵版画で用いられる空摺(からずり)というテクニック。エンボス加工と言った方が通じやすいかもしれませんが、ここ何回かTwitterで紹介したところ、大変な人気でした。まずは、こちらをご覧ください。 明治の浮世絵師・月岡芳年の「大日本名将鑑 平惟茂」です。 平維茂(たいらのこれもち)に襲いかかる戸隠山の鬼。人間に化けていた時に頭に被っていた、白色の被衣(かずき)にご注目。こちらの写真は、画面全体に均等に照明が当たるよう、プロのカメラマンにきちんとセッティングして撮影してもらったものです。白い被衣にピンク色で陰影がつけられていることが分かりますが、特に模様らしきものは見当たりませんよね。 そこで、自分のスマホを使って、一方向からの光だけで撮影してみました。その写真がこちらです。被衣に菱形の模様が浮かび上がっているのが分かります。 空摺とは、和紙に凹凸の模様を施す技法のことをいいます。実際に浮