歴史上には様々なリーダー(指導者)が登場してきました。そのなかには、有能なリーダーもいれば、そうではない者もいました。彼らはなぜ成功あるいは失敗したのか? また、リーダーシップの秘訣とは何か? そういったことを日本史上の人物を事例にして考えていきたいと思います。 【写真】源実朝像 ■ 権力者としては知られていない実朝の実像 鎌倉幕府の3代将軍は、源実朝(1192~1219)です。父は、源頼朝(幕府初代将軍)、母は、北条政子。そして、実朝の兄は、2代将軍の源頼家でした。しかし、頼家は、有力御家人の比企氏と縁戚(比企能員の娘が、頼家の妻妾。妻妾は頼家の子を産む)にあり、強固な繋がりを有したことから、北条氏(時政)に警戒され、ついには鎌倉を追放。伊豆修善寺において、北条氏の手の者により、殺害されるのです(1204年7月)。その間に、北条氏により擁立されたのが、当時、幼名・千幡といった実朝でした。