COCOAの失態は人権軽視の日本人官僚の「腐敗」の結果か? 人命にかかわる行政サービスの点検を4カ月も怠ったのは「犯罪的」である 塩原俊彦 高知大学准教授 公務員の「腐敗」が人権問題と直結していることを日本の官僚はどこまで意識しているだろうか。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として導入された、感染者と濃厚接触した可能性を知らせるアプリ「COCOA(ココア)」で、感染者と接触しても通知されていなかったことが発覚した問題は、日本の官僚が人命という人権そのものを軽視してきた証拠であり、いかに日本の官僚の腐敗の深刻さを物語っている。そこで、この問題について掘り下げて考察してみたい。 COCOAに不具合 2021年2月3日、厚生労働省は「Android版接触確認アプリの障害について」を発表し、COCOAで陽性登録したアプリ利用者と接触しても検知・通知されない障害が判明したと発表した