日産の下請けイジメ 「勧告されたにもかかわらず、是正されていないのならば、極めて遺憾だ。法令遵守の観点のみならず、経済界を挙げて進めている価格転嫁にも水を差す」--。 官僚出身で物静かな語り口が特徴の経済産業大臣、斎藤健氏が先週金曜日(5月17日)の記者会見で、吠えた。日産自動車が相変わらず下請けいじめをしているとの報道への感想を求められて、いら立ちを隠せなかったのだ。 日産を非難したのは、斎藤大臣だけではない。5月14日には、経済同友会の新浪剛史・代表幹事が記者会見で、「経営陣として「知らなかった」では済まされない」と切り捨てた。自民党の伊藤達也・中小企業政策調査会長も同日、「買い叩きが事実だとすれば、トップの責任が問われる」と、日産の内田誠・社長兼最高経営責任者(CEO)の進退を問う構えまで見せた。 自動車メーカーの下請けいじめは、筆者が新米新聞記者だった1980年代から絶えることなく