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  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『短編旅館』集英社文庫編集部 (著) |

    阿部 暁子 (著), 泉 ゆたか (著), 宇山 佳佑 (著), 谷 瑞恵 (著), 羽泉 伊織 (著),集英社文庫編集部 (著) 集英社文庫 あらすじ一人で、あるいは家族で過ごす旅館でのひとときは、忘れていた大切なことを思い出したり、自分と向き合ったり、新たな発見をしたりと、様々なものに出会う時間でもあります。 ステップファミリーが京都で出会う驚きの旅、亡くなった母への思いを確認するための宝塚遠征、お客様のために奮闘する東北の温泉旅館の女将代理。 日本各地の旅館を舞台に描かれる五つの人間模様が胸を打つ。 旅館を舞台に繰り広げられる人間模様女将である母が倒れ、その代理を務めるために東京から実家である東北の旅館へ帰ってきたあやめ。 客への対応は素晴らしいがあやめには塩対応のフロント、朔とともにお客様をもてなします。 毎年夫婦で訪れる常連のお客様が一人で訪れ、夫が亡くなったこと、料金は払うので

    • 【高校入試・大学入試単語特訓】カナエルの英語学校㉔日目 - ダバダバわかる基礎英語♡カナエルの英語部屋

      1時間目 高校受験 英作文対策 校長先生何してんですか? 瞑想です。 珍しい瞑想ですね… カナさんもどうですか? え、私はいいです… いいって言ったのに… かなちゃん朝から災難でしたね…。今日は「その木の下に立っている少年はタロコだ」を英訳してみましょう。校長は立っているというか逆立ちしてますが…なにより「少年」という単語がひっかかりますが… シンキングタイムです!! カナちゃん公園ですごいことしてたね 瞑想させられてたの… カナちゃんさっき公園で… だから瞑想してたの!!! え、なんか…ごめんなさい。 今回の答えは The boy standing under the tree is Taroko. 「名詞を長くする」パターンです。名詞の後ろに直接「~ing」を持ってくるのですが、このパターンはかなり苦手な生徒が多いです。名詞を長くするパターンは全部で4つです。 名詞+前置詞・名詞 名詞

        【高校入試・大学入試単語特訓】カナエルの英語学校㉔日目 - ダバダバわかる基礎英語♡カナエルの英語部屋
      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『木になった亜沙』今村 夏子 (著) |

        そうなのよね。傷ついた彼女は グレてしまい更生施設へ入るの。 そこで立ち直ったのだけど スキー事故で意識を失ってしまうのよ。 『木になった亜沙』今村 夏子 (著) 文春文庫あらすじ小さなアパートに母と二人で住んでいた亜沙。 友人に、と頑張って手作りしたクッキーも、教室で飼っていた金魚も、給食当番の時でさえ亜沙の手が携わると誰も食べ物を口にしない。 母が入院し叔母夫婦のもとへ、そこからまた山奥の更生施設へ入った亜沙。 施設での暮らしもあと数日となった頃、仲間とスキー場へ向かった彼女は木にぶつかって気を失う。 目覚めた時、亜沙は願いが叶ったことを知る。 奇妙で美しく、どこかもの悲しい物語とエッセイを収めた作品集。 「私の手から食べて欲しい」という切実な願い幼い頃から、亜沙が手に取ったものは誰も口にしてくれませんでした。 友達も、親も、教室で飼っていた金魚さえも。 母が入院し、祖母が認知症になっ

        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『f植物園の巣穴 』梨木 香歩 (著) |

          『f植物園の巣穴 』梨木 香歩 (著) 朝日文庫あらすじf植物園の園丁をしている私は、歯の痛みに耐えかねて歯医者へとやってきた。 診察を受け、薬を受け取るために待っていると、窓の奥には犬が忙しく働いていた。 歯医者の家内は前世が犬だったのだと言う。 職場であるf植物園にある大きな木のうろに落ちた私は、気がつくと住まいに戻っていたが、落ちてからの記憶がない。 失くした履き物、妻との思い出、子供の頃の記憶と歯の痛みが私を穴の底の世界へと誘う。 不思議な存在たちと大きな木の穴忙しくなると前世の頃、つまり犬の姿に戻ってしまうという歯医者の家内、大木のうろが御神体であると教えてくれた、ナマズに似ている神主など、不思議な世界をどこかユーモラスにサラリと描き読者を引き込みます。 歯の痛みと木の穴は大きな喪失を示唆しており、後半部分でその失ったものの正体が少しずつ明らかになっていきます。 まとめ子供の頃、

          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ダークマター スケルフ葬儀社の探偵たち』ダグ・ジョンストン (著) |

            ダグ・ジョンストン (著), 菅原 美保 (翻訳) 小学館文庫 あらすじスコットランド、エディンバラで創業五百年目を迎えるスケルフ葬儀社は、十年前から探偵業も行っている。 経営者であるジムが亡くなり、書類の整理をしていた妻ドロシーは、毎月決まった金額が見知らぬ口座に振り込まれていることを発見し、ショックを受ける。 ジムの娘・ジェニーはライターの仕事がなくなり、実家に戻り家業を継ぐことに。 孫娘の大学生・ハナは行方不明となったルームメイトの捜索を開始。 三世代の女性たちがそれぞれの悩みや問題にぶつかりながらも、自分と向き合い、乗り越えて真相を見つけ出していくミステリ。 葬儀社の三世代の女性たちが挑む問題と謎本人の遺言により、裏庭に仮設した焼き場で遺体を焼くのみ、というジムの葬儀を終え、妻・ドロシー、娘・ジェニー、孫・ハナの三代の女性たちは、それぞれが故人との思いを胸に、悲しみに浸っていました

            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『雪のなまえ』村山由佳 (著) |

              父親は曽祖父の農業を学び この地でやりたいことが あるようなの。母親は東京に残り 仕事を続けているわ。雪乃は 長野で様々な人と出会い交流していくの。 『雪のなまえ』村山由佳 (著)徳間文庫あらすじ小学五年生の雪乃は学校でいじめに遭い、不登校に。 ある日の朝、父親の航介が「田舎暮らし」宣言をする。 会社を辞め、雪乃とともに曾祖父母が暮らす長野で農業をするのだと言う。 母親の英理子は仕事を続けるため単身東京へ残ることに。 自分や両親、曾祖父母、そして地元の人々。 様々な人たちの思いに、あたたかな気持ちになったり、苦しんだりしながら、雪乃は少しずつ成長していく。 傷ついた心を抱え 父とともに曾祖父母のいる長野へいつも突然思いついては行動に移す航介の「田舎暮らし宣言」。 生活拠点が変わること、雪乃の中学受験、そして自分の仕事などの関係から反対する英理子。 結論は出ないまま、とりあえず一度航介の祖母

              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『横浜コインランドリー』泉ゆたか (著) |

                『横浜コインランドリー』泉ゆたか (著) 祥伝社文庫あらすじ三年間働いた職場を辞め、引きこもり生活をしていた中島茜。 このままではいけないと、洗濯をしようとしたところ洗濯機が故障。 スマホで検索して見つけた「横浜コインランドリー」へ入ると店長の新井真奈が迎え入れてくれた。 真奈やコインランドリーへやってくるお客たちと関わることで、茜の日常は動き出し、心の奥底にしみついた汚れもいつしか綺麗に洗われていく。 心の「汚れ」をやさしく落とすコインランドリーブラックな不動産会社に勤めていた茜。 同僚が次々と辞めていく中、何とかふんばっていましたが限界を感じて退職。 家にじっと引きこもる生活を送っていました。 半月が過ぎた頃、「このままはいけない」と自分を奮い立たせ洗濯しようと考えます。 しかし洗濯機が故障していて使えません。 絶望した後、近所のコインランドリーをスマホで検索し、表示された「横浜コイン

                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『いちねんかん』畠中恵 (著) |

                  『いちねんかん』畠中恵 (著) 新潮文庫あらすじ江戸の大店、長崎屋の店主とその妻が九州へ湯治に行くことに。 跡取り息子の一太郎は両親が不在の一年間、主として店を預かることになった。 ところが、商品をかすめ取ろうとするいかさま師の登場や疫病の流行、大坂の大店からの無理難題など次々と災難がやってくる。 妖たちは何とか一太郎を助けようとするが、無事にこの一年間を乗り越えることができるのか。 病弱な若だんな一太郎と彼を取りまく妖たちが江戸の街で活躍するシリーズ第19弾。 一太郎が期間限定で長崎屋の主に母おたえの遠縁の者から文で誘いを受け、九州へと湯治に向かうことになった長崎屋の主夫婦。 二人が不在の間、一太郎は廻船問屋と薬種問屋の主として店を切り盛りすることに。 「頼られる跡取り」を目指して張り切る一太郎は、旅人向けに数種類の薬が少量ずつ入ったセットを考案します。 ところが、このセットが売れること

                  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『向日葵の咲かない夏』道尾秀介 (著) |

                    『向日葵の咲かない夏』道尾秀介 (著) 新潮文庫あらすじ夏休みを前に生徒たちが浮き立つ終業式の日。 小学四年生のミチオは学校を休んでいるS君の家にプリントと宿題を届けることになった。 S君の家でミチオが目にしたのは首を吊って死んでいるS君の姿。 慌てて学校に戻り先生に報告したミチオ。 しかしS君の死体は消えてしまった。 一週間後、S君は別の姿となって現れ、「自分は殺された」のだと主張。 ミチオは三歳の妹、ミカとともに事件の真相を探りはじめる。 消えた友人の首吊り死体ミチオの報告を受け、担任の岩村先生と警察が現場に駆けつけた時には、S君の死体はこつ然と消えていました。 大人たちに疑いの目を向けられ、母親にもひどい言葉を投げつけられるミチオ。 S君の死体が見つからないまま七日間が過ぎ、ミチオは彼の気配を感じるように。 S君は人間ではない別の姿となって現れ、自分は殺されたのだと発言。 それも彼ら

                    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ナイフをひねれば』アンソニー・ホロヴィッツ (著) |

                      アンソニー・ホロヴィッツ (著), 山田 蘭 (翻訳)創元推理文庫 あらすじそのプライベートは謎だらけ、相棒である自分にも詳しいことを話そうとしない。 そんなホーソーンとのコンビで小説をこれ以上書くことが嫌になり「われわれの契約はこれで終わりだ」と彼に告げたホロヴィッツ。 翌週、ホロヴィッツの戯曲を酷評した劇評家の死体が発見される。 凶器はホロヴィッツの短剣だった。 逮捕されてしまったホロヴィッツはホーソーンに助けを求めるが…。 ホロヴィッツが劇評家殺害の容疑で逮捕ホロヴィッツが手がけた戯曲『マインドゲーム』がロンドンで上演されることに。 公演初日には出演俳優の仲間や劇評家たちもやってきました。 終演後、部隊関係者が集まりパーティーが開かれますが、その場に辛口の舞台批評家・ハリエットが現れます。 悪意をむき出しにしたかのようなハリエットとのやりとりに気分を害した彼らは店から劇場に戻って飲み

                      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『さよなら神様』麻耶 雄嵩 (著) |

                        『さよなら神様』麻耶 雄嵩 (著) 文春文庫あらすじ「犯人は上林護だよ」事象『神様』の鈴木太郎は俺・桑町淳にそう告げた。 久遠小探偵団の俺は、過去にクラスで起こったちょっとした謎を解決した『神様』である鈴木に、一週間前に起きた殺人事件の犯人が誰かを尋ねたのだ。 犯人の名前のみを告げ、その動機や犯行内容を語らない神様。 そこで久遠小探偵団のメンバーで再調査し、推理を展開していこうとするのだが…。 神様の告げる『犯人』は本当なのかある生徒のリコーダーが紛失した事件で犯人の名前をピタリと当てた転校生の鈴木太郎。 「なぜわかったのか?」という問いかけに「僕は神様だから」と答えます。 他に事故を未然に防いだこともあり、五年生の間では「神様」と呼ばれるように。 半信半疑ながら、彼に何らかの力があるのは間違いない、と考えた淳はある殺人事件の犯人を神様に聞きます。 それは担任の美旗先生がその事件の容疑をか

                        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『パラダイス・ガーデンの喪失』若竹七海 (著) |

                          若竹七海 (著)光文社文庫 あらすじ葉崎市にある、海を見下ろす崖の上の私設庭園「パラダイス・ガーデン」で身元不明の老女の死体が発見された。 亡き母の跡を継ぎ庭園のオーナーとなった兵頭房子は自殺幇助を疑われてしまう。 葉崎署の二村貴美子警部補は事件の捜査に乗り出すが、この狭い葉崎市内で誘拐、殺人、詐欺などが次々と発生する。 この街でいったい何が起こっているのか。 美しい庭で発見された身元不明の老女の死体亡くなった母の跡を継ぎ房子がコツコツと手を入れてきたパラダイス・ガーデン。 葉崎市のちょっとした観光名所となっているこの場所で、一人の老女の死体が発見されました。 オーナーである房子は第一発見者であること、老女がナイフで喉を突いた自殺であることから、自殺幇助の疑いをかけられてしまいます。 房子自身は全く身に覚えがないことですが…。 おまけにパラダイス・ガーデンに介護施設が建設される予定で、優先

                          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『キネマトグラフィカ』古内 一絵 (著) |

                            『キネマトグラフィカ』古内 一絵 (著) 創元文芸文庫あらすじ老舗の映画会社、銀都活劇に入社した6人の男女たち。 「平成元年組」と呼ばれた彼らは、地方の映画館で再開。 26年前、ローカルセールスをしていた彼らが手持ちで担当エリアの映画館へフィルムを運んだ「フィルムリレー」に思いをめぐらせる。 移りゆく映画業界や社会情勢。 時を経た今、あの頃目指した自分になれているのだろうか。 それぞれの思いで老舗映画会社に入社した6人2018年春、老舗映画会社に新卒入社した咲子。 女性初のローカルセールスを経て、映画の製作も行い「ママさんプロデューサー」としても活躍中。 しかし、自分の仕事は本当に評価されているのか、と思い悩んでいます。 短大卒で入社し、29歳で結婚退職した留美、現在はビデオパッケージ部門に異動した不真面目な男・学、現在も営業で同期たちの兄貴分である和也、取引先である地方シネマの支配人とな

                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪』歌田 年 (著) |

                              歌田 年 (著) 宝島社文庫 あらすじ持ち込まれた紙のサンプルを調べ、メーカーや銘柄を特定する「渡部紙鑑定事務所」の渡部は、触っただけでどのような紙かを当てることができる。 そんな彼のもとには、紙にまつわる依頼が持ち込まれる。 漫画の単行本を不良品として突き返す少年、凶器が消えた殺人事件の謎。 仲間の豊富な知識を参考にしつつ、渡部は事件の真相に挑む。 紙に関する深い知識で事件の謎を解く西新宿のビルの一室に構える「渡部紙鑑定事務所」は紙を調べるというちょっと変わった事務所。 自然堂紙パルプ商会を辞め、事務所を開いた渡部は触っただけで紙の種類を判別できるという能力の持ち主。 ひょんなことから受けることになった依頼は、あるアメコミの二巻を探し出すこと。 母親が複数店舗をまわり入手するも、どれも「不良品」だとして受け付けない息子。 知人である原型師の團が依頼を受け、このアメコミに登場するヒーローの

                              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『純喫茶パオーン 』椰月 美智子 (著) |

                                『純喫茶パオーン 』椰月 美智子 (著) ハルキ文庫あらすじ「純喫茶パオーン」は、表面張力ギリギリまで入れた飲み物を震える手で運ぶおじいちゃんと、目分量の調味料で作るナポリタンが絶品のおばあちゃんの二人でやっている喫茶店。 孫の「ぼく」がお店を手伝ったり、おじいちゃんの特製ドリンクやおばあちゃんの最高のナポリタンを堪能しながら、お客さんたちとの出会いや、不思議な事件を描く。 昭和の香り漂う純喫茶で起こる笑いと不思議小学五年生の頃、サンタにもらった「うそを見破る鏡」。 ぼく、来人は、友だちの琉生や圭一郎に鏡の話をして、実際に見せてあれこれ試していました。 うそをつくと光る、というその鏡が実際に光ったように見えた慶一郎が驚いて鏡を落としてしまいます。 あやまる圭一郎におじいちゃんが放った一言とは。 また中学一年生の頃、科学部に入部した来人は同じ部の権守さんへ秘かな思いを抱いています。 そして文

                                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『一橋桐子(76)の犯罪日記』原田ひ香(著) |

                                  高齢の受刑者が介護されて いるところをテレビで見たの。 食事も出るし、老後の心配が ないのでは、と考えたのね。 『一橋桐子(76)の犯罪日記』原田ひ香 (著) 徳間文庫あらすじパートをしながら一人で両親の介護をしてきた76歳の桐子。 両親を看取った後、高校からの友人・トモとつましくも楽しい同居生活をはじめるが、たった三年で彼女は亡くなってしまう。 収入は年金とパートの清掃のみ。 孤独死にでもなれば周囲に迷惑がかかる。 そんなある日、高齢受刑者が刑務所で介護されている姿をテレビで目にした桐子。 これだ!と感じた桐子は刑務所に入ることのできる犯罪を模索する。 刑務所に行けば老後も安心?同居人であり、親友でもあったトモが亡くなり、家賃の支払いが厳しくなった桐子は、不動産屋へ相談しますが、保証人もおらず老女である彼女が住めるような物件はなかなか見つかりません。 おまけに知人を装って家へやってきたコ

                                  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『残穢』小野 不由美 (著) |

                                    そうね。でも似たような話を 聞いたことがある、と作家は 思い出すの。それも数カ所で 内容もちょっとずつ変わっていくわ。 『残穢』小野 不由美 (著) 新潮文庫あらすじ作家である私のもとに一通の手紙が届いた。 ホラー小説を書いていた頃、あとがきに怖い話を知っていたら送ってほしい、ということを読者に向けて呼びかけた。 その読者はライターであり、住んでいるマンションに何かがいるような気がする、と言う。 時おり、ほうきで掃くような、畳の表面をさっと払ったような音。 私は聞いた覚えがある話だ、と感じライターと意見交換をしたり建物について調べはじめる。 一箇所にとどまらない怪異現象の謎ライターの久保さんは、住んでいるマンションで奇妙な音を耳にします。 原因は見当たらず、気のせいと思うにはその音の頻度も高くなってきています。 作家である私は過去に読者からもらった手紙を調べたところ、同じマンションの別の部

                                    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『菖蒲ちまき 木挽町芝居茶屋事件帖』篠 綾子 (著) |

                                      篠 綾子 (著) 時代小説文庫 あらすじ暦が夏を迎えた四月の半ば。 江戸で評判の美男・喜八と弥助、そして旬の素材を使い気が効いた料理を作る松次郎らが働く芝居茶屋「かささぎ」では茗荷料理で客をもてなす。 季節を感じ入る爽やかな香りとシャキシャキとした歯応えを堪能するお客たちの前で、茗荷料理ばかりを食べさせて客を物忘れにさせる気だ、と騒ぐ客が現れる。 不安そうな顔を見せる客たちの前で「それは迷信だ」とキッパリと言い、その理由を解説してくれたのは武家の中間である藍之助。 この藍之助はある人物を探しているようで…。 茗荷料理で一悶着!?茗荷の甘酢漬け、茗荷と鰹節のご飯、茗荷と玉子入りの味噌汁に茗荷の衣揚げ。 お客の評判も上々で注文もよく入ります。 そんな中、巴屋の手代がやってきて、主人が若旦那である喜八と話がしたい、と伝えます。 手代は店の中を見回し、「この店では、客を物忘れにさせたいらしいな」と

                                      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ソルジャー&スパイ 公安機動捜査隊〈特別作業班〉』鷹樹 烏介 (著) |

                                        鷹樹 烏介 (著) PHP文芸文庫 あらすじ「アンデッド」の仇名を持つ自衛官、荻生は中東での出張から戻ると警視庁公安部外事第四課と協働し、正体不明のテロリスト『ベル』対策を命じられた。 公安捜査官の真波は、畑違いの自衛官との協力に難色を示しながらも共に活動していたところ、『ベル』を狙うCIAの非公式工作部隊から妨害が入る。 日本にその手を伸ばそうとするテロリストたちから日本を護ることができるのか。 謎のテロリストを追う 日本の異色コンビ性別も人数も謎のテロリスト『ベル』が日本に向かったという情報が入ります。 目的も正体もわからない相手を止めるために公安外事課のエース、真波が任命されます。 重武装したテロリストの戦闘経験がない公安刑事と組むことになった荻生は、中東から日本に戻りかの地との平和加減のギャップに戸惑います。 一方、テロリスト『ベル』の正体は世界中で活躍する五人組みのガールズバンド

                                        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『Another 2001(下) 』綾辻 行人 (著) |

                                          『Another 2001(下) 』綾辻 行人 (著) 角川文庫あらすじ「呪われた三年三組」を襲う災厄は、新たな対策を講じてもその勢いは収まることなく、これまでにない規模で被害を拡大させていた。 三組の「いないもの」の役を買って出た想は、三年前に同じ状況を体験した卒業生・榊原恒一や見崎鳴の助言を受けながら原因を探り、対策を講じようとするのだが…。 もやに包まれた記憶の中に災厄を止める鍵がクラスメイトやその家族に死者が出たことにより、ついに災厄が始まったことを知った三年三組は「いないもの」を設定することを終了。 想はかつての災厄を体験した鳴に報告し、三年前に災厄が止まった時のことをたずねます。 しかし鳴は、災厄が止まったことは事実であり、認識しているが何があったのか思い出せないのだと言います。 知っていたはずなのに、と。 この土地に住んでいない恒一であれば記憶を歪められる影響を受けることなく

                                          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『八月の銀の雪』伊与原 新 (著) |

                                            『八月の銀の雪』伊与原 新 (著) 新潮文庫あらすじ断られ続ける就活、幼い娘を育てるシングルマザー、夢をあきらめた契約社員。 傷つき苦しむ彼らが出会った科学の世界と知識は、新たな一歩を踏み出すための力となる。 壮大な自然の営みや動物・生物の不思議さに包まれ癒されていく五編の物語。 傷ついた心に染み込んでいく科学の知大学を一年休学後、復学した堀川は就活に励んでいましたがお祈りメールばかりが届く日々に苛立っていました。 ある日、かつての同級生である清田と遭遇。 仮想通貨のアフィリエイターをしているという清田に誘われ、顧客勧誘のためのサクラとして彼の仕事を手伝うことにした堀川。 ある日、よく利用するコンビニの外国人店員から「店にあった論文のコピーを知らないか」とたずねられます。 使えない店員だと思っていた彼女は大学院で地震の研究をしているのだと言います。 そして彼女は地球の内部、コアの話を語りま

                                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『スイーツレシピで謎解きを 推理が言えない少女と保健室の眠り姫』友井 羊 (著) |

                                              友井 羊 (著) 集英社文庫 あらすじ高校生の菓奈は吃音があり、なるべく人前で喋ることを避けるようにしていた。 うまく話せない菓奈の話をじっと聞いてくれるクラスメイトの真雪君はお菓子作りが得意なスイーツ男子。 ある日、真雪が保健室の眠り姫こと篠田悠姫子に頼まれて作ったチョコレートが家庭科室から紛失。 チョコが消えた理由や状況を考え、ある真相にたどりいついた菓奈は、犯人を前につっかえながらもその推理を伝える。 謎を解いていくとともに、菓奈は大切なものを手に入れていく。 会話が苦手な女子高生が学校で起こった謎に挑むつっかえないように、と思うとどうしてもテンポが遅れ、焦って話せば吃音が出てしまう菓奈は、相手の反応が怖くてなるべく人と喋らないようにしています。 スイーツオタクの真雪は整った顔立ちで物腰も柔らかく、女子に人気があります。 ある日、スイーツ作りが得意な真雪が作ったチョコレートが紛失。

                                              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『銀座「四宝堂」文房具店』上田 健次 (著) |

                                                店主は三十代半ばで落ち着いた 雰囲気で客に丁寧に寄り添ってくれるの。 また購入したその場で手紙を書けるようにと スペースも提供してくれるのよ。 『銀座「四宝堂」文房具店』上田 健次 (著) 小学館文庫あらすじ創業天保五年。 銀座の一角に佇む老舗の文房具店・四宝堂。 三十代半ばの青年・宝田硯が一人で切り盛りするこの店には様々な思いを抱えた客がやってくる。 自分を育ててくれた祖母に感謝の気持ちを伝えたい青年、退職願を今日中に書きたいという女性、亡くなった元妻への弔辞を考える…。 思い出の文房具や店主の言葉で客たちの心がやわらかくほぐれていく。 大切なものを思い出させてくれる、胸があたたかくなる物語。 お客の気持ちに寄り添う 銀座の老舗文具店初任給で祖母に何かを買って送りたい。 そう考えて銀座の百貨店へ向かった新田凛は、商品とともに手書きの礼状を添えると良い、と店員にすすめられ、四宝堂を紹介され

                                                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『京の恋だより 眠り医者ぐっすり庵』泉 ゆたか (著) |

                                                  『京の恋だより 眠り医者ぐっすり庵』泉 ゆたか (著)実業之日本社文庫 あらすじお茶対決のために京都からやってきた長海和尚。 眠りが浅い、という老僧の悩みを解決したぐっすり庵の松次郎と藍。 千寿園の跡を継ぐ者として、お茶のもてなしの心を学ぶため京へ修行に出ることとなった藍は、和尚とともに向かう京への道中で、また、たどりついた京でも眠りについて悩む人々と出会う。 若き医者・幸四郎の手伝いをすることになった藍。 幸四郎は何と、兄の松次郎のことを知る人物だったのです。 お茶の修行のため 一路京へと向かう藍お茶対決での勝負をきっかけに、神田明神の山道で千寿園の分店を出すことに。 出店の手配をしてくれた一心には、千寿園の跡を継ぐつもりなら江戸を離れてみたほうがいい、と言われます。 伯父たちを説得し、京へ戻る長海和尚とともに旅立ち、宇治の萬福寺で修行することになった藍。 慣れない旅路に苦労しつつ、兄が

                                                  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『魔眼の匣の殺人』今村 昌弘 (著) |

                                                    『魔眼の匣の殺人』今村 昌弘 (著) 創元推理文庫あらすじ神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子は、かつて班目機関の研究施設があったという好見地区へとやってきた。 葉村たちとは別の目的を持って、または偶然居合わせた九名の男女は、地域の奥深くに住み預言者として恐れられる老女の邸へ向かう。 外界をつなぐ唯一の橋が燃えてしまい、脱出が不可能な状況に。 やがて老女の発した「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」という予言のとおり、一人、また一人と命を落とす。 予言の通りに人が死ぬ!?紫湛荘事件の首謀者が関係する斑目機関。 その研究施設が人里離れた村にあったという記事をオカルト雑誌で発見した葉村は、比留子とともにW県の好見地区へ向かいます。 現地で預言者として恐れられている『サキミ様』は予知能力があり、被験者として研究所にいたとされているのです。 住民が見当たらず困っていたところ、女子高生の十色、

                                                    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『妻の終活』坂井希久子 (著) |

                                                      『妻の終活』坂井希久子 (著)祥伝社文庫あらすじ今年七十になる廉太郎は、新卒から勤め続けてきた製菓会社で今も嘱託として働いている。 そんなある日、四十二年連れ添った妻・杏子が末期ガンで余命一年の宣告を受ける。 会社一筋で生きてきて家のことは何ひとつできない廉太郎は、妻や娘たちから家事のことをあれこれ言われてもへそを曲げてしまう。 娘からは母を解放してやれと責められ、妻のいなくなった生活を想像し、がくぜんとする廉太郎。 長年連れ添った夫婦の後悔と絆、そして愛を描く物語。 妻の余命宣告にがくぜんとする廉太郎「病院についてきてくれませんか」という杏子に、仕事を休めないからと断った廉太郎。 結局妻は、病院へは結婚して子供もいる長女の美智子と向かい、そのまま美智子の家へ泊まると言います。 帰ってきたのは四日後で家のことは何ひとつできない廉太郎は杏子に当たりちらします。 そんな杏子の口から出たのは「ガ

                                                      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ』古内 一絵 (著) |

                                                        『二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ』古内 一絵 (著)創元文芸文庫 あらすじ2019年4月。 新元号、「令和」が発表されたこの時、老舗映画会社・銀都活劇で働く砂原江見は岐路に立たされていた。 銀活が大手映像配信会社に買収されることが決定し、会社の企画は進行が止まる。 先行き不安な空気が漂う中、DVD宣伝担当の江見はこれまでの仕事を振り返り、ある企画を立ち上げる。 これまで仕事とこれからの働き方を見つめ直す中途採用で銀活に入社した江見。 二十年近く勤め、四十代半ばになります。 映画宣伝チームからDVD宣伝チームに異動となり、自分よりも若いメンバーたちと仕事をしています。 映画業界の興行収入の減少、小さな映画館の閉館などの影響で銀活の経営状況も思わしくなく、ついいに大手映像配信会社に買収されることが決定。 弛緩した空気と不穏な空気が社内を漂う中、江見はこれまでの仕事や人生を振り返り『デジタ

                                                        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『江戸寺子屋薫風庵』篠 綾子 (著) |

                                                          『江戸寺子屋薫風庵』 篠 綾子 (著) 小学館文庫あらすじ江戸の下屋にある「薫風庵」は、元遊女で大店の主人の妾でもあった五十一歳の尼、蓮寿と秋田からやってきた二十三歳の尼、妙春、そして十二歳の飯炊き娘の小梅の三人が住んでいる。 この庵は住まいのほか、寺子屋としても使われており、妙春が教鞭をとり、近くに住む二十人の子供たちが学んでいる。 ある日、隣家の大造が寺子に盆栽を折られたと怒鳴り込んできた。 さらに城戸宗次郎と名乗る浪人が現れ、妙春とともに子供たちへ教えるようになると、妙春は複雑な想いを抱くようになり…。 子供のトラブルと新しく教師となった浪人の正体秋田で藩の若者を指導していた父のようになりたい。 そう思っていた妙春は縁があってこの薫風庵で子供達を教えることになりました。 算術が好きで考えていると時を忘れてしまうこと、子供たちの成長を見守ってはいるが、蓮寿のように気の効いた対応や楽しい

                                                          • 【高校入試・大学入試単語特訓】カナエルの英語学校㉓日目 - ダバダバわかる基礎英語♡カナエルの英語部屋

                                                            1時間目 高校受験 英作文対策 ルナ先生の好きな男性のタイプは? 優しい人なら誰でもOKよ。 これ、ルナ先生のプロフよ おい校長!! どこからそれを!! パートナー希望年収1000万 間違えてゼロひとつ多くつけたの!! 身長180㎝以上 間違えてゼロひとつ多くつけたの!! 18㎝はないでしょ… ルナ先生は理想が高いですね。さて今日は「私は英語が話せる医者が好きだ」を英訳してみましょう。中学3年生レベルだから手ごわいかも。 シンキングタイムよ さっきのは全部大嘘よ。 男性はみなさん魅力的です。 タロコ校長も? いや、あれは論外。 さて、さっきのプロフネットで世界中に公開してきます。 嘘です!! タロコ様!! よ、大統領!!! ルナ先生って時々「昭和」ですよね。 今回の答えは I like a doctor who can speak English. 今回のポイントは「関係代名詞」です。「関

                                                              【高校入試・大学入試単語特訓】カナエルの英語学校㉓日目 - ダバダバわかる基礎英語♡カナエルの英語部屋
                                                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『みちづれの猫』唯川 恵 (著) |

                                                              『みちづれの猫』唯川 恵 (著) 集英社文庫あらすじ離婚後、抜け殻のようになりゴミ溜めのような部屋で暮らしていた江美。 そんな江美の部屋のベランダに茶トラの牡猫がやってきた。 茶太郎と名付けた猫との生活で江美は次第に自分の心と身体を取り戻していく。 しかし茶太郎はある日家を出ていったきり帰らなくなった(「運河沿いの使わしめ」)。 傷ついた時、そこに寄り添ってくれる猫に救われた女性たちの心あたたまる七つの物語。 突然やってきた茶トラの牡猫掃除も洗濯も料理も、仕事をしながらもマメにこなしていた江美ですが「会社にいるより疲れる」と元夫に言われ離婚。 これまで良かれと思ってやってきたことが相手の負担になっていたとは。 自分自身を全否定されたようで、料理も掃除もする気が起きなくなってしまった江美。 コンビニでご飯を買い、捨てるのもおっくうだとゴミを積んでいくうちに汚部屋になってしまいます。 そんな中

                                                              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『汚れた手をそこで拭かない』芦沢 央 (著) |

                                                                認知症の症状が見え始めた妻と 暮らしている夫のアパートの 隣人が亡くなったの。暑い中 エアコンをつけずにいて熱中症に なったそう。夫は隣人宛の電気代の 請求書を家の中で発見してしまうの。 『汚れた手をそこで拭かない』芦沢 央 (著)文春文庫あらすじ夫がとらわれている過去から解放させてやりたいと願う余命わずかな妻、認知症が進む妻と電気代が気に掛かる老いた夫、元不倫相手を見返したい料理研究家。 ふとしたことがきっかけで物事が思わぬ方向に転がり出し、気づけば足元が崩れ落ちていくような恐怖や絶望を体感する五つの物語。 夫が胸に抱え続けていた罪の意識とは末期癌で余命宣告を受けた私は自宅で過ごすことを希望し、それを受け入れてくれた夫に看てもらいながら過ごしています。 夫が長年抱えている苦しみから解放してあげたい、と考えた私は、自分があなたの苦しみをあの世に持っていきましょうか、と提案。 夫が話したのは

                                                                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『予言の島』澤村伊智(著) |

                                                                  島外からも観光などの目的で 数名が訪れているの。死者は観光客からも 出ているし、島の人間も。島の外から来た メンバーはこの島の呪いと亡くなった人の 死の真相を探ろうとするの。 『予言の島』澤村伊智(著) 角川ホラー文庫あらすじ瀬戸内海に浮かぶ小さな島、霧久井島。 二十年前、当時有名だった霊能者・宇津木幽子はこの島についてある予言を残した。 それは、二十年後にあたる今年、島で六人が死ぬ、というもの。 かつてこの霊能者の『お告げ』を夢中になって信じていた天宮淳は友人たちと面白半分でこの島へとやってきた。 予約していた宿はキャンセルされ、別の宿に泊まるも翌朝宿泊客の一人が死体となって発見される。 「予言」は本当だったのか。 呪われた島に残された予言は本当だったのか幼なじみの友人、宗作がパワハラを受けて心を病み、退職。 同じく古い付き合いの春夫が淳と宗作を誘い、霧久井島へと旅行することに。 ところ

                                                                  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『雪月花』北村 薫 (著) |

                                                                    『雪月花』北村 薫 (著)新潮文庫あらすじ本の世界には、実に様々な驚きと発見がある。 ホームズの相棒、ワトソンの、知られざるミドルネーム。 誰もが知っていた句の本当の作者。戦前の文学の会話文に出ていた「何ひと」の意味とは。 出会った人から、はたまた自分の頭の奥に眠っていた記憶から、言葉や文章はつながり、広がりを見せ、やがて目の前に見事な着地を見せたりする。 本を愛する著者の喜びや楽しみが存分に詰まった「私小説」。 本にまつわる謎が広がりつながっていく中村幸一氏の『ありふれた教授の毎日』の中で、氏が滞在したニュージーランドでヘイミッシュという名の人物に出会い、それ以降、この名を持つ人に会ったことがない、とゼミで話します。 すると学生が、シャーロック・ホームズのワトソン博士のミドルネームがヘイミッシュだと教えてくれます。 これを読んだ著者はいい知識を得たとばかり、何人かに披露していました。 と

                                                                    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『死体を買う男 』歌野晶午 (著) |

                                                                      『死体を買う男 』歌野晶午 (著)講談社文庫あらすじ理智の追求を棚上げし、金のために通俗小説ばかり書いていた乱歩は、自分に絶望し、休筆することに。 休筆しても頭の中に何も浮かばず、才能の限界を感じた彼は、自殺を考え紀州白浜の三段壁へやってきた。 いざ海へ飛び込もうとする彼を助けたのは高貴な顔をした若く美しい青年。 同じ宿に泊まっていると知り、お礼に行こうとする乱歩の目にうつったのは、顔をまっ白に塗り、女ものの着物を着て窓辺に佇む青年の姿…。 そして夜中、青年は首を吊って死んでいるところを発見されますが、警官が現場へ向かうと死体はこつぜんと消えていた。 そして青年がいた部屋に行ってみると、そこには死んだはずの青年が。 乱歩と朔太郎が事件の謎に挑む。 首吊り死体が消えた謎この話を知った友人の萩原朔太郎は、われわれの手で事件の真相を探ろう、と乱歩に持ちかけます。 死んだ青年・塚本直と双子の弟・均

                                                                      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『マンガでわかる! 気分よく・スイスイ・いい方向へ「自分を動かす」技術 』 |

                                                                        ゆうき ゆう (著), Jam (イラスト) 三笠書房 概要勉強や仕事をしなくてはいけないのについ他のことに目移りしてしまう、ダイエットしたいのに食べてしまう、怒ってはいけないと思っているのに怒ってしまう。 頭では理解しているのに、望ましくない行動に出たり、動けなかったりするのは、自分をコントロールしきれていないから。 本書では、そうした自制力を身につけるための方法をマンガを交えてわかりやすく解説。 ネットやゲーム、酒や食べ過ぎなどをコントロールして依存を防ぎ、なりたい自分へ近づくための考え方、行動のコツを紹介していく。 「わかっちゃいるけどやめられない」から抜け出そう分かってはいるけど「動けない」「やめられない」「続けられない」。 そんな方たちに向けて、感情、習慣、集中、人間関係、依存の面からアプローチ。 それぞれについて、問題となる考え方や行動の理由を解説した上で、具体的な対策方法を説

                                                                        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ここだけのお金の使いかた』アミの会 (編集) |

                                                                          大崎 梢 (著), 図子 慧 (著), 永嶋 恵美 (著), 新津 きよみ (著), 原田 ひ香 (著), 福田 和代 (著), 松村 比呂美 (著) 中公文庫 あらすじ物価は上昇するけど給料は上がらない。 そんな時代だからこそ、何にいくらお金を使うかは人生の重要事項になってくる。 百万円の宝くじが当たったら夫に言う? 働かずに稼げる方法って? ゲーム課金にいくら使う? 七名の女性作家がお金をテーマに人生の悲喜こもごもを描くアンソロジー。 100万円分の無駄を極める子供たちも自立し、来年から年金生活に入る専業主婦の純子。 ぜいたくもせず、家計をやりくりしてきた彼女は宝くじで100万円が当選。 何に使おうかと考え、夫に「無駄な努力」と言われたしわ取りクリームを購入したり、思い切ってピアスの穴を空けたりします。 こうなったらこの100万円で無駄を極めてやれ!という思いで向かった先は、かつてのク

                                                                          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ネコシェフと海辺のお店』標野 凪 (著) |

                                                                            『ネコシェフと海辺のお店』標野 凪 (著)角川文庫あらすじ仕事、恋愛、子育てなど悩みを抱えた人の前にふいにあらわれるのは、海辺にぽつんと建つ小屋。 ここでは料理上手な猫シェフが、悩む彼らにとっておきの料理を振る舞う。 豊かな海の幸を使った料理とシェフの言葉に客たちはいつしいか心がほぐれ、自分だけの道を見出していく。 悩む主婦の目の前に現れたサバトラのシェフ西脇千晶は四十歳の専業主婦。 夫の竜馬と高校生の娘、梨央との三人家族。 久しぶりに大学時代の友人、雛菊と食事をし、ずっと仕事を続けている彼女はすごい、と改めて感じます。 自分は結婚を機に仕事を辞め、その後は家と家族の面倒を見てこの年になってしまった…。 若い女が近くにいる気配を見せる夫、自分の世界を築きはじめた娘、そして衰えていくだけの自分。 世間や夫、そして夫の若い恋人を見返そうと、求人サイトから面接を申し込んだ千晶。 気合いを入れて面

                                                                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『雛あられ 木挽町芝居茶屋事件帖』篠 綾子 (著) 時代小説文庫 |

                                                                              篠 綾子 (著) 時代小説文庫 あらすじ木挽町で芝居茶屋「かささぎ」を切り盛りするのは若き店主・喜八とその兄弟分・弥助、そして気の利いた旬の料理を作る松次郎。 色男の喜八と弥助を目当てにやってくる女性客も多く、まずまずの繁盛ぶり。 ある日、店にやってきたのは眼鏡をかけ、上方訛りの言葉を話す風変わりな男。 常連客、おあさの父親であり、狂言作者であるこの男・東儀左衛門は、喜八と弥助に台本を書く手伝いをしてほしい、と言う。 一方喜八は近所の大茶屋、巴屋絡みの騒動に巻きこまれる。 狂言作者の登場にイケメンたちがふりまわされる!?店にやってきた儀左衛門は、色男と評判の喜八と弥助に芝居のセリフを喋らせてイメージをふくらませ、台本を書きたいのだと言います。 強引に話を進める儀左衛門に困惑しつつも、儀左衛門に店の常連になってもらうこと、セリフの中に店の名前を入れてもらうことで引き受けました。 二人の男前ぶ

                                                                              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―』宇能鴻一郎 (著) |

                                                                                宇能鴻一郎 (著) 新潮文庫 あらすじ煙と客に満ちたモツ焼き屋で隣に座った虚無僧。 酔っていた私は彼に、モツ焼き屋で内臓を喰うたびに感じていたことを話したくなった。 嫌悪を示すかと思われた虚無僧は「その通りです」と理解を示し、己のことについて話しはじめた(「姫君を喰う話」)。 明治のはじめごろ、肥前平戸島和田浦で何代にもわたる巨鯨と人間との戦いを神話にまで高めた芥川賞受賞作(「鯨神」)。 追いつめられた人間と彼らの生きる背景が迫力ある筆致で描かれる全6編。 モツ焼き屋で思うことを虚無僧に語る新鮮なモツと甲州葡萄酒が置いてある、気に入りのモツ焼き屋で内臓を味わっていると、隣の席に虚無僧が座ります。 生臭坊主をひとつ攻撃してやるかと考えた私は、「そのタンは、なめてみても噛んでみても、女の舌と、まったく同じ舌ざわりじゃありませんか」とモツ焼き屋で喰うたびに感じていたこと、そして自分の性癖を虚無僧

                                                                                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『リセット』五十嵐貴久 (著) |

                                                                                  『リセット』五十嵐貴久 (著) 幻冬舎文庫あらすじ一軒家に四人家族で住む升元家に一人の少女がやってきた。 母方の親戚である十六歳の結花は父を亡くし、母と双子の姉は新興宗教にはまってしまい、出家したのだと言う。 どこか陰のある美少女、結花に、高校一年の次男、晃は一目惚れ。 しかし、彼女が来てからというもの、学校や関係者の間で不審死が起こり、不穏な空気はやがて升元家にも漂い出して…。 十六歳の少女の周辺で続けて起こる不審死母親の奈緒美と父親の俊幸が子連れ再婚。 俊幸の息子、孝司が兄、奈緒美の息子、晃が弟となり、一家四人で暮らす升元家。 兄弟同士は反りは合わないものの、距離を取り合い問題なく暮らしていた晃の家族。 そこへやってきた結花にたちまち心を奪われる晃。 晃と同じ学校へ転入した結花は最初は周囲となじめない様子でしたが、少しずつ話せる相手もできてきたようです。 そんな中、晃は「結花が担任の高