「志の輔さんはそのベッド、俺は、志の輔さんが落語の練習で使う座布団を床に敷き、その上で寝た。実はそのとき、大失態を犯してしまった」……明治大学の落研時代、先輩の立川志の輔宅で渡辺正行さん(67)が犯した失態とは? 当時のエピソードを、著書『関東芸人のリーダー お笑いスター131人を見てきた男』(双葉社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) “紫紺亭志い朝”襲名日の失態 明治大学の落研にとって、1年のメインイベントは、和泉キャンパスと駿河台キャンパスでそれぞれ開催される文化祭、「和泉祭」と「駿台祭」だ。 部員全員がそこで落語を披露することになるため、誰もが納得できるものにしようと、日夜練習に励んでいた。 ただ、俺は、2年先輩の志の輔さんに憧れていたが、本人がどんなふうに練習し、どれだけの努力を積み重ねていたのか、まったく知らなかった。 1、2年生が、自分の拙い落語を先輩