世の中には方便として使う言葉がある。特にIT分野では、ITをよく分からない人たち、中でもIT嫌いの経営者を説得するために、IT部門や出入りのITベンダーらは様々な言葉を駆使する。何の話なのか全くピンと来ない読者のために言えば、例の「攻めのIT、守りのIT」がその代表例だ。 この「攻めのIT、守りのIT」がなぜ方便なのかについては、私のもう1つのコラム「極言正論」で以前述べたことがある。簡単に言うとこうだ。あるCIO(最高情報責任者)が言っていたが、経営者は「戦略的な取り組みにしか関心を示さない生き物」なのだそうだ。そこでIT部門はIT投資を決断してもらうために「攻めのIT、守りのIT」という方便を駆使する。経営者に攻め、つまり戦略的な投資だと納得させれば、必要な予算を確保できるという算段だ。 だが、この方便には落とし穴がある。今回の「極言暴論」のテーマにも関わるのだが、方便として使ったはず