自分では体を動かせない重症患者の体位変換を行う医療従事者の負担を軽減しようと、千葉県八千代市の医療機器関連会社が販売するマットレスが注目されている。空気で患者を浮かせ、少ない人手で対応できる。新型コロナ患者に有効な療法も、このマットを使うことで行いやすくなるという。 千葉県東部の中核病院、東千葉メディカルセンター(東金市)。誤嚥(ごえん)性肺炎で救命救急センターに入院した70代男性のベッドの横で、看護師がポンプのスイッチを入れるとマットレスが膨らみ、ベッドサイドの2人がマットを滑らせるようにして男性の体の向きをうつぶせにした。 このマットの商品名は「ホバーマット」。アメリカで開発され、八千代市の医療機器関連会社「名優」が販売する。自力では体を動かせない患者の体位を変えたり、ストレッチャーなどに移したりする支援が目的の器具だ。 マットは単に膨らむだけでなく、下部の微小な穴から空気が噴き出し、