初の本格的長編オリンピック公式記録映画は、ドイツのレニ・リーフェンシュタールが監督を務めた1936年ベルリン大会の『オリンピア』であった。この映画は陸上競技や開会式を記録した『民族の祭典』と、競泳、飛び込み、体操をはじめとする陸上以外の競技をまとめた『美の祭典』の2部構成となっている。日本選手では、三段跳び金メダリストの田島直人、棒高跳び2位と3位の西田修平と大江季雄、陸上5000m、10000mともに4位の村社講平などが登場している。 この1936年ベルリン大会は「ヒトラーのオリンピック」といわれるように、ナチスのプロパガンダ及び国威発揚の場と位置づけられた。10万人が収容できる大規模なスタジアムを建設し、盛大に行われた大会である。人種差別政策を採っていたナチスが、国際オリンピック委員会(IOC)の強い要求により、このときばかりは政策の執行を凍結したため、アメリカの黒人選手ジェシー・オー