さて、前回は「貨幣数量説(quantity theory of money)」について取り上げましたので、この考え方が現在の日本にどのくらいあてはまるのか調べてみることにしましょう。 貨幣数量説は古くからある考え方ですが、アーヴィング・フィッシャー(Irving Fisher, 1867-1947)はこれを「フィッシャーの交換方程式(Fisher's equation of exchange)」と呼ばれる簡単な方程式で表しました。 MV=PT (M:貨幣量、V:貨幣の流通速度、P:物価、T:取引量) 例えば、100円の商品が10個売れたとしたら、1000円札が1回使用されるはずです。 この場合は、1000円×1回=100円×10個で両辺は等しくなっています。 1000円札を受け取った人が別の100円の商品を10個買ったとすると、1000円×2回=100円×20個でやっぱり両辺は等しくなって