高齢化の進展で、介護問題に直面する人が増えている。介護する側・される側のいずれも問題を抱えがちだが、最近では双方の負担を軽減する介護サービスも充実してきいる。だがその一方で、昔ながらの価値観が邪魔をする側面も、いまだあるようだ。ケース例から見ていく。 子どもと同居する高齢者世帯、「大きく減少」の一方で… 北関東に暮らす50代後半の綾子さん(仮名)は、要介護2の義父を自宅で介護している。義父は認知症が次第に進行し、大声を上げる、徘徊するといった行動が増え、目が離せない状況だ。夫は多忙な会社員ということもあり、やはり会社員だった綾子さんに頭を下げて退職してもらい、自分の父親の介護を全面的に任せている。 「もうそろそろ、この生活も2年になろうとしています」 綾子さんはつぶやく。 「自分たちの老後のことを考え、仕事を辞めるのは嫌だとはっきり伝えていました。しかし、夫から再三にわたって義父の介護をす