仙台駅の西口方面には、東西に走る大通りが三つあり、北から、「常禅寺通り」「広瀬通り」「青葉通り」と名前がついている。その常禅寺通りを駅側の端から十分ほど歩いたあたり、大きな交差点の角に百貨店「三越」があった。建物は二つあり、常禅寺通りにくっつく角に建つほうが「常禅寺通り館」で、そこと連絡通路でつながった南側が「本館」だった。本館側のアーケード通りに面した入口に、ライオン像があったはずだ。 「あれに跨がると夢が叶うんだって」 ライオンに跨がる? (伊坂幸太朗、東野圭吾、他『時ひらく』文春文庫、2024) こんにちは。土日に少し遠出をしてきました。遠出のお供は、伊坂幸太郎さんが執筆者の一人として名を連ねている、アンソロジー『時ひらく』です。伊坂さんは、 大学の先輩。 学部は異なるものの、在学期間も異なるものの、だから面識すらないものの、仙台の描写を読むと、いつも「過去ひらく」感じがして、ノスタ