また、同書の「大無間山を巡る沢」の章の概略の中で、「大無間山と大井川鉄道の尾盛駅間のコースも踏跡は比較的はっきりしている」との記述がある。 「日本登山大系」はアルパインクライミングや沢登りを対象としたバリエーションルート集なので、一般的な登山者が登るようなルートはほとんど掲載されていない点や、初版発行が1982年で情報としてはかなり古い時代のものであることにも留意が必要であるが、かつては、尾盛駅から大無間山に至るルートが「比較的はっきりしている」ルートとして存在していたのである。 とは言え、この図を注意深く見ると、尾栗峠に上がった後、大無間山に至るまでの稜線ルートには、「道迷い」の表記がある。「比較的はっきりしている」の「比較」対象は、クライミングルートや沢登りのルートなのであって、有名山域の標識完備の登山道ではない。その点には注意すべきである。 それはともかく。 整備された道はなくとも、