1969年春。70年安保闘争を控えた新左翼諸派の闘争方針を収録したもの。革マル、解放、ML、共同、中核など6派が論文を寄せている。まだ内ゲバの始まる前で、革マルと中核がいっしょに収録されているのが珍しい。内容についてはというと、今から35年前のことを現在(2005/5/25現在)の視点で批判しても仕方がないだろう。細部で正しいと思われる指摘も全体の論理の中ではばかげているというのが今のところの感想。 個別党派には関係なく指摘すると、どこの「理論」にも経済学がないこと、現実の分析がなく幻想を当てはめてしまうこと、根を捨てることや自己破壊することに陶酔していること、などの種種の問題がある。 内容からはずれるが、20世紀共産主義運動の問題は戦時動員体制(ないし秘密結社)でその運動や体制が作られたこと。そこでは、市場と構成員の自由が統制され、権力の範囲が拡大され、上位下達の指示系統が貫徹され、云々