並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 12 件 / 12件

新着順 人気順

WEB本の雑誌の検索結果1 - 12 件 / 12件

  • 【今週はこれを読め! SF編】地球と人間についての脅威と希望~日本SF作家クラブ編『地球へのSF』 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『ポストコロナのSF』『2084年のSF』『AIとSF』につづく、日本SF作家クラブ編の書き下ろしアンソロジー第4弾。先行する三冊にくらべ、『地球へのSF』という括りかたは曖昧だが、そのぶん多彩な作品が集まったとも言える。「まえがき」で同クラブ会長の大澤博隆さんは、〔そもそも「地球」をテーマに視線を飛ばせること自体が、SFの特技ではある〕と述べている。全二十二篇。 ディストピア的状況を描いた作品では、上田早夕里「地球をめぐる祖母の回想、あるいは遺言」が出色の出来。テラフォーミング途上の火星において、入植第一世代の祖母と火星生まれの孫との会話によって、地球が精神の自由を喪失した経緯が明かされる。それはいまの日本を蝕む格差・棄民・監視・情報統制の行きつく先にほかならない。火星に逃れたひとびとにも、その圧政の波がおよぼうとしている。この作品が扱っているものは、先週紹介したジョナサン・ストラーン編

      【今週はこれを読め! SF編】地球と人間についての脅威と希望~日本SF作家クラブ編『地球へのSF』 - 牧眞司|WEB本の雑誌
    • 作家の読書道 第267回:大槻ケンヂさん|作家の読書道|WEB本の雑誌

      『緋色の研究 (角川文庫)』 コナン・ドイル,えすと えむ,駒月 雅子 KADOKAWA 528円(税込) 商品を購入する Amazon HMV&BOOKS 『手塚治虫ジャングル大帝』 手塚治虫,森晴路,手塚治虫 樹立社 1,210円(税込) 商品を購入する Amazon HMV&BOOKS 『隅の老人【完全版】』 バロネス・オルツィ,平山 雄一 作品社 6,800円(税込) 商品を購入する Amazon HMV&BOOKS 『犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)』 横溝 正史 KADOKAWA 748円(税込) 商品を購入する Amazon HMV&BOOKS 『獄門島 (角川文庫)』 横溝 正史 角川書店(角川グループパブリッシング) 616円(税込) 商品を購入する Amazon HMV&BOOKS 『本陣殺人事件 (角川文庫)』 横溝 正史 角川書店(角川グループパブ

        作家の読書道 第267回:大槻ケンヂさん|作家の読書道|WEB本の雑誌
      • 文芸記者がいた! - 本の雑誌社の最新刊|WEB本の雑誌

        日本に新聞が誕生して150年、文学と密接に関わり、長きにわたって併走してきた文芸記者の仕事と生き様を追い、文学をめぐる環境がどう変わってきたかを探る、まったく新しい文学史。 「文芸記者は主役になることがほとんどない。他人の小説や評編、読者の好みや出版動向などをテーマに、さまざまな解説を偉そうに書きながら、自分のことはあまり語らずに影の存在に徹している。いったい何者なんだ、文芸記者。」(「はじめに」より) ■四六判並製 ■232ページ ISBN 978-4-86011-493-0 [目次] はじめに──なぜ文芸記者なのか 一 論争と黒子の人 堀紫山(読売新聞) 12 二 振り回される人 嶋田青峰(国民新聞)20 三 怒られ通しの人 森田草平(東京朝日新聞)28 四 文学に踏み止まらない人 柴田勝衛(時事新報、読売新聞)36 五 庶民に目線を合わせた人たち 伊藤みはる(都新聞)43 六 記者を

          文芸記者がいた! - 本の雑誌社の最新刊|WEB本の雑誌
        • 作家の読書道 第261回: 宮島未奈さん|作家の読書道|WEB本の雑誌

          『こちら葛飾区亀有公園前派出所 1 (ジャンプコミックス)』 秋本 治 集英社 484円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『フリテンくん(1) (バンブーコミックス 4コマセレクション)』 植田まさし 竹書房 商品を購入する Amazon 『BE-BOP-HIGHSCHOOL(1) (ヤングマガジンコミックス)』 きうちかずひろ 講談社 商品を購入する Amazon 『こどものおもちゃ 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)』 小花美穂 集英社 商品を購入する Amazon 『成瀬は信じた道をいく』 宮島 未奈 新潮社 1,760円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto ――いちばん古い読書の記憶を教えてください。 宮島:幼稚園で毎月絵本を何冊か選んで注文できたので、買っ

            作家の読書道 第261回: 宮島未奈さん|作家の読書道|WEB本の雑誌
          • 今年のSF短篇集ベストワン候補 フォード『最後の三角形』がいいぞ! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌

            『最後の三角形: ジェフリー・フォード短篇傑作選 (海外文学セレクション)』 ジェフリー・フォード,谷垣 暁美 東京創元社 3,850円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『書架の探偵、貸出中 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5061)』 ジーン・ウルフ,大谷 真弓 早川書房 2,420円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『コスタ・コンコルディア 工作艦明石の孤独・外伝 (ハヤカワ文庫JA JAハ 5-21)』 林 譲治 早川書房 1,188円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『私は命の縷々々々々々 (星海社FICTIONS)』 青島 もうじき,シライシ ユウコ 星海社 1,485円(税込) 商品を購入する Amazon

              今年のSF短篇集ベストワン候補 フォード『最後の三角形』がいいぞ! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌
            • 今年度翻訳SFベストワン有力候補『ロボットの夢の都市』登場! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌

              『ロボットの夢の都市 (創元海外SF叢書)』 ラヴィ・ティドハー,茂木 健 東京創元社 2,640円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『知能侵蝕 1 (ハヤカワ文庫JA)』 林 譲治 早川書房 1,100円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『ミノタウロス現象』 潮谷 験 KADOKAWA 2,145円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『国歌を作った男』 宮内 悠介 講談社 1,980円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『東京都同情塔』 九段 理江 新潮社 1,870円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『め

                今年度翻訳SFベストワン有力候補『ロボットの夢の都市』登場! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌
              • 作家の読書道 第258回: 斜線堂有紀さん|作家の読書道|WEB本の雑誌

                作家自身は、どんな「本屋のお客」なんだろう?そしてどんな「本の読者」なんだろう? そんな疑問を、作家の方々に直撃インタビューです。 作家の読書道 第258回: 斜線堂有紀さん 大学在学中の2016年に『キネマ探偵カレイドミステリー』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー、本格ミステリ大賞の候補になった『楽園とは探偵の不在なり』をはじめとするミステリーのほか、SF、恋愛小説、怪奇幻想譚など幅広い作風で魅了する斜線堂有紀さん。大の本好きでもある斜線堂さんがこれまでにはまった作家、影響を受けた作品とは? その膨大な読書遍歴の一部をお届けします。 『おなべおなべ にえたかな? (こどものとも傑作集)』 こいで やすこ 福音館書店 990円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)』 藤子

                  作家の読書道 第258回: 斜線堂有紀さん|作家の読書道|WEB本の雑誌
                • 【今週はこれを読め! SF編】近未来のチェ・ゲバラ、あるいはポストヒューマンの胎動〜藤井太洋『マン・カインド』 - 牧眞司|WEB本の雑誌

                  藤井太洋の新作。〈SFマガジン〉に2017年から21年にかけて連載され、22年には星雲賞長編部門を受賞している。ちなみに単行本化をまたずに、同賞長編部門を獲得するのは、この作品がはじめてである。 本書は、大幅に加筆修正をしたファン待望の単行本版だ。 舞台となるのは2045年。世界は大きく変わっている。たとえば、紛争・戦争のありようだ。自動機械による殺戮応酬の横行した2030年代への反省により、投入する部隊の数を制限したうえ、その位置も秘匿せず、あらかじめ話しあいによって勝利条件を設定する「公正戦」がおこなわれるようになった。もちろん、この場合の公正とは一種の欺瞞で、けっきょくは技術と資本の差によって趨勢は決する。 いま、新しい公正戦が火ぶたを切った。導火線となったのは、農業ベンチャー〈テラ・アマソナス〉の主導による、ペルーとブラジルに広がる農園を含む地域の、国家としての独立宣言である。これ

                    【今週はこれを読め! SF編】近未来のチェ・ゲバラ、あるいはポストヒューマンの胎動〜藤井太洋『マン・カインド』 - 牧眞司|WEB本の雑誌
                  • 【今週はこれを読め! SF編】恐竜と蟻の互恵的共生と殲滅的戦争~劉慈欣『白亜紀往事』 - 牧眞司|WEB本の雑誌

                    《三体》シリーズが爆発的にヒットし、名実ともに世界のSFシーンを牽引する存在となった劉慈欣。本書は、彼がブレークする前の2004年に発表された、短めの長篇である。 人類があらわれるより遙か以前に台頭した、二種類の知性のもつれにもつれた運命が描かれる。ひとつは恐竜であり、もうひとつは蟻だ。どちらも単体では知性を文明にまで昇華させる力はなかった。恐竜には器用な前肢がなく、原始的な工具以上のものは操れない。いっぽう、蟻は集団でこそ知性が生じるが、その知性は融通がきかない創造性に欠けるものだった。 しかし、この二種類の知性は、偶然にも互恵的な共生関係を結び、支えあうようにそれぞれの文明をかたちづくっていく。最初は蟻が恐竜の歯を掃除し、恐竜があまった食物を蟻に提供するという程度だったものが、やがて高度な医療、文字による意思疎通、情報の記録、蒸気機関の発明、輸送技術の進歩......と発展。恐竜も蟻も

                      【今週はこれを読め! SF編】恐竜と蟻の互恵的共生と殲滅的戦争~劉慈欣『白亜紀往事』 - 牧眞司|WEB本の雑誌
                    • 【今週はこれを読め! SF編】巨大病院としての都市、罹患した宇宙〜韓松『無限病院』 - 牧眞司|WEB本の雑誌

                      韓松(ハン・ソン)は中国SFの四天王のひとりと目される実力派。これまで短篇は紹介されてきたが、本書は待望の長篇邦訳である。英訳からの重訳だが、元の中国版よりも作者の意図が深く反映されたテキストだ。そのあたりの経緯は、巻末に付された「英語版訳者(マイケル・ベリー)あとがき」に詳しい。 そのマイケル・ベリーは、『無限病院』を"異常きわまりない中国共産党政治局のまっただ中に設定された、フランツ・カフカのストーリーのテリー・ギリアム版"と形容している。ご存知のとおり、テリー・ギリアムは、悪夢と滑稽とが入り交じったディストピア映画『未来世紀ブラジル』の監督だ。 『無限病院』は、仏陀を探すため火星へ赴いた〈孔雀明王〉号が、巨大な赤い十字をいただく病院を発見するプロローグからはじまる。地球外文明の建築物を、なぜ病院と断定できたかはわからないが、物語の流れは有無を言わさず、太陽系(あるいは宇宙全域)にあま

                        【今週はこれを読め! SF編】巨大病院としての都市、罹患した宇宙〜韓松『無限病院』 - 牧眞司|WEB本の雑誌
                      • 『ベルリンうわの空』刊行記念 香山哲が選ぶ 自分をビルドする20冊 - イベント&フェア情報|WEB本の雑誌

                        香山哲さんの魅力を言葉にしようとするとすごく難しい。香山哲という人が生み出す作品の魅力を言葉にするのもまたとても難しいのだが、ややましだ。 『ベルリンうわの空』が刊行される。この本で香山さんを知ることができる読者には、瑞々しい沃野がひらけている。自身が主宰するレーベル、ドグマ出版から多くのすばらしい作品を発表している。あなただけの未知なる読書体験を提供するお宝が必ず見つかるはずだ。 『ベルリンうわの空』はディープな世界の入口にすぎない、と断言する。だけどもとても間口が広くて、快適で親しみやすいエントランス。 滞在先のベルリンで過ごす日常を追体験するのがとても心地よい。大きな目的とか野心があるわけじゃないから考えごとをする時間がたくさんある。それを共有できる感じがとても良いのだ。小さな気づきや発見、日本との違いなどにおもいをめぐらす。自分をとりまく世界の輪郭がくっきりとうかびあがってくる。

                        • 第170回直木賞受賞予想。杉江「激戦を制するのは、加藤シゲアキ『なれのはて』と『ともぐい』か」マライ「『八月の御所グラウンド』『ラウリ・クースクを探して』も推したい」 - 全候補作読んで受賞予想|WEB本の雑誌

                          マライ 文句なく面白かったです。情報や観点やネタを詰め込み過ぎという批判が出そうな気もしますが、それ以上に刺さる威力が強いし、読みやすかったのでノープロブレム。概要紹介だけだと、志の高いマスコミ人が戦時秘話と陰謀を掘り起こす系のありがちな情緒寄り現代史ミステリーっぽく見えてしまうんですが、読むとぜんぜん違う。執筆にあたって社会史的、産業史的な取材を綿密に行ったフシもあってそこに感銘を受ける人も多いだろうけど、自分にとってポイントはそこじゃない。 杉江 作者が勉強したからえらい、ということではないと。同感です。 マライ 場面構築の材料には陳腐に見える要素がけっこう多いのですよ。途中に出てくる中ボス犯人のふるまいなどいわゆる二時間サスペンスドラマの情景そのまんまですし。でも、その犯人とかチョイ役っぽいキャラクターの人生にも、世界が何がしかの真理や美を垣間見せる瞬間があり、彼や彼女はそれをおぼろ

                            第170回直木賞受賞予想。杉江「激戦を制するのは、加藤シゲアキ『なれのはて』と『ともぐい』か」マライ「『八月の御所グラウンド』『ラウリ・クースクを探して』も推したい」 - 全候補作読んで受賞予想|WEB本の雑誌
                          1