7月7日の投開票日に向け、都政の課題についてお伝えする「シリーズ都知事選」。今回は東京都の婚活アプリ「AIマッチングシステム」についてです。都が1996年、結婚相談所事業を廃止した歴史的経緯もたどりながら、この政策の危うさを検証します。 [mokuji] 東京都が婚活アプリを始める、という報道発表が2023年12月にありました。アプリの名称は「AIマッチングシステム – TOKYOふたりSTORY」。 会員登録画面を開くと、氏名や住所、性別(男か女)のほか「最終学歴」「年収」などを入力する形式になっており、提出必須の書類の中に「年収を確認できる書類(源泉徴収票など)」があります。 東京都のAIマッチングアプリの会員登録画面 官製婚活アプリへの違和感 この事業に対するさまざまな批判を目にします。「民業圧迫ではないか」「利用者の安全性をどう担保するのか」「詐欺に遭う危険性はないか」——。 しか