駒沢の地に根を下ろして早22年の「BOWERY KITCHEN(バワリーキッチン)」。2000年代の東京カフェブームの立役者としてあまりにも有名な山本宇一さんが1997年にオープンさせた“東京の食堂”だ。お昼から深夜までいつでも同じものが食べられて、晴れの日も雨の日も、台風の日も雪の日も、変わらず迎え入れてくれる。2013年には歩いてすぐの場所にコーヒーが楽しめる「PRETTY THINGS(プリティシングス)」もオープン。90年代当時何もなかったというこの場所をなぜ選び、始めたのか。「お店は船のようなもの」と語る山本さんに創業時から変わらないというお店への思いについて話を聞いた。 文章:高山かおり 写真:山川哲矢 構成:芦野紀子 仮想しながら書き続けていた1冊のノート 1997年にオープンした「BOWERY KITCHEN」。当時山本さんは34歳で、飲食業の経験はほとんどなかったという。