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Courrierの検索結果41 - 80 件 / 221件

  • 本を溜め込んで読まない「Tsundoku」現象をスペイン紙が徹底解明 | 人が本を買い続けてしまう理由

    自宅で買い込んだ本を積み重ね、「いつか読む」つもりでいる「積ん読(つんどく)」。こうした習慣は世界どこでも共通のようで、スペイン「エル・パイス」紙は「Tsundoku」現象として紹介している。 同紙の取材に応じたアンドレア・アラゴンの自宅の本棚には、未読のまま置いてある本が30冊以上もあるという。だが、彼女はこれからも本を買い続けるつもりだ。 「本が積まれているのを見るのが好きなんです。縦に、横に、一緒に並んでいるのがいい。自分の本棚ができていくことに、ちょっとした興奮を感じる。本屋に行って、表紙やあらすじに惹かれて『買っちゃおう』となることはよくあります」

      本を溜め込んで読まない「Tsundoku」現象をスペイン紙が徹底解明 | 人が本を買い続けてしまう理由
    • カナダが「医療介助死」を世界最速のペースで実行できている理由 | 「尊厳ある死」を求めて

      「安楽死」「尊厳死」とも呼ばれてきた医療介助死が認められているカナダ。そのなかでも、世界に類を見ないペースで実施件数が増加しているのがケベック州だ。医療介助死をめぐる新法が採択されたばかりのケベックではいま何が起きているのか。英誌「エコノミスト」が現地を取材した。 サンドラ・デモンツィニーは、筋骨たくましかった父が若年性アルツハイマー病のせいで、ボロボロの抜け殻に様変わりするを目の当たりにした。 ひとたび病に冒されると、父はエネルギーを制御できず、歩いて壁にぶつかったり、あてどなく床を這いずり回ったりするばかりだった。父は53歳で亡くなった。死に顔には苛立ちの涙のすじができていた。 デモンツィニーは39歳のとき、父と同じ致死的な神経変性の病にかかっていると診断された。だが、父と同じ尊厳を奪われた死に方には甘んじまいと誓った。 そんな死に方はしないとわかって、いまは安心している。カナダのケベ

        カナダが「医療介助死」を世界最速のペースで実行できている理由 | 「尊厳ある死」を求めて
      • BYDが発表した急速充電技術で、EV競争に終止符は打たれたのか? | わずか5分で400キロ走れる充電が業界に激震を走らせた

        BYDは完全勝利なのか? テスラのライバルであり、ウォーレン・バフェットが支援する中国のBYDが、世界の自動車業界を揺るがした。BYDは新たな充電システム「スーパーEプラットフォーム」を発表。わずか5分間充電するだけで、400キロメートルの走行が可能になるという。 この発表により、BYDはEV業界におけるバッテリー開発競争の最前線に躍り出た。ガソリン車と同時間で充電を完了できるEVバッテリーの開発は、業界全体の課題となっていた。 これに先駆けて、数週間前、BYDは廉価版を含む大部分のモデルで、自動運転「レベル2+」相当の先進運転支援システム(ADAS)を標準搭載すると発表し、業界を驚かせたばかり。EVの開発競争で、BYDは完全勝利を宣言したと言えるのだろうか。 BYDの新技術とは? BYDが発表した新しいプラットフォームは1000キロワットの充電出力を持ち、最大1000アンペアに対応。これ

          BYDが発表した急速充電技術で、EV競争に終止符は打たれたのか? | わずか5分で400キロ走れる充電が業界に激震を走らせた
        • 戦前の「枢軸国」が国際的に孤立したのは“軍部の暴走”ではなかった | 「反共」を都合よく利用した外交官たち

          ※本記事は『日独伊三国同盟の起源 イタリア・日本から見た枢軸外交』(石田憲)の抜粋です。 都合よく使われた「反共」 1930年代の日本とイタリアにおける外交官が対外政策に関する反共主義の意味をどのように考えていたか、をまとめると、大別して以下の三つに分類できよう。 第一に、共産主義を対外政策上の阻害要因と規定する。これは国内問題として認識されてきた共産主義運動を国際的文脈に読み込み、たとえば自らの政策失敗に「共産主義の陰謀」論的解釈を付するものである。 第二に、戦うべき相手を策定する。これは一歩踏み込んで他国の「共産化」を防ぐため介入するという論理に利用される。 第三に、ともに戦う連帯者を探求する。そして国際的闘争の訴えは、新たな国際秩序の再編を目指す方向へと進んでいく。これら三点は、それぞれ国際連盟非難の方便、中国、スペインへの武力介入の正当化、反共的国際秩序形成に結びついている。 こう

            戦前の「枢軸国」が国際的に孤立したのは“軍部の暴走”ではなかった | 「反共」を都合よく利用した外交官たち
          • すべてが訪日の後押しに─日本を訪れるロシア人観光客、倍増の見込み | 無料のビザにルーブル高、そして桜…

            「暖かいコートに身を包み、毛糸の帽子をかぶった数百人が寒さにも負けず行列を作っている。彼らは有名人を見に来たわけでも、展覧会に来たわけでもない。彼らが求めているもの、それは日本のビザなのだ」 2025年3月20日、「ロイター通信」はビザを求めて在ロシア日本大使館の前に並ぶ人々の様子をそう伝えながら、日本を旅先として選ぶロシア人の大幅な増加を報じた。ヨーロッパ諸国とロシアとの緊張が高まるなか、ロシア人たちは新たな旅先を開拓している。 ロシア観光産業連合のドミトリー・ゴリン副会長は、「日本で休暇を過ごすロシア人の数は、2024年の10万人から今年は倍増するだろう」とロイターの取材に語る。その最大の理由として、「複雑なビザ手続きがなく、手頃な価格のフライトがあることだ」と説明する。 日本は現在、ロシア人観光客に対して無料のビザを発行しているほか、日本滞在中のホテル代の支払いを証明する書類の事前提

              すべてが訪日の後押しに─日本を訪れるロシア人観光客、倍増の見込み | 無料のビザにルーブル高、そして桜…
            • 英紙ベタ褒め! “踊る”日本大使・鈴木浩、今度は英国民の心をがっちり掴む | 一般市民が認める「世界で最も素晴らしい外交官」

              たとえば、3月1日、ウェールズの人々が水仙とリーキ(西洋ねぎ)で祝う「聖デイヴィッドの日」に合わせて投稿された動画で鈴木は、水仙を生けた花瓶を前に、伝統菓子「ウェルシュケーキ」を頬張る。完璧なタイミングで(ウェールズの象徴である)赤いドラゴンが描かれたマグカップで紅茶を一口飲み、最後に折り紙で作った水仙をアピールする。 Dydd Gŵyl Dewi Hapus! ???????????????????????????? pic.twitter.com/jeNHSdrYIK — Hiroshi Suzuki (@AmbJapanUK) March 1, 2025 これには、「英国らしさを心から受け入れている鈴木に、魅力を感じないことなど不可能だ」とテレグラフも絶賛。「国際的なパートナーシップに対して真面目くさった声明を出したり、公式行事にただ律儀に出席したりするのではなく、実直で、愛想良く、

                英紙ベタ褒め! “踊る”日本大使・鈴木浩、今度は英国民の心をがっちり掴む | 一般市民が認める「世界で最も素晴らしい外交官」
              • 米国で15年ぶりの銃殺刑─現場に立ち会った記者が綴る「その残酷な瞬間」 | 死刑囚の頭にフードが被せられ…

                銃殺刑が執行されたことを発表するサウスカロライナ矯正局のクリスティ・シェイン報道官。隣がAP通信のジェフリー・コリンズ。立ち会いが許された記者はコリンズを含めて3人だけだった Photo: USA TODAY Network via Reuters Connect 米南部サウスカロライナ州で3月7日、銃殺による死刑が執行された。米国での銃殺刑は2010年以来、15年ぶりだ。 処刑されたのは、ブラッド・シグモン死刑囚(67)。サウスカロライナでは現在、死刑囚に電気椅子、薬物注射、銃殺刑のいずれかの執行方法を選択させている。 2001年に元恋人の両親を殺害した罪で有罪判決を受けたシグモンは、薬物注射は死に至るまでに時間がかかる可能性があることを懸念し、銃殺刑を選択した。 その執行を取材したAP通信の記者ジェフリー・コリンズは、自分が目の当たりにしたことについて短いエッセイを書き、殺害の瞬間が「

                  米国で15年ぶりの銃殺刑─現場に立ち会った記者が綴る「その残酷な瞬間」 | 死刑囚の頭にフードが被せられ…
                • 「誰よりも愛しているから、新型コロナ後遺症のある僕と別れてほしい」 | だけど妻はとっくに前を向いていた

                  喜びも苦労も分かちあい支えあうと、結婚式で誓った。だけど思うように体が動かなくなったいま、妻を苦労させるくらいなら手を離すべきか──新型コロナによる深刻な後遺症に苦しみながら、筆者は思い悩む。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 元に戻らない体 「病めるときも健やかなるときも」という言い回しはロマンチックな響きを持つ。しかし、慢性疾患のある場合、話は変わってくる。 窓辺でアイスクリームトラックが来るのを待っていた。それ自体何の変哲もないことだが、僕は裸で、それは午前4時のことだった。 「あなた、何してるの?」。夜明け前のもやのなか、妻のローレンがそう尋ねた。「いや、何かが聞こえた気がして」と言ってベッドに戻る。いまはまだ幻覚を見たと認めるタイミングではないと考えなが

                    「誰よりも愛しているから、新型コロナ後遺症のある僕と別れてほしい」 | だけど妻はとっくに前を向いていた
                  • トランプ関税で株暴落のなか、資産を増やしていたのは…やはり「あの方」 | 「大損した」ビリオネア4人と、「勝ち残った」1人

                    ドナルド・トランプ米大統領による相互関税の発表を受けて、世界中の株式市場が混乱するなか、彼の経済界の盟友たちも損失を被っている。 トランプが各国への関税率を記したボードを掲げて「解放の日」を宣言したのは4月2日。その後の2日間で、世界の富豪トップ500人の資産は計5360億ドル(約79兆円)も消えた。 そのなかでも、トランプを支援したり1月の大統領就任式に出席したりした、彼の「お仲間」大富豪たちの資産はかなり減少している。

                      トランプ関税で株暴落のなか、資産を増やしていたのは…やはり「あの方」 | 「大損した」ビリオネア4人と、「勝ち残った」1人
                    • チャットボットとの頻繁な対話で孤独は軽減、それとも悪化? 意外な結果 | ボットを「友達」「恋人」とみなして大丈夫?

                      ChatGPTは全世界で約4億人のアクティブユーザーを持ち、個人的な相談や対話目的で利用する人は、日ごとに増加している。 いったいチャットボットは人々の幸福にどのような影響を与えるのか? これについてOpenAIとマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが実施した新しい研究が注目を集めている。 同研究では、チャットボットの使用頻度や時間と孤独感の深まりに相関関係があることなどが明らかになった。それについて米誌「フォーチュン」や「ビジネス・インサイダー」などが報じている。 一部の研究ではチャットボットとの対話が孤独の軽減に役立つ可能性が示唆されているが、同研究では「全体的に、毎日の使用頻度や時間が長いほど、孤独感、依存心、問題のある利用が増加する傾向」がみられた。

                        チャットボットとの頻繁な対話で孤独は軽減、それとも悪化? 意外な結果 | ボットを「友達」「恋人」とみなして大丈夫?
                      • 米紙の分析「トランプ関税は自由貿易に打撃を与えるが、致命的ではない」 | 相互関税は「命取りにならない」と経済学者らが指摘

                        ドナルド・トランプ米大統領が発表した相互関税の衝撃が世界を混乱に陥れている。米国経済の規模と、世界貿易におけるその中心的役割を考えれば当然だろう。 さらに言えば、米国自らが旗振り役となってきた自由貿易体制をぶち壊そうというのだから、残された国々が面食らうのも無理はない。

                          米紙の分析「トランプ関税は自由貿易に打撃を与えるが、致命的ではない」 | 相互関税は「命取りにならない」と経済学者らが指摘
                        • 人が人間よりも「AIのボット」を愛してしまうのは、何もおかしくない | 猫や神を愛することと根本は同じ

                          AIとの恋は浮気になるのか アイリンの血の通ったボーイフレンドは夫のジョーだが、何千マイルも離れた場所にいる。 20代前半にウォルマートで一緒に働いていたときに出会い、最初のデートからわずか1年後の2018年に、二人は結婚した。ジョーは相手を甘やかすのが好きな人で、アイリンによく朝食を作ってくれたという。二人で犬を育て、ペットのカメを飼い、一緒にテレビゲームをして遊んだ。幸せだったが、もろもろの請求書を支払うのに充分な収入がない。経済的なストレスを感じていた。 海外にいる家族から、自分たちと一緒に住むなら看護学校の学費を払ってあげると、アイリンは提案された。節約するために、ジョーも自分の両親の住む家に引っ越すことになった。経済的に安定した未来のためなら、2年間離れていてもやっていけるだろうと二人は考えた。 アイリンとジョーはメッセージでやりとりすることが多い。そして、レオというAIのボーイ

                            人が人間よりも「AIのボット」を愛してしまうのは、何もおかしくない | 猫や神を愛することと根本は同じ
                          • 30歳差で愛しあった彼が、私に向かって最後に言い放ったひとこと | 短くも濃い日々の果てに残ったものは…

                            祖母と孫ほどの年齢差がある男性に惹かれた筆者。二人の距離は徐々に縮まり、その関係は分かち難いものになっていく。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 私は彼の両親より年上 エレベーターから出てきた彼は、そのまま私の人生に踏み込んできた。デザイナーズジーンズに包まれたスラリと長い脚。その笑顔、その髪、そしてその身体──ああ、その身体といったら。 きっかけは、彼の貸し倉庫の広告を見た私が連絡したことだった。本来なら5分で終わる関係だったのに、気づけば8時間に。いや、正確には、その後8ヵ月間を彼と一緒に過ごすことになる。 当時の私はトロントを拠点に、ライターとジャーナリストとして活動していた。彼はイランから留学中の医学生。イスラム教徒で、私よりもずっと若かった。その年齢差と

                              30歳差で愛しあった彼が、私に向かって最後に言い放ったひとこと | 短くも濃い日々の果てに残ったものは…
                            • トランプ関税のせいで、中国発「輸出の津波」が世界中を襲うかもしれない | 止まらない工場建設、落ち込む消費

                              住宅を捨て工場へ 数十年にわたり、世界最大の自動車工場はドイツ・ヴォルフスブルクにあるフォルクスワーゲンの工場だった。それが現在では、中国の電気自動車メーカーBYDが、ヴォルフスブルクの2倍の生産能力を持つ工場を中国国内に2つ建設中だ。 中国人民銀行の最近のデータによると、過去4年間で国有銀行は産業部門への融資を1.9兆ドル(約285兆円)増やしている。中国各地の都市周辺では、昼夜を問わず新工場が建設され、既存の工場もロボットや自動化でアップグレードされている。 こうした中国の製造業への投資が、世界中で工場閉鎖や失業を引き起こしかねない「輸出の波」を生み出しているのだ。バイデン政権下で米国通商代表部の代表を務めたキャサリン・タイは、「この津波は、どの国にも襲いかかるだろう」と予測する。

                                トランプ関税のせいで、中国発「輸出の津波」が世界中を襲うかもしれない | 止まらない工場建設、落ち込む消費
                              • 史上最長「25時間5分の演説」議員が排尿を我慢するためにしていた壮絶準備 | 専門家「泌尿器科にかかるべき」

                                2025年3月31日夜、ニュージャージー州選出の米民主党上院議員コリー・ブッカーは、ドナルド・トランプとその政権が米国に与えた悪害を糾弾するため、演台に立った。 「我が国は危機に瀕している」と訴え、トランプ政権発足から71日間の経済的混乱に、大量解雇、専制的行為を非難した。ブッカーの演説は25時間5分間続き、米上院史上最長の演説となった。 多くの人が、心を奮い立たせるブッカーの政治的行為を称賛した。だが、なかには彼の身体的偉業に感銘を受けた人もいた。 彼は演説中、25時間以上にわたって一度もトイレに行っていないのだ(ブッカーの代理人は、米オンラインメディア「TMZ」に対し、スピーチ中、ブッカーはオムツもしていなかったことを認めている)。 その後、ブッカーは記者団に対し、この演説のために何日もかけて絶食し、意図的に脱水症状を起こしたと語った。 「たしか金曜日には食事を止め、(演説の始まる)月

                                  史上最長「25時間5分の演説」議員が排尿を我慢するためにしていた壮絶準備 | 専門家「泌尿器科にかかるべき」
                                • トランプの“脅し”の陰で… 中南米諸国で高まる中国の存在感 | 米国の懲罰的なアプローチの限界か

                                  Text by Adam Jourdan, Lisandra Paraguassu, Eduardo Baptista and Michael Martina リバタリアン(自由至上主義者)として知られるアルゼンチンのミレイ大統領は2023年の大統領就任時に中国を共産主義の「暗殺者」と呼び、対中関係の見直しを示唆していたが、実際にはミレイ政権の1年目にアルゼンチンは大豆やリチウムなどの対中輸出が15%も増加した。 本来は米国の同盟国であるアルゼンチンのこうした実利重視の政策転換は、トランプ米大統領の対南米政策の課題を浮き彫りにしている。豊富な天然資源を抱える南米諸国では近年、コモディティー(1次産品)ブームを追い風に中国の影響力が高まっている。 一方でトランプ政権は脅しや関税をテコに貿易相手国に対して米国の利益になるような条件を飲ませようとしている。既にコロンビア、パナマ、メキシコに譲歩を

                                    トランプの“脅し”の陰で… 中南米諸国で高まる中国の存在感 | 米国の懲罰的なアプローチの限界か
                                  • 「国際連盟は共産主義」という陰謀論が戦前日本をますます孤立させた | 制裁に対する便利な“怒りの矛先”

                                    ※本記事は『日独伊三国同盟の起源 イタリア・日本から見た枢軸外交』(石田憲)の抜粋です。 日本の連盟赤化論 日本外務省は、国際連盟が展開した1931年の対中国政策、イタリア外務省は1935年の連盟による対伊制裁をめぐって、ともに厳しい対応を迫られた。脱退による孤立と経済制裁による包囲をそれぞれ経験した日伊両国は、どのように国際連盟を非難したのか。 連盟を攻撃する論理の中で、重要な要素を占めたのが、「共産主義の陰謀」論であった。以下、両国外務省の政務型、交渉型双方が提示した論拠とその傾向を考察していく。 1933年3月に連盟脱退を通告した日本は、その後も技術・経済・金融分野で中国への援助を進める国際連盟に神経を尖らせていた。 当時の外務次官重光は、連盟における公衆衛生のテクノクラートであったライヒマンを名指しで「共産分子」として糾弾し、彼が後には中国政府の顧問となり、「最も効果的に……政府の

                                      「国際連盟は共産主義」という陰謀論が戦前日本をますます孤立させた | 制裁に対する便利な“怒りの矛先”
                                    • 「全米一予約が取りにくいレストラン」CIA本部の“社食”に潜入してみた | あのスパイ組織でランチを堪能

                                      米紙「ワシントン・ポスト」の著名レストラン評論家が、CIA本部にある職員専用の食堂にお邪魔した。トランプ政権に解体される(あるいはロシアに売られる)前に、世界最強のスパイ組織の料理と、そのミステリアスな雰囲気を味わった。 ドアの表示は「ADR #2」 米国で最も予約が取りにくいレストランは、首都ワシントンの郊外にある。大学のキャンパスのような敷地に立つ、巨大なコンクリートとガラス張りの建物の7階にあるダイニングルームだ。 入口のドアには「ADR #2」とだけ表示されており、清掃用具の倉庫と見間違ってもおかしくない。 店内では、ファーストネームで呼ばれるシェフが高品質な食事を提供し、支払いは現金のみ。労働者階級にも優しい手頃な価格で、スープは1杯4ドル、チップは不要。営業はランチの時間帯だけで、携帯電話は禁止されている。 ここはワシントンに隣接するバージニア州ラングレーにあるCIA(米中央情

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                                      • 三宅香帆さんが推薦する「読んでおくべき名著3選」 | 3月の本棚|プレミアム会員なら毎月3冊が無料で読める

                                        プレミアム会員は3冊が無料で読める「今月の本棚」。3月の推薦人は文芸評論家の三宅香帆さん。小説や古典文学やエンタメなど幅広い分野で、批評や解説を手がけている三宅さんがオススメするのはこの3冊です。 『真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960』 池上彰、佐藤優 三宅香帆さんの推薦文 なぜ戦後日本の左派思想は「内ゲバ」になって一度挫折してしまったのか? という問いについて、実際に学生運動に遭遇した経験もある佐藤優と池上彰が歴史的に語った一冊。 特に学生運動については現在タブーとなってしまい、青春の一コマのような側面でしか語られなくなってしまったが、本書のように正面から思想や集団のあり方について説いた本は、本当に貴重であると感じる。 日本の組織や法令遵守の姿勢についても深い示唆を与えてくれるので、どんな人が読んでも面白いだろう。 『日本人のための漢字入門』 阿辻哲次 三宅香帆さんの推

                                          三宅香帆さんが推薦する「読んでおくべき名著3選」 | 3月の本棚|プレミアム会員なら毎月3冊が無料で読める
                                        • 国民を何万人も殺してきたドゥテルテは、なぜいまになって捕まったのか | 「政治」によってしか動けないICC

                                          3月11日、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領がフィリピン警察によって逮捕された。膨大な数の死者を出した「麻薬戦争」による人道に対する犯罪の疑いで、国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出していた。 香港からマニラ空港に到着したところを拘束されたドゥテルテは、ICCの本部があるオランダのハーグへ移送されている。英誌「エコノミスト」によれば、彼が逮捕されると何百人もの支持者が集まり、「英雄であるフィリピンの元大統領は正当な手続きを受けずに連れ去られた」と抗議したという。 一方で、国際メディア「カンバセーション」は「これは少なくとも数千、あるいは数万人に及ぶ超法規的殺人の犠牲者の遺族にとって、正義への一歩となる」と報じた。

                                            国民を何万人も殺してきたドゥテルテは、なぜいまになって捕まったのか | 「政治」によってしか動けないICC
                                          • 「日本の匠をまねて職人を量産せよ」中国政府が掲げるピント外れの若者対策 | 「笛吹けども踊らず」とは、まさにこのこと

                                            若者の失業率が問題となっている中国では、政府がさまざまな政策を打ち出しているが、どれも時代に合わないものばかり。シニア世代の指導部が考えることは若者から総スカンを食らっていると、中国社会に詳しい作家の譚璐美氏は指摘する。 2035年までに「技術立国」 近年、経済不況が長引く中国では、若者層の失業率が16%を超えている。有名大学を卒業しても、フードデリバリーの仕事で食いつなぎ、特殊詐欺事件に巻き込まれるケースが後を絶たない。無気力になって毎日ぼんやり過ごす「寝そべり族」も少なくない。 そうした若者向けに、中国政府はあの手この手で対策を試みるが、どうもピントがずれているようだ。 たとえば、中国国務院は1年半ほど前に、「産業労働者の隊列による改革の建設を深化させる意見」なるものを提出した。社会主義的な堅苦しい文言で実にわかりにくいが、早い話が、大学など行かずに中卒程度でよいから、技術を身につけた

                                              「日本の匠をまねて職人を量産せよ」中国政府が掲げるピント外れの若者対策 | 「笛吹けども踊らず」とは、まさにこのこと
                                            • 米国の軍事機密情報をなぜか共有された一般誌の編集長が一部始終を明かす | デマかと思いきや本当だった…

                                              米国が3月15日にイエメンの親イラン武装組織フーシ派を攻撃する直前に、その計画が米一般誌「アトランティック」の編集長にも誤って共有されていた──。 お粗末すぎるこの事件の詳細を編集長ジェフリー・ゴールドバーグ自らがスクープ記事として3月24日、同誌に掲載し、世界中に波紋が広がっている。 ゴールドバーグは、フーシ派への攻撃が始まる2時間前に、ピート・ヘグセス国防長官からこの攻撃計画についてメッセージを受け取っていたと書いている。その計画には、武器一式、標的、タイミングといった正確な情報が含まれていた。 しかしなぜゴールドバーグは、国防長官からそんな重要な情報を受け取ることになったのか。 3月11日、ゴールドバーグは、セキュリティレベルが高いことで知られるメッセージアプリ「シグナル」上で、マイケル・ウォルツという名のユーザーからつながりリクエストを受けた。 そのマイケル・ウォルツなる人物は、ド

                                                米国の軍事機密情報をなぜか共有された一般誌の編集長が一部始終を明かす | デマかと思いきや本当だった…
                                              • 400年の郵便の歴史に幕… 手紙の配達「廃止」のデンマークが進む未来 | 郵便物の減少、民営化、高額の切手

                                                デンマークの国営郵便サービス「ポストノルド」が、2025年3月6日、手紙の配達の廃止を発表した。 米「AP通信」によると、ポストノルドは2025年いっぱいで手紙の配達サービスを廃止し、小包の配達に専念するという。デンマーク全土にある約1500の郵便ポストも年内に撤去され、手元の切手は払い戻しに応じる。 デンマーク紙「ポリティケン」は、「かつて、住民と郵便配達員はファーストネームで呼び合う親しい間柄だった。おしゃべりをしたり、ときにはキッチンで一緒にコーヒーを飲んだりすることもあった」と懐かしみながらも、「この展開は自然なことだと言える」と伝える。

                                                  400年の郵便の歴史に幕… 手紙の配達「廃止」のデンマークが進む未来 | 郵便物の減少、民営化、高額の切手
                                                • “破壊神”トランプだけの悲願ではない、「教育省廃止論」の短くて長い歴史 | 子供への影響は未知数

                                                  公約の目玉 ドナルド・トランプ米大統領はかねてより「教育省廃止」を掲げてきた。2025年3月3日に上院にて正式に承認されたリンダ・マクマホン教育長官に与えた明確な任務は、「マクマホン自身を失職させること」だった。 トランプは政府効率化に取り組んでおり、さまざまな政府機関やその人員を削減しようとしている。 それはしばしば、政権内や自陣営からも「やりすぎではないか」という懸念や批判を呼んでいる。直近では、政府効率化省トップのイーロン・マスクとマルコ・ルビオ国務長官らが人員削減をめぐって閣議で口論になったことも報じられた。 教育省廃止という公約は、この効率化政策の一環であることは、部分的には間違いない。しかし、教育省廃止論は、“破壊神”トランプがいきなり言い出したものではない。それはむしろトランプ登場前からずっと、米国の保守派の悲願だったのだ。 誕生の瞬間から「廃止」の提唱 米国の教育省の歴史は

                                                    “破壊神”トランプだけの悲願ではない、「教育省廃止論」の短くて長い歴史 | 子供への影響は未知数
                                                  • 子供たちに20ドルあげて、「これで人に親切にしてきて」と言ったら… | 彼らが見せた「十人十色の親切」

                                                    妹を偲び、未来を育むために クリスティナ・ウルマー(42)の妹、ケイティはウェイトレスだった。2014年10月、仕事を終えて数時間後に、彼女は交通事故で亡くなった。29歳だった。 姉のウルマーと両親はフィラデルフィア北東部の事故現場に呼ばれ、そこでケイティの財布を受け取った。中には、彼女がその日仕事で稼いだ100ドル以上のチップが入っていた。 「ケイティは本当に優しい人で、『このお金は人に親切にするために使われるべきだ』と思ったことを覚えています」とウルマーは言う。「長い間、ケイティを偲ぶためにこのお金で何ができるか考えていました」 2018年、ウルマーはある考えに落ち着いた。彼女はペンシルバニア州の高校で英語教師をしており、当時は未来のディストピアを描いたレイ・ブラッドベリの小説『華氏451度』を授業で教えていた。 「この作品は、(読書を禁じられた)人々がスクリーンに釘付けになり、共感力

                                                      子供たちに20ドルあげて、「これで人に親切にしてきて」と言ったら… | 彼らが見せた「十人十色の親切」
                                                    • ミシェル・フーコーが身体を張りまくって示した「知識人のあり方」 | 実験し、逮捕され、国外追放され…

                                                      ※本記事は『ブルデュー 闘う知識人』(加藤晴久)の抜粋です。 おとなしくない知識人 全体的知識人と対比的にフーコーが「種的知識人」l’intellectuel spécifiqueという類型を提唱した。spécifiqueとは生物のespèce「種」にかかわるという意味の形容詞だが、そこから「特殊な」「固有の」という意味でも使われる。 全体的知識人のように、万人の良心として普遍的諸価値を説いて範を垂れるのではなく、それぞれ専門の領域において獲得した専門的知見を個別的な領域(住宅、病院、精神病院、刑務所、研究所、大学、家族関係、ジェンダー関係など)で生かすという形でのアンガージュマンをおこなう人々である。 フーコーが70年代初めに主導した刑務所情報グループGroupe d’information sur les prisons GIPの活動はこの種的知識人としてのアンガージュマンの代表例であ

                                                        ミシェル・フーコーが身体を張りまくって示した「知識人のあり方」 | 実験し、逮捕され、国外追放され…
                                                      • 空港の奇妙な心理学 なぜフライト前に様子がおかしくなる人がいるのか | ヨガをしたり泥酔したり…

                                                        空港は国と国の「境界」であり、異なるタイムゾーンの間にあるという意味では、時間さえ超えてしまう場所とも言える。そんな特異な場所である空港が人間の心に及ぼす奇妙な影響について、心理学者が考察した。 いきなり「常識」を忘れる人たち 空港や飛行機内では、しばしば普通ではない行動や、時には反社会的とさえ言えるような振る舞いを目にすることがある。床で眠ったり、フライト情報表示板の前でヨガをしたりといった無害なものから、朝っぱらから飲んだくれて口論をする、飛行中にドアを開けようとするといった深刻なものまで、程度もさまざまだ。 近年、機内での迷惑行為や目的地外での着陸とともに、こうした悪質なケースが増加傾向にある。それによって、空港や機内でのアルコールの販売を制限したり、禁止したりする向きもみられるようになった。たとえば、アイルランドの格安航空会社「ライアンエアー」は、酩酊に起因する機内での問題を防ぐた

                                                          空港の奇妙な心理学 なぜフライト前に様子がおかしくなる人がいるのか | ヨガをしたり泥酔したり…
                                                        • 「女子スポーツ保護」を掲げるトランプ政権 その政策はトンチンカン | 焦点はトランスジェンダー女子選手の締め出しのみ?

                                                          トランプ政権は「女子スポーツ保護」を重要課題として掲げている。 トランプは大統領に就任してすぐに、トランスジェンダー女性の競技参加を禁止する大統領令を発令した。 その署名の際には、ホワイトハウスの公式謁見室に、スポーツに関わる多数の女児や大学アスリートらを招いて写真撮影をおこなうなど、トランプは自らを「女子アスリートの擁護者だ」と声高に主張している。

                                                            「女子スポーツ保護」を掲げるトランプ政権 その政策はトンチンカン | 焦点はトランスジェンダー女子選手の締め出しのみ?
                                                          • リンダ・グラットン「『ワーク・シフト』で予測した2025年を迎えて」 | いまだから聞きたいことをインタビュー

                                                            予測した2025年を迎えて ──グラットンさんは、著書『ワーク・シフト─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』(2012年)で2025年の働き方を予測しました。2025年を迎えたいま、どの点が予測より進んだと思いますか。また、どの点が予測に反して進まなかったでしょうか。 未来を一本道で予測するのはもちろん簡単ではありません。だから『ワークシフト』で私は、ポジティブなシナリオとネガティブなシナリオを想定しました。 ポジティブなシナリオは、みんなの力で大きな仕事をやり遂げるコ・クリエーション、社会への積極的な関与、ミニ起業家の活躍が進むというものです。 ネガティブなシナリオは、社会が断片化し、人々が孤立し、疎外が進むというものです。 悲しいことに、私はポジティブなことよりもネガティブなことを予測するのに長けていたようです。あの本を書いた当時でも、断片化、孤立、疎外が進みつつありま

                                                              リンダ・グラットン「『ワーク・シフト』で予測した2025年を迎えて」 | いまだから聞きたいことをインタビュー
                                                            • 「新しい自分になるために、まずは小さな行動から変えていきましょう」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                                              【今回のお悩み】 「誰も自分のことを知っている人がいない新しい環境で、新しい自分になろうとするのに、すぐにいつもの自分になってしまいます。どうしたら、自分の行動(発言)を変えることができますか?」 入学・入社など、新しい生活が始まる4月。新しい環境に飛び込むのはちょっと緊張するけれど、「新しい自分」になって対人関係を一から築くチャンスでもあります。ところが、最初は張り切ってみるものの、時間が少し経つと結局いつもの自分に戻っている。どうしたら、自分を変えることができるのでしょうか? アドラー心理学に詳しい岸見一郎先生に聞いてみました。 入学や入社など新しい環境に入ることを不安に感じる人は多いでしょう。部署の移動、転勤なども、仕事が変わるだけでなく、新しい対人関係を築く必要があると思うと不安にならずにはいられません。 とはいえ、誰もが不安になるわけではありません。むしろ、新しい環境に期待を抱い

                                                                「新しい自分になるために、まずは小さな行動から変えていきましょう」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                                              • グリーンエネルギーに走るなか、“地球の裏側”のことは顧みられているか | 特需に沸く業界が地元に背負わせる代償

                                                                消えた水 4400メートルを超えるペルーのアンデス山脈に位置するコントンガ湖の湖岸には、冷たい風が吹きつけていた。この付近にあるチャルウアヤコ村のフリオ・リマク・デミアンは、足元の泥を指さしながらこう言った。「昔はここまで水があり、村まで流れてきていました」 低地にある村と湖をつなぐ運河もまた干上がっていた。デミアンによると、採掘会社がペルー高地で試掘を開始した2年前から、水が消えてしまったのだという。 「これは私たちにとって悲劇です。私たちはその水を利用して生きていました」とデミアンは語る。 コントンガ湖の向かいには、世界最大級の亜鉛鉱山であるアンタミナがある。露天掘りでは銅、銀、鉛、モリブデンも産出し、BHPビリトン、グレンコア、テック・リソース、それに日本の三菱など世界の鉱業会社が出資した多国籍企業により操業されている。 筆頭株主のグレンコアはスイスに拠点を置く企業で、世界の鉱物市場

                                                                  グリーンエネルギーに走るなか、“地球の裏側”のことは顧みられているか | 特需に沸く業界が地元に背負わせる代償
                                                                • 大塚友美・トヨタ自動車CSOに聞く「ウーブン・シティと水素戦略」 | トヨタが描く未来とは

                                                                  トヨタのウーブン・シティがついに今秋以降に動きはじめる。世界のEV市場が減速するなか、2024年も世界販売台数首位を守ったトヨタだが、ウーブン・シティや水素戦略をはじめとする脱炭素戦略の本意はどこにあるのか。トヨタ自動車の大塚友美CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)に話を聞いた。 ──ウーブン・シティの実証が秋以降にはじまります。トヨタがウーブン・シティを通して成し遂げたいことはどんなことでしょうか。また、優先事項の一つに掲げるサステナビリティとの関わりについても教えてください。 ウーブン・シティは「モビリティのためのテストコース」です。ヒト、モノ、情報、エネルギーのモビリティに関する課題の解決策など、世の中のサステナビリティに資する技術やサービスの開発をするといった新しい価値を創出できる場所にしていこうと思っています。 たとえば、水素については現在、モータースポーツの現場で水素

                                                                    大塚友美・トヨタ自動車CSOに聞く「ウーブン・シティと水素戦略」 | トヨタが描く未来とは
                                                                  • アルゼンチン大統領ハビエル・ミレイ「国家は最悪なお金の使い方をする」 | 国家を縮小したい理由

                                                                    ハビエル・ミレイは異色の大統領である。取材を申し込むと、本人から直接、音声メッセージとともにサムズアップする本人の絵文字が送られてきた。ミレイは、ドナルド・トランプが米大統領選で勝利した後、最初に面会した外国の国家元首だ。イーロン・マスクとも頻繁に意見交換をしているという。 いまや経済再建や官僚制打破の分野で一大スターとなっているのだから、そこには何の不思議もないだろう。トランプはミレイを気に入ったようで、次のように評している。 「短期間で見事な仕事をやってのけている。『アルゼンチンを再び偉大な国にする』は、いい調子で進んでいるな」 かつてミレイを不出来な学生のように扱っていた国際通貨基金(IMF)ですら、いまは手のひらを返したかのように彼を褒めたたえているのだから、まったくもって滑稽な話だ。 「緊縮財政計画を掲げて選挙運動をして、その計画をそっくりそのまま実行した政治家が、ほかに誰か思い

                                                                      アルゼンチン大統領ハビエル・ミレイ「国家は最悪なお金の使い方をする」 | 国家を縮小したい理由
                                                                    • トランプ「冗談じゃなく3期目」に意欲 「憲法の抜け穴」はどこにあるのか | 終身独裁制への第一歩か

                                                                      「いかなる者も大統領職に2回を超えて選出されてはならない」──米合衆国憲法修正22条にはそう明記されている。 米国大統領は2期8年以上を務めてはいけないと、憲法で明確に禁じているのだ。 だがドナルド・トランプ大統領は「3期目」に意欲を見せ、それを実現するための複数の計画がすでに動きだしていると示唆した。 バンス副大統領を利用するシナリオとは トランプは3月30日、米「NBC」ニュースの電話インタビューで、「多くの人が私にそれを望んでいる」と述べ、3期目を狙う可能性を否定しなかった。 憲法で禁止されていることを踏まえ、それを実現させるための具体的な計画はあるのかと、NBCのキャスターが質問すると、トランプは「方法はいくつもある」と答えた。 さらにキャスターが、2028年の大統領選でJ・D・バンス副大統領を当選させ、「バトンをもらうことか」と詰め寄ると、トランプは「それも一つの手だが、ほかにも

                                                                        トランプ「冗談じゃなく3期目」に意欲 「憲法の抜け穴」はどこにあるのか | 終身独裁制への第一歩か
                                                                      • 世界で入院するともっとも美味しい病院食がでてくるのはどの国? | 病院食を比較すると文化の違いも見えてきた!

                                                                        病院食を比較すると文化の違いも見えてきた! 世界で入院するともっとも美味しい病院食がでてくるのはどの国? ドイツのドレスデンにある病院で支給されたランチ Photo by Sebastian Kahnert/picture alliance via Getty Images

                                                                          世界で入院するともっとも美味しい病院食がでてくるのはどの国? | 病院食を比較すると文化の違いも見えてきた!
                                                                        • 世界のどこでも、地産地消のサーモンを 業界注目ベンチャーの海外戦略 | 「生まれながらの魚好き」元商社マンが挑む世界市場

                                                                          海洋環境の変化や人口増加に伴い、養殖業の重要性が高まっている。多くの企業が同事業に参入するなか、海外需要が高まるサーモンの閉鎖循環式・陸上養殖において、世界初の収益化を目指すベンチャー企業・FRDジャパンが業界内で注目を集めている。前回に引き続き、同社CEOで「とにかく魚好き」だという元商社マン・十河哲朗に、海外進出に向けた戦略を聞いた。 ベンチャーなのに、世界を目指すワケ ──ベンチャー企業であるにもかかわらず、世界を見据えた経営方針を発表していますね。なぜですか? 日本のサーモンマーケットは世界的に見ても大きいですが、将来性の面では海外に劣る部分もあります。日本と比べ現時点では規模は劣るものの、海外マーケットは今後数年間で日本を超える可能性のある地域がたくさん出てきています。 こうしたポテンシャルの高いエリアに僕たちのサーモンを参入させることで、国内のみでは実現できないような事業拡大が

                                                                            世界のどこでも、地産地消のサーモンを 業界注目ベンチャーの海外戦略 | 「生まれながらの魚好き」元商社マンが挑む世界市場
                                                                          • スペイン人記者が考える「日本にもう一度戻るべき9つの理由」 | 日本ブームが止まらない!

                                                                            円安の影響も後押しして、世界で日本が大人気の旅行先となっている。スペイン「エル・パイス」紙の記者は、「京都のような名所での混雑が問題になりはじめている」と指摘しながらも、「日本は驚きに満ちた独特な国であり、その個性は周囲のどの国とも異なっている」と称賛。そこで、スペイン人から見た9つの日本の魅了を紹介する。

                                                                              スペイン人記者が考える「日本にもう一度戻るべき9つの理由」 | 日本ブームが止まらない!
                                                                            • パリ協定採択の直前、ビル・ゲイツは世界を変えようと本気で動いていた | 気候テクノロジーへの資金提供を止めないために

                                                                              研究開発を重要視する人が少ないのは、それなりの理由があるからだ。2006年から2011年にかけて、電気自動車やバイオ燃料をはじめとする新しい気候テクノロジーへの資金提供が試みられたものの、期待外れに終わった。金融危機の影響を受けたベンチャーキャピタルは、その5年間でクリーンテックに投資した250億ドルの半分以上を失った。 ゲイツのチームが事後分析を行った結果、原因はテクノロジーの規模拡大を図れなかったからではなく、クリーンテック企業が採用したシリコンバレーのインターネット関連スタートアップの資金調達モデルが、この新しい分野には適していなかったからだとわかった。 フェイスブックやTwitter(X)のように短期間で市場に投入され、その後改良が加えられるテクノロジーとは異なり、気候変動関連のスタートアップが開発するテクノロジーは、商業利用できるところまで成熟するのに多くの時間を必要とする。 し

                                                                                パリ協定採択の直前、ビル・ゲイツは世界を変えようと本気で動いていた | 気候テクノロジーへの資金提供を止めないために
                                                                              • トランプの「相互関税」の計算式に世界中の専門家が愕然とした理由 | 日本に対する関税はなぜ24%?

                                                                                米国のドナルド・トランプ大統領が打ち出した「相互関税」が世界経済を混乱に陥れている。日本に対しては24%の関税が課されるが、その税率は何を根拠に算出されたのか。英紙「ガーディアン」の経済上級特派員リチャード・パーティントンが、その計算式の問題性をわかりやすく分析する。 ドナルド・トランプは、ホワイトハウスのローズガーデンで大きなフリップにした表を振りかざしながら、自身の新たな関税案はシンプルだと主張した。 「相互とは、相手がわれわれにやっていることをわれわれも相手にやるという意味だ。すごいシンプル。それ以上シンプルにはなりえない」 おそらく、少しシンプルすぎる話かもしれない。国際的な貿易や政治・経済で最も重要な数字を計算するために使われた方法は、世界をリードする専門家たちを愕然とさせた。 ホワイトハウスは、各国に対する自国の物品貿易赤字を調べ、その数字を輸入品の総額で割った。しかしトランプ

                                                                                  トランプの「相互関税」の計算式に世界中の専門家が愕然とした理由 | 日本に対する関税はなぜ24%?
                                                                                • 英誌が報じる「日韓の兵器メーカーの台頭」─売上高で欧州を上回る | 国内外の需要が後押し

                                                                                  世界の機運に乗って 3月、韓国の防衛産業業界幹部と政府関係者の一団が、カナダの首都オタワを訪れた。カナダ軍向けに、榴弾砲やロケットランチャー、潜水艦を売り込むためだ。 世界的な再軍備ラッシュに乗じている東アジアの国は、韓国だけではない。日本の軍需企業にも熱心な買い手が集まっている。 日本と韓国は現在、防衛産業が最も急速に成長している国だ。両国の防衛関連企業の売上高は合計で630億ドルにのぼり、2022年から25%増加しているほか、欧州のそれを上回ってもいる。米国の大手兵器メーカーの売上高は合わせて2000億ドルを超えており、依然として他国を大きく上回ってはいるが、2022年以降の成長率は15%にとどまる。 日本と韓国の防衛産業が好調な理由のひとつは、長らく兵器の純輸入国であった両国の政府が、自国の領土を守るために米軍に頼るのではなく、国産の兵器を増やしたいと考えるようになったことだ。日本3

                                                                                    英誌が報じる「日韓の兵器メーカーの台頭」─売上高で欧州を上回る | 国内外の需要が後押し