ECがもたらした製造業における物流機能の変化 この20年間で製造業に訪れた大きな変化の一つとして「EC(Eコマース)」というキーワードを上げても異論はないと思う。あらゆる物がECで買える時代になり、既存の流通チャネルへの配慮から、表向きは「ECで販売していない」ことになっている企業でさえ、実際にはアマゾン(Amazon.com)などで販売しているケースも増えている。 また、在庫を持たないEC型ビジネスモデルの浸透により、メーカーへの発注データは、1つの明細で10個や20個といった複数個の注文から、1明細につき1個のECオーダー単位へと細かくなっている(図2)。その昔、小売店の在庫を買っていた時代は、メーカー側に販売物量の波動が直接伝わることは少なかった。しかし今は、消費者の購買波動がダイレクトにメーカー側に伝わるようになった。これは、サプライチェーン上の在庫ポイントがメーカー側に集約された