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Febriの検索結果161 - 200 件 / 322件

  • 「中国アニメ」のイメージを塗り替える! 『時光代理人 -LINK CLICK-』黒﨑静佳プロデューサーインタビュー① | Febri

    ――『時光代理人 -LINK CLICK-(以下、時光代理人)』は中国で今もっとも勢いがある作品のひとつとのことですが、中国本国や日本以外の国々ではどれぐらいの人気があるのでしょうか? 黒﨑 bilibili動画では2021年4月の配信開始から4カ月で1.6億回再生を超えて、その年いちばんのヒット作といわれています。世界最大級のアニメ・マンガコミュニティ「MyAnimeList」でも全世界のアニメ作品のトップランキングで21位にランクインするなど、中国アニメとしては過去一番の高評価を得ているタイトルと言えるのではないかと思います。 ――黒﨑さんが日本版プロデューサーとして『時光代理人』を日本で放送したいと思ったきっかけはどんな部分だったのでしょうか? 黒﨑 bilibiliが毎年秋頃に行っている翌年のアニメラインナップ発表会で流されたPVが最初の出会いだったのですが、PVの構成がすごく良く

    • 自分と違う存在に対する思いやりと寛容さ 監督が映画『窓ぎわのトットちゃん』に込めた思い③ | Febri

      黒柳徹子の自伝的小説をアニメーションで描いた映画『窓ぎわのトットちゃん』。監督・脚本を努めた八鍬新之介(やくわしんのしけ)に、作品に込めた思いやこだわりを尋ねてきたインタビュー連載の最終回は、劇中で異彩を放つ4つのシーンに注目しつつ、作品が公開された現在の心境を語ってもらった。 ――劇中には、序盤、中盤、終盤のそれぞれに印象的な3つの空想シーンが配置されています。これらはどうやって生み出されたのでしょうか? 八鍬 日常シーンが続く作品ですから、どこかでお客さんの心が解放されるような非日常なシーンが欲しいなとは思っていたんです。序盤の「電車シーン」は、トットちゃんがトモエ学園に転校してきて、初めて廃車を利用した電車の教室に入って夢想するシーンですが、原作でも「まるで電車が走り出した感覚をおぼえた」というような下りがあって、そこから膨らませたパートです。このパートを手がけたのは神戸佑太くんとい

        自分と違う存在に対する思いやりと寛容さ 監督が映画『窓ぎわのトットちゃん』に込めた思い③ | Febri
      • 吉成曜①作り手の存在を初めて意識した『機動戦士ガンダム』 | Febri

        『リトルウィッチアカデミア』などを手がける凄腕アニメーター・監督、吉成曜が影響を受けたアニメについて聞く連載インタビュー。第1回は、誰もが知るあの名作との出会い、そして影響について聞く。 ――今日は吉成さんのアニメ体験を伺えればと思うのですが、最初にアニメに触れたきっかけは何だったんでしょうか? 吉成 子供のときは普通に見ていたんですけど、「これがアニメというものだ」というか、作り手を意識して見始めたのは、たぶん『機動戦士ガンダム(以下、ガンダム)』なんです。とはいえ、最初の本放送のときはロクに見ていなかったんですよ。一応、オモチャを――ガンダムとガンキャノンとガンタンクの3体セットを買ってもらったりはしたんですけど、内容を全然知らないので、ガンタンクのAパーツとガンダムのBパーツをくっつけて遊んでいたり(笑)。 ――本放送は頭から見ていたんですか? 吉成 いや、見始めたのは中盤ですね。「

        • SK∞ エスケーエイト 監督・内海紘子インタビュー② | Febri

          内海監督に『SK∞ エスケーエイト(以下、SK∞)』の舞台裏を聞くインタビューの後編。「アニメらしいアニメが好き」と話す内海監督が、この『SK∞』で試みたこととは? キャスティングの選考過程や演出陣とのやり取り、そして最終回に向けたメッセージまで。じっくりと語ってもらった。 ――愛抱夢といえば、子安武人さんが演じたことで、あのリアリティのないキャラクターに説得力が生まれた気がします(笑)。 内海 そうですね。キャスティングを決めるときに希望を聞かれたんですけど、もう子安さんしか思い浮かばなくて(笑)。変態キャラっていうのはもちろんあるんですが、作品上最強キャラという立ち位置の存在感、威圧感という意味でも子安さんでしたね。 ――そのほかのキャラクターで、キャスティングの際にポイントになったところはどこでしょうか? 内海 キャラクターデザイン同様、キャスティングもなるべく個性がバラけるように、

            SK∞ エスケーエイト 監督・内海紘子インタビュー② | Febri
          • 岸誠二② 数字を叩き出す覚悟で挑んだ『Angel Beats!』 | Febri

            オリジナル作品から『Persona4 the ANIMATION』といった人気原作ものまで、幅広い企画を手がけるヒットメーカー・岸誠二が、そのキャリアの転換点となったアニメを振り返る全3回のインタビュー連載。第2回は人気ゲームクリエイターと「覚悟」を持って取り組んだ大ヒット作を語る。 ――2本目は『Angel Beats!』です。ゲーム業界で活躍していたクリエイターである麻枝准(まえだじゅん)さんの、オリジナルアニメ初挑戦作品でした。 岸 これも後の自分の作品につながるスタッフたちが集まった作品ですが、このときは「意地でも数字を叩き出す」ことを目標にしました。何が何でも売ってやる、の一点突破で、麻枝さんと心中する覚悟で作りました(笑)。多少無茶でも、売れるシーンになるなら死んでも映像にしてやる、と。今思えば、よくやれたなと思います。銃撃戦をやって、ライブをやって、コメディもやって……という

              岸誠二② 数字を叩き出す覚悟で挑んだ『Angel Beats!』 | Febri
            • ひぐらしのなく頃に業 監督・川口敬一郎インタビュー | Febri

              2020年10月から放送された『ひぐらし』シリーズの最新作、TVアニメ『ひぐらしのなく頃に業(以下、ひぐらし業)』。SNSでの考察が盛んに行われるなか、全24話を走り抜けて、7月からは解答編となる『ひぐらしのなく頃に卒(以下、ひぐらし卒)』が放送される。ここでは、監督を務める川口敬一郎のインタビューを掲載。映像へのこだわりやファンのリアクション、各編のポイントなどを聞いた。 ――『ひぐらし業』に参加することになった経緯を教えてください。 川口 今回のアニメを制作しているパッショーネの西藤(和広)社長から声をかけていただきました。スタジオとして2クール以上の作品を作るのが初めてということもあって、長期シリーズの経験がある人間にまかせたいという理由から、そつなく作ってくれそうな僕が選ばれた模様です(笑)。 ――話を聞いた際はどんな気持ちでしたか? 川口 初めに話を聞いたときはリメイクなのかなと

              • 黒柳トシマサ ②監督の心境に触れた気がした『NieA_7』 | Febri

                アニメ監督・黒柳トシマサのルーツをたどるインタビュー連載の第2回では、演出の師にあたる存在であり、黒柳監督の代表作『舟を編む』にシリーズ構成として参加していた佐藤卓哉氏の監督デビュー作を取り上げる。そこから学んだ「ポエム」とは? ――2本目は『NieA_7(ニア アンダーセブン)』です。こちらを選んだ理由は? 黒柳 僕が大学生になって上京したタイミングで放送が始まって、最初はたまたま見たんです。そうしたら、何かわからないけどぐっと心をつかまれてしまった。それまではジブリのような雰囲気のアニメばかりを追いかけていたのに。 ――SF要素のあるけっこうはっちゃけたコメディで、テイストがまた違いますよね。 黒柳 「予備校生」「貧乏」「なんか面白い宇宙人がいる」っていう要素でできている世界観ですからね(笑)。でも、ただハチャメチャで面白いだけのアニメかというとそうではなくて、ときどき胸がしゅんとする

                  黒柳トシマサ ②監督の心境に触れた気がした『NieA_7』 | Febri
                • 『すずめの戸締まり』を見る前に新海誠の世界を振り返る①『彼女と彼女の猫』 | Febri

                  新海の名を世に広く知らしめた作品が『ほしのこえ』であることは論を俟(ま)たないが、彼の映像作家としての個性は、それ以前の段階でほとんど確立されていた。そのことは、第12回DoGA CGアニメコンテストでグランプリを受賞した本作を見れば一目瞭然だ。 新海がまだゲーム会社に所属していた1999年の初夏から初冬にかけて個人制作された本作は、『ほしのこえ』同様、音楽と声優には他人の手を借りているものの、映像面においては独力で作り上げられている。印象的なモノローグ、フォトリアリスティックで叙情的な風景描写、そして「孤独」や「コミュニケーション」に焦点を当てた繊細な心理描写……のちの新海の作品を特徴づける要素の数々を、5分にも満たない尺の中にはっきりと見つけられる。 作品の内容は、都会でひとり暮らしをしているある女性に拾われた猫の視点から、彼女の生活を点描するというもの。この「猫が人間を見守る」という

                    『すずめの戸締まり』を見る前に新海誠の世界を振り返る①『彼女と彼女の猫』 | Febri
                  • 『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY』矢野妃菜喜、大西亜玖璃、林 鼓子が語る「ニジガク」の今とこれから① | Febri

                    ――新作エピソードOVA『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY』が先月から劇場公開中です。すでにいろいろな反響が聞こえていると思うのですが。 大西 初日に舞台挨拶があったんですけど、そこで「どうでした?」って劇場に来てくれた方に聞いたら、すごく大きな声で「イェーイ!」って返してくれて。 矢野 本当にライブ以上の声で(笑)。 林 もう、すごく楽しんでくれている感じが。 大西 うれしそうでした、みんな。もう興奮冷めやらぬ、みたいな。 矢野 見終わってホヤホヤの状態で感想を聞いているので、みんなのテンションが本当に高くて。 林 「7回見た」と言っている方もいたね。 矢野 それも1日にね。 林 初日だったのに、そんな繰り返し見てくれる方もいて。 矢野 特典のクリアファイルを掲げてくれる方もいたね。 ――公開からしばらく経ったこのタイミングで、あらためて今回の作品の魅力やポ

                      『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY』矢野妃菜喜、大西亜玖璃、林 鼓子が語る「ニジガク」の今とこれから① | Febri
                    • 『地球外少年少女』と『プラネテス』の接触点 磯 光雄×幸村 誠 スペシャル対談② | Febri

                      ――磯監督は「宇宙に出ていくモチベーション」について1年以上悩んだ結果、とある結論に達したそうですね。 磯 はい。それは「この問いを深く考えるのはやめよう」という結論でした(笑)。で、あまり深く考えずに出した答えというのが「きっと商業宇宙の最初の時代は、地球を見るために宇宙に行くんじゃないか」っていうシンプルな答えで。 幸村 素晴らしいです。僕は第1話の美衣奈ちゃんの「ヤバイ! 地球って本当にあるんだね」っていうセリフが大好きなんです。人間が宇宙に行く理由があのセリフにギュッと詰まっているなって感じて。 磯 ありがとうございます。美衣奈はあざといキャラクターなので、基本的にずっと演技をしているんですけど、あのシーンだけは「いっさいの演技をせず、素の状態に戻ってください」とキャストさんにお願いしました。 幸村 お芝居もとても良かったです。それでいて、地球帰還後に世界21位の資産家になって、寄

                        『地球外少年少女』と『プラネテス』の接触点 磯 光雄×幸村 誠 スペシャル対談② | Febri
                      • 出渕裕に聞いた『メタリックルージュ』ができるまで③ | Febri

                        ――バディもののポップさもありつつ、全体的にはハードボイルドな雰囲気も漂っている本作ですが、このややドライな肌触りは、今の時代性を考えてのことでしょうか? 出渕 そこはあまり深く考えなかったですね。肌触りは直感でやっているところがあって、SFでアンドロイドが主人公と決まった時点で、自然と「格差」や「分断」というテーマが生まれ、フィルムの雰囲気も決まっていったというのが正直なところです。 ――フィクションではありますが、今の世界情勢にかなり通じるところがありますね。 出渕 「格差」や「分断」は普遍的なテーマですから、これも特別意識したわけではないんですよ。世の中を見渡せば、そういう問題はつねにどこかで起こっていますから。とはいえ、ハマスとイスラエルの戦闘が始まった際は「まさかこんなことが起きるとは……」と驚きました。第3話の舞台となっているネアン自治区は、まさにガザ地区を含むパレスチナ自治区

                          出渕裕に聞いた『メタリックルージュ』ができるまで③ | Febri
                        • 荒木哲郎①『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』演出家・富野由悠季への憧れ | Febri

                          TVアニメ『進撃の巨人』や『甲鉄城のカバネリ』などで知られるアニメ監督・荒木哲郎。彼の人生を変えた3本のアニメ作品とは? インタビュー連載の第1回は「憧れ」と語る富野由悠季監督による『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』について。 ――まずは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(以下、逆シャア)』(1988)を挙げてもらいましたが、『ガンダム』シリーズはもともと好きだったのでしょうか? 荒木 『機動戦士ガンダム(以下、ファースト)』の本放送を保育園の年長の頃に見ていた記憶はあるのですが、すぐに自分のなかで特別な存在になったわけではありませんでした。『逆シャア』も、小学6年生のときに映画館で見ています。ただ、そのときよりも中学1~2年生の頃、大晦日にあらためてテレビで見た『逆シャア』がすごく刺さったんです。そのとき初めて「これは、ほかのアニメとまったく違う」と感じて、録画したビデオテープを何度も繰り

                          • 映画『フラ・フラダンス』 水島精二が語る「総監督の“お仕事”」③ | Febri

                            福島県にあるレジャー施設・スパリゾートハワイアンズの新人フラガールチームの友情と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』。念願の“お仕事青春もの”を作りあげた水島精二総監督の“お仕事”はどのようなものだったのか。第3回では、物語のキーとなるアイドル要素が盛り込まれた経緯と、これまでに手がけてきた作品との違いについて語ってもらった。 ――本作では日羽(ひわ)がアイドル「いついろディライト!!」のステージを見て元気をもらい、後半の展開につながっていきますが、このステージはまるで別のアイドルアニメが始まったかのようでした。 水島 アイドルに行き着いたのは半ば偶然でした。制作途中、映画として飛躍させるために何か変化を描きたくて、そこに収まるピースをずっと探していたんです。主人公の日羽が「こういう新しいフラをやろうよ」とみんなに提案する姿を見せることで彼女の成長を描こうと思っていたのですが

                            • 岩永琴子役・鬼頭明里に聞いたアニメ『虚構推理 Season2』の魅力と見どころ① | Febri

                              ――第1期から3年を経てのSeason2です。続編製作が決まったときの心境から聞かせてください。 鬼頭 続編制作のお話は、じつは第1期の放送中に知ったんです。それから3年越しのSeason2ということですごくうれしいですし、なんだか感慨深いですね。 ――琴子を演じるのも約3年ぶりだと思いますが、ご自身の感覚はいかがでしたか? 鬼頭 3年も経っている感覚は全然なかったです。収録前にいただいた映像に色まで付いていたので、とくに探ることもなく、ごく自然にスッと琴子に戻れた感じです。 ――鬼頭さんの中にしっかり琴子が存在していたんですね。 鬼頭 はい。1クール作品でしたけど、他のどのアニメよりもセリフ量が多くて、とにかくしゃべりまくったんです。だから琴子はもう完全に染みついている感じがします。 ――琴子を演じるうえで、とくに意識していることはありますか? 鬼頭 琴子はとても頭の良い子なので、知的に

                                岩永琴子役・鬼頭明里に聞いたアニメ『虚構推理 Season2』の魅力と見どころ① | Febri
                              • TVアニメ『炎炎ノ消防隊』EDメイキング ~紺野大樹の世界①~ | Febri

                                2019年7~12月かけて放送されたTVアニメ『炎炎ノ消防隊 壱ノ章(以下、炎炎)』。そして、2021年1月~3月にかけて放送されたTVアニメ『約束のネバーランド Season2』。これらのEDムービーの映像は、紺野大樹というひとりのアニメーターの手で作られている。ここでは、それらの制作過程を紺野に聞いたインタビューを2回に分けて掲載。第1回目は『炎炎』の2本のEDについて。 ――まず『炎炎』の第1クールのEDについてですが、こちらの制作を担当することになった経緯を教えてください。 紺野 僕は以前、所属していたシャフトで『メカクシティアクターズ』の第9話の日記パートや、『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン 鬼物語』に登場した横長の絵巻物など、一風変わったパートを担当していたのですが、そのときの僕の仕事を見てくださっていた松永康佑さん(『炎炎』のアニメーションプロデューサー)に「新作アニメの

                                • 映画『フラ・フラダンス』 水島精二が語る「総監督の“お仕事”」② | Febri

                                  福島県にあるレジャー施設・スパリゾートハワイアンズの新人フラガールの友情と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』。念願の“お仕事青春もの”を作りあげた水島精二総監督の“お仕事”はどのようなものだったのか。第2回は、初めてタッグを組んだ吉田玲子の脚本の魅力を解き明かすとともに、作品に現代らしさを取り入れる秘訣を聞いた。 ――『フラ・フラダンス』のスタッフにはキャラクターデザインのやぐちひろこさんや音楽チームなど、水島さんとのお仕事で信頼の厚い方々がそろった一方で、脚本の吉田玲子さんとは初タッグでした。 水島 吉田さんの脚本は「優しい」んですよね。これは吉田さん特有のものだと思います。今まで組んできた脚本家は「さあ、お前はこれをどう演出する?」と斬りかかってくるような感じなんですよ(笑)。そういう鍔迫り合いをしながら押し返していく仕事も、それはそれでやり甲斐があるけれど、吉田さんの

                                  • 塩谷直義監督に聞いた『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』の制作秘話② | Febri

                                    ――物語の構成としては「忠臣蔵」がやりたかったとのことでしたが、それと同時にTVアニメ3期までの伏線も綺麗に回収しています。 塩谷 伏線の回収については必然なので、映画としてそこに重きを置いているわけではないのですが、すでに先の展開がわかっている状態でのドラマ作りには苦労しました。なによりも「各々の立場の正義をどう描くか?」というところをいちばん大事に描くことに注力しました。「PSYCHO-PASS サイコパス」という作品は、シリーズを通じて「正義」というワードが頻繁に登場しますが、正義って立場によって違ってくるものですよね。お互いの正義がぶつかることでまわりにどんな影響を与えていくのか。とくに今回は常守朱にスポットを当てて、彼女がこれまでの経験を踏まえて劇中ではどんな影響を受けて、どんな答えを出すのかというところは丁寧に、注意深く描こうと意識しました。 ――それで言えば、狡噛慎也や雑賀譲

                                      塩谷直義監督に聞いた『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』の制作秘話② | Febri
                                    • 原作者・四葉夕トに聞いた 『パリピ孔明』原作&アニメ楽屋裏話① | Febri

                                      ――原作の『パリピ孔明』はどのような経緯で誕生したのでしょうか? 四葉 早朝の5時半、六本木でDJをやっている友人と『三国志』トークをしていまして。オール明けの変なテンションで「諸葛孔明がパリピになったら面白くない?」という話になったのが、そもそものきっかけですね。それを元にした作品を『モーニング』と『週刊少年マガジン』が共同主催する「漫画脚本大賞」に応募したんですが、そのときはとくに結果は残せなくて。でも、今の担当編集さんに見せたら「すごく面白い!」と言っていただけて、内容を練り込んでいった結果、この形に落ち着いたんです。 ――「漫画脚本大賞」に応募した作品は、どのような内容だったのでしょうか? 四葉 現代に転生して若者文化に触れた孔明が、知り合った男の子の「女の子にモテたい!」という願いを叶えるために策を授けて、パリピ街道を突き進んでいく……といったストーリーで、『パリピ孔明』と比べる

                                        原作者・四葉夕トに聞いた 『パリピ孔明』原作&アニメ楽屋裏話① | Febri
                                      • 西田亜沙子② 結城信輝が描く「少女像」に衝撃を受けた『X-エックス-』 | Febri

                                        アニメーター・西田亜沙子のアニメ遍歴を聞くインタビュー連載。第2回では、彼女自身も原画で参加した劇場作品『X-エックス-』を取り上げる。アニメーターに大きな影響を与えたという結城信輝の「絵」の魅力とは? 制作当時の状況を振り返りつつ語ってもらった。 ――2本目は1996年に公開されたCLAMP原作、りんたろう監督の劇場映画『X-エックス-』です。キャラクターデザイン・総作画監督を務めた結城信輝(ゆうきのぶてる)さんの話になるかと思うのですが、西田さん自身もアニメーターとして参加していますよね。 西田 そうですね。初めて劇場作品で原画を担当したのが『X-エックス-』でした。「アニメーターになる」という夢は高校生になってからも変わらなかったのですが、私は大阪出身なので、やっぱり東京に出るしかないのかなと思っていたんです。でも、当時『装甲騎兵ボトムズ』や『蒼き流星SPTレイズナー』が流行っていて

                                        • 黒柳トシマサ ①『海がきこえる』 リアルな空気感を生む作画と演出 | Febri

                                          『少年ハリウッド』『バクテン!!』など、熱量の高いフィルムでファンを惹きつけるアニメ監督・黒柳トシマサ。そのルーツをたどるインタビュー連載の初回は、氷室冴子原作、望月智充(もちづきともみ)監督による、スタジオジブリの傑作TVスペシャルについての熱論! ――1本目はスタジオジブリの『海がきこえる』です。この作品を選んだ理由は? 黒柳 高校生のときに見て、「アニメーションの絵を描こう」と思い始めるきっかけになった作品として選びました。それまでも落描き程度の絵は描いていて、絵に多少の興味はあったんですけど、仕事にしようと考えるほどではなかったんです。最初にアニメーションそのものに興味を持ったきっかけは、中学3年生のときに見た『耳をすませば』。ちょうど主人公の雫(しずく)や聖司と同い年で、自分も彼女たちと同じように進路に悩んでいたこともあって大きな影響を受けました。そこからいろいろなアニメを見てい

                                            黒柳トシマサ ①『海がきこえる』 リアルな空気感を生む作画と演出 | Febri
                                          • 劇場版の前に読みたい! 吉野弘幸と振り返る『機動戦士ガンダムSEED』の熱狂③ | Febri

                                            いよいよ公開が近づいてきた劇場最新作『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(Febriからもキャラクター本が発売されることが決定しました!)。はやる気持ちを落ち着かせるために、ここでは『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダム SEED DESTINY』の脚本を手掛けた吉野弘幸氏に、当時の制作秘話を語っていただいた。メインスタッフである吉野氏だから見えた『機動戦士ガンダムSEED』の真実とは? ――そしてさらに『機動戦士ガンダムSEED(以下、SEED)』の終盤から途切れなく、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY(以下、DESTINY)』の準備が始まるわけですよね。 吉野 そうですね。ほとんど休みなく仕込みに入りました。ただ、僕はこのとき、『舞-HiME』(2004年9月〜2005年3月放送)がもう動き出していたので『DESTINY』の前半の作業時期は、あまり深く関わ

                                              劇場版の前に読みたい! 吉野弘幸と振り返る『機動戦士ガンダムSEED』の熱狂③ | Febri
                                            • キラとアスランが語る!20年目の『機動戦士ガンダムSEED』 保志総一朗×石田 彰 対談① | Febri

                                              “21世紀のファーストガンダム”を掲げ、大人気を博した『機動戦士ガンダムSEED(以下、SEED)』の放送から20年を迎えた。物語の根幹となるのは、幼なじみでありながら敵対する関係に陥った、キラ・ヤマトとアスラン・ザラの葛藤である。そこで今回は、キラ役の保志総一朗、アスラン役の石田彰を迎え、全3回でふたりの関係性やそれぞれの立場から『SEED』について振り返ってもらった。第1回は『ガンダム』という作品の緊張感と、キラとアスランの対比について。 ――『SEED』も20周年を迎えました。放送当時から非常に人気があった作品ですが、さまざまな作品に参加してきたおふたりにとっても、特別な印象や感覚はありますか? 保志 僕はありましたよ。石田さんはあんまりなさそうですけど(笑)。 石田 いやいや(笑)。 保志 それは『ガンダム』シリーズだから、ということではなく、作品を比べない石田さんのスタンスがある

                                                キラとアスランが語る!20年目の『機動戦士ガンダムSEED』 保志総一朗×石田 彰 対談① | Febri
                                              • 『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』 フォト&インタビュー④ 椎名立希役・林 鼓子 | Febri

                                                ――アニメの放送スタートは、どんな心境で迎えましたか? 林 ようやく皆さんにMyGO!!!!!の物語を知っていただけるなっていう、安心感みたいなものがすごく大きかったです。MyGO!!!!!はプロジェクトのスタートからライブ活動が基本で、キャスト名も公開しないという、今までの『バンドリ!』シリーズの先輩方とは違う道筋をたどってきたので、みんな、「この子たち、どういう子なんだ?」って不思議に感じていたと思うんですよね。なので、やっと本格的にMyGO!!!!!を知ってもらえるアニメがスタートして、とにかくうれしかったです。 ――1年以上活動をともにしてきたMyGO!!!!!の5人ですが、自分以外のメンバーの第一印象はおぼえていますか? 林 羊宮さんは、こんなに燈(ともり)にぴったりの子が見つかるんだ、ここまでハマり役の人がいるんだというのが第一印象です。凛ちゃんは、愛音(あのん)と違って超おと

                                                  『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』 フォト&インタビュー④ 椎名立希役・林 鼓子 | Febri
                                                • 原作者・古川日出男が語る 劇場アニメーション『犬王』の魅力① | Febri

                                                  人々を熱狂させた能楽師・犬王とその友人で琵琶法師の友魚(ともな)。ふたりのポップスターを通して、表現することの意味を描き出す、唯一無二の “能楽”ミュージカル・アニメーション『犬王』。作家・古川日出男は、いかにしてこの眩(まばゆ)い物語を生み出したのか。原作小説執筆までの経緯と、犬王と友魚というバディの関係性についてひも解く。 ――『平家物語』を訳したあと、どのようなきっかけで『平家物語 犬王の巻』を書き始めたのですか? 古川 以前、世阿弥(ぜあみ)の『風姿花伝(ふうしかでん)』を読んでいるとき、解説や注釈に「犬王」という名前が出てきたんですよ。ルビも「いぬおう」と振ってある。自分は日本人で歴史も知っているはずなのに、こんな名前の人物は知らなかった。どういう舞台をやったかもまったくわからない。調べてみると、まず、世阿弥は父の観阿弥(かんあみ)が亡くなってから10年ぐらいの間の記録が何も残っ

                                                    原作者・古川日出男が語る 劇場アニメーション『犬王』の魅力① | Febri
                                                  • 『SYNDUALITY Noir』 青山なぎさが語る歌姫シエルのステージと役作り③ | Febri

                                                    荒廃した近未来を舞台に、たくましく生きる主人公たちの姿を描いたアニメ『SYNDUALITY Noir』。その作中で歌姫として登場するシエル役・青山なぎさへの全3回のインタビュー。その最終回となる第3回は、アニメの映像や今後の見どころについて語ってもらった。 ――完成した本編の映像を見て、印象に残ったシーンはありますか? 青山 第7話の「眩惑Desire」が流れる戦闘シーンは本当に驚きました。じつは映像が完成する前に、制作途中のCGムービーを見せてもらっていたのですが、その時点でめちゃめちゃ迫力があって「完成したらどうなるんだろう?」と思っていたんです。完成した映像は私の想像をはるかに超えていて、圧倒されました。ずっとポカンと口を開けながら見ていた気がします(笑)。スタッフさんたちの情熱や魂が詰まったシーンだなと感じました。 ――歌ともとてもマッチしていましたね。 青山 そうですね。しかもこ

                                                      『SYNDUALITY Noir』 青山なぎさが語る歌姫シエルのステージと役作り③ | Febri
                                                    • 平尾隆之① 大人になることに希望が持てた『機動警察パトレイバー』 | Febri

                                                      自身が監督を務めた劇場アニメ『映画大好きポンポさん』が、驚異のロングランヒットとなった平尾隆之が選ぶアニメ3選。その1作目は、小学生時代に出会い、退屈で憂鬱な大人への印象をガラリと変えてくれた『機動警察パトレイバー』についてのインタビュー。 ――子供時代のエンタメ体験を教えてください。 平尾 幼少期から小学校低学年くらいまで、かなりの吃音症で悩んでいたんです。そのせいでなかなか友達と話すことができず、家でアニメやマンガ、映画、小説などに触れることが多い子供でした。その当時に触れたエンタメ作品に心が救われたことは間違いなくて、おかげで今こうしてアニメ作りに励んでいるという感じですね。 ――どのようなエンタメ作品に触れていましたか? 平尾 幼少期に見ておぼえているのは、アニメで言うと『不思議の海のナディア』と『迷宮物件 FILE538』。マンガだと『AKIRA』、小説だと村上春樹さんの『世界の

                                                      • 『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』黒沢ともよと安済知佳に聞いた久美子と麗奈の変化② | Febri

                                                        ――とくに印象深いシーンはどこですか? 黒沢 私はやっぱり中盤の水道のシーンです。手を洗って帰るときのあのイチャイチャした感じがすごく好きで、このくだりだけで一本お話を作ってほしいくらい(笑)。 安済 あそこは動きもすごくかわいいんですよね。「久美子なら私以外と組まないって信じてたから」と話す麗奈が、手を後ろに組んじゃったりして女の子らしいんです。あそこは麗奈自身も意識してかわいこぶっている感じがしますね。 黒沢 そのあと、肩を押されて押し返す感じも、なんか人間らしくなってきていますよね。 安済 そうそう。これまではもっと動物みたいに野生的だったのに。どこかで人間のマニュアルをゲットしたのかな?(笑) 黒沢 いやあ、あの麗奈はかわいかった。 安済 でも、そのシーンの最後に「もし、来年、私よりもうまい子が入ってきたら、麗奈はどうするんだろう?」って久美子のモノローグが入るじゃないですか。なん

                                                          『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』黒沢ともよと安済知佳に聞いた久美子と麗奈の変化② | Febri
                                                        • TVアニメ『スナックバス江』リレーインタビュー⑤ タツ兄役・落合福嗣&監督・芦名みのる | Febri

                                                          ――『スナックバス江』の原作はもともと知っていましたか? 落合 マンガ好きで、読んで面白かった作品を紹介し合う友達がいるんですけど、彼から2年くらい前に教わって読んでいました。でも、まさかアニメ化するなんて(笑)。 ――驚きますよね。 落合 ちなみに、オーディションを受けることが決まってからは、あえて連載を追わないようにしています。アフレコが終わったら、また購読を再開しようと思っています。 ――スナックに行ったことは? 落合 『バス江』の打ち入りで行ったのが初体験でした。めっちゃ面白かったです。こんなににぎやかなんだ!と。そうしたら監督から「『スナックバス江』はこんなににぎやかな店じゃないから、これが『バス江』の世界観だと思わないでね」と言われて(笑)。たしかに冷静に考えれば絵面も全然違うし、僕が初めて体験したスナックは特別だったんですよね。 芦名 あれはね、スナック「大繁盛」だったよ(笑

                                                            TVアニメ『スナックバス江』リレーインタビュー⑤ タツ兄役・落合福嗣&監督・芦名みのる | Febri
                                                          • ペイトン尚未の「並行多元ヒロインズ」第4回 個性とギャップがかわいい「ボクっ娘」の世界(前編) | Febri

                                                            ――連載第4回のテーマは「ボクっ娘」でした。 ペイトン まだ4回目なんですけど、テーマのレパートリーがめちゃくちゃ多いなと思いました(笑)。毎回、本当に予想できなくて、「おお! そう来たか!」っていつも思っています。斜め上から球が投げ込まれるというか(笑)。 ――撮影では、どんなことを意識していましたか? ペイトン 男性の方がみんなそういう歩き方をしているわけじゃないと思うんですけど、中性的な印象になるかなと思って、普段よりもちょっとがに股気味に歩いていました。あとは、話すときもちょっと声を低めにしてみたり。 ――声は写真には反映されませんが、気持ちの変化が写し出されるかもしれないですしね。 ペイトン これも個人的な印象なんですけど、ボクっ娘の女の子って自分を「僕」と呼ぶことで、まわりから強く見られたいのかなと思って。あと、なんとなく大人に反抗したい子供が使っているのかなという印象もありま

                                                              ペイトン尚未の「並行多元ヒロインズ」第4回 個性とギャップがかわいい「ボクっ娘」の世界(前編) | Febri
                                                            • 劇場版の前に読みたい! 吉野弘幸と振り返る『機動戦士ガンダムSEED』の熱狂② | Febri

                                                              いよいよ公開が近づいてきた劇場最新作『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(Febriからもキャラクター本が発売されることが決定しました!)。はやる気持ちを落ち着かせるために、ここでは『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダム SEED DESTINY』の脚本を手掛けた吉野弘幸氏に、当時の制作秘話を語っていただいた。メインスタッフである吉野氏だから見えた『機動戦士ガンダムSEED』の真実とは? ――女性ファンの人気が大きかった印象がありますが、そこは当初から想定していたのでしょうか? 吉野 キラとアスランの関係は、両澤さんがある種の少女マンガの文法で考えていたんですよ。竹宮惠子先生の『ファラオの墓』とか、あのあたりの70年代の少女マンガがベースとして、ライター陣に共有されている雰囲気がありました。だから方法論として女性に受けるのはわかっていたんですけど、それが「ガンダム」という作

                                                                劇場版の前に読みたい! 吉野弘幸と振り返る『機動戦士ガンダムSEED』の熱狂② | Febri
                                                              • 中村章子①DNAレベルで刷り込まれた『機動戦士Zガンダム』 | Febri

                                                                中村明日美子原作の劇場アニメ『同級生』の監督を務めるなど、さまざまな作品にアニメーター、演出家として参加する中村章子。彼女のアニメ遍歴を聞くインタビュー連載、その第1回は「いまだに忘れられない」と語る、富野由悠季監督の名作をめぐって。 ――中村さんは、子供の頃からアニメを見ていたのでしょうか? 中村 小さい頃に住んでいたのがまったく娯楽のない田舎だったこともあって、テレビを見るのが大好きだったんです。テレビが消えると不安になるというか、興味のうすい番組でもついている限りはずっと画面を見ていた気がします。歳の近い兄がいるんですけど、両親がテレビをあまり見ない人たちだったので、兄が好きで録画したロボットアニメを流していることが多くて、私も一緒に見ていた感じでしたね。 ――お兄さんの影響が強かったわけですね。 中村 サンライズ系のロボットアニメを、ずっと見ていた記憶があります。夏休みになると『機

                                                                  中村章子①DNAレベルで刷り込まれた『機動戦士Zガンダム』 | Febri
                                                                • 泣けるファンタジーアニメ『王様ランキング』 監督・八田洋介インタビュー① | Febri

                                                                  ――原作マンガを読んだ印象はいかがでしたか? 八田 デフォルメの効いた優しい絵柄なので、最初はハートフルで優しさに満ちた作品なのかなと思って読み進めました。そうしたら思った以上にダークでシリアスな描写もあって、次第に作品世界に引き込まれていました。どのキャラクターにも深みがあって、とても読み応えがありますね。絵柄から抱く印象と実際の内容のギャップが、この作品の魅力のひとつだと思います。 ――八田さんはTVシリーズの監督は本作が初めてだと思います。初監督で連続2クール作を手がけるのは珍しいと思いますが、迷いはなかったですか? 八田 それは……めちゃくちゃ迷いました(笑)。2クールという長さへの不安ももちろんあるのですが、そもそも僕はデフォルメキャラクターをイキイキと動かす作品があまり得意ではないと思っていたんです。これまで参加してきた作品は、わりとリアルな造形と芝居のものが多かったので「はた

                                                                    泣けるファンタジーアニメ『王様ランキング』 監督・八田洋介インタビュー① | Febri
                                                                  • 『ワッチャプリマジ!』ゲームとアニメをつなぐ「イリュージョン原案」の仕事② | Febri

                                                                    「プリティーシリーズ」の4作目として放送中の『ワッチャプリマジ!(以下、プリマジ)』。加藤大典氏に「イリュージョン原案」の仕事について聞いた前編に続き、後編では、相補的なゲームとアニメの関係性について語ってもらった。 ――アニメのライブシーンはどのように作っているのでしょうか? 加藤 楽曲はアニメのものなので、曲に合わせてステージを作っていく流れです。衣装や小物などの素材はゲーム側で用意するのですが、そのまま再現するのが難しいシークエンス、たとえば、ゲームではコインを投入すると妖精さんが衣装を持ってきてくれる「フロートタイム」の見せ方などは、アニメではそのまま導入できないと思うのでライブ演出の小林(浩輔)監督にアレンジしてもらっています。いちおう事前に絵コンテは見せてもらっているのですが、チェックというほど厳格に見ているわけではないですね。ゲームにはゲームに最適の展開があり、アニメにはアニ

                                                                      『ワッチャプリマジ!』ゲームとアニメをつなぐ「イリュージョン原案」の仕事② | Febri
                                                                    • VaVa ②他人の人生を知る面白さを知った 『CLANNAD』 | Febri

                                                                      ラッパー/トラックメイカーであるVavaに、人生に影響を与えたアニメ3作を聞くインタビュー連載。第2回でピックアップしたのは、「泣きゲー」として知られる恋愛アドベンチャーゲームを原作とした『CLANNAD(クラナド)』。ゲームもプレイしているVaVaは、人と人との絆が描かれるこの作品を通して、他人の人生を知る楽しみを知ったと語る。 ――2本目は、恋愛アドベンチャーゲームを原作とする『CLANNAD』ですが、Vavaさんはゲームからプレイしたのでしょうか? VaVa 最初はゲームをプレイしました。ネット上に「CLANNADは人生」という有名なキャッチフレーズがあるのは知っていたのですが、逆張りの精神というか天邪鬼な部分があって、これまではあえてやってこなかったんです。ただ、僕も大人になって、世間が評価する作品に理由があることがわかってきたので、ちょっとプレイしてみようとなったのが最初ですね。

                                                                        VaVa ②他人の人生を知る面白さを知った 『CLANNAD』 | Febri
                                                                      • 映画『雨を告げる漂流団地』石田祐康監督が作品に込めた思い② | Febri

                                                                        ――今回の『雨を告げる漂流団地(以下、漂流団地)』は、タイトル通り、老朽化した団地が舞台なのですが、監督自身も現在、団地に住んでいるそうですね。 石田 そうですね。じつは少し前から団地に対する憧れみたいなものがあったんです。僕の実家は昔ながらの平屋の日本家屋で、子供の頃から団地のそびえ建っている感じとか、窓が並ぶ感じなどわくわくする感覚がありました。団地に住んでいる友達の家に遊びに行くと、自分が慣れ親しんでいるのとはまったく違う異空間が広がっていて、ウチと比べると、こっちは整っていてキレイだなあ、とか(笑)。 ――あはは。整然としている感じがあった。 石田 団地というと、画一化された建物がいっぱい建っている、みたいな――ある種、ネガティブなイメージも昔はあったと思うんですよ。たとえば、高畑勲監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』の中で、多摩ニュータウンの開発が批判されていたりとか。ただ、僕らの世代に

                                                                          映画『雨を告げる漂流団地』石田祐康監督が作品に込めた思い② | Febri
                                                                        • 『大室家』ならではの空気感を目指した 『大室家 dear sisters』監督、コンテ・龍輪直征&シリーズ構成、脚本・横谷昌宏対談① | Febri

                                                                          ――まずは『大室家』の原作に触れたときの印象を教えてください。 横谷 僕は失礼ながら、なもり先生の作品に触れたことがなくて、脚本のお話をいただいたときに初めて『大室家』と『ゆるゆり』の原作を読ませていただきました。そのときの印象は、ギャグマンガなんだけど、キャラクターがギャグを成立させるためだけにいるのではなく、ひとりひとりの個性がしっかり立っている作品だなと。とくに『大室家』はホームドラマのような感覚もあり、面白く読ませていただきました。 龍輪 僕は友達が『ゆるゆり』の大ファンだったので、『大室家』のこともよく知っていました。だから監督の話をいただいたときは、『ゆるゆり』のアニメに参加していなかった自分が『大室家』のアニメを手がけることに、ファンの皆さんは納得してくださるだろうか……とプレッシャーを感じてしまったんです。ただ、『ゆるゆり』はドタバタギャグが楽しい作品ですけど、『大室家』は

                                                                            『大室家』ならではの空気感を目指した 『大室家 dear sisters』監督、コンテ・龍輪直征&シリーズ構成、脚本・横谷昌宏対談① | Febri
                                                                          • 岸誠二① 若いスタッフが「祭」状態で作った『瀬戸の花嫁』 | Febri

                                                                            『結城友奈は勇者である』シリーズなど、数々の人気作を手がけてきたヒットメーカー・岸誠二が自身のキャリアの転機になったアニメ3作品を振り返る。インタビュー連載の第1回は盟友・上江洲誠をはじめ、岸作品を支えるスタッフたちが結集した初期の代表作について。 ――自作からキャリアのターニングポイントになった3作品を選んでもらいましたが、1作目に挙がったのは『瀬戸の花嫁』です。どのような理由で選んだのか、詳しく聞かせてください。 岸 この作品にはのちのちの作品で組むスタッフがひと通り集結しています。そういう意味で、大きなターニングポイントのひとつだったと思いました。GONZOのプロデューサーだった吉田悟さんからお話をいただいた作品なのですが、別の作品でご一緒していたときに「もうちょっと自由に作れる作品だったら、さらにいい仕事ができるんじゃないか?」と言われていたんですよ。そこから話がつながって、まかせ

                                                                              岸誠二① 若いスタッフが「祭」状態で作った『瀬戸の花嫁』 | Febri
                                                                            • オリジナルアニメ『空色ユーティリティ』オンエア直前! 監督・斉藤健吾×絵コンテ・雨宮哲対談① | Febri

                                                                              今、巷で密かに盛り上がっているゴルフ女子をモチーフにした短編アニメ『空色ユーティリティ』のオンエアが決定! 本作の発起人でもある監督・斉藤健吾と絵コンテを担当した雨宮哲に、制作の舞台裏を聞いたスペシャル対談をお届けします! ――まずは企画の発端について聞きたいのですが、もともとは斉藤監督がTwitterでつぶやいたのが、きっかけだそうですね。 斉藤 一昨年あたりからですかね、自分が普段よくやっていることを絵にしたいと思って、描いた絵をTwitterにアップしていたんです。で、コロナ禍が始まったあたりからゴルフを始めたので、それを描いた絵をアップして「ゆくゆくはアニメ化したいな」とつぶやいたのが今年の4月頃で。しかもちょうどその頃、松山(英樹)選手がマスターズで優勝したんですよね。これはいい頃合いだと思って、会社に「やりたいです!」と話をしたら、ぜひやりましょうと(笑)。 雨宮 本来、アニメ

                                                                              • TVアニメ『スナックバス江』リレーインタビュー② バス江ママ役・斉藤貴美子 | Febri

                                                                                ――まずは原作の印象から聞かせてもらえますか? 斉藤 今回のお仕事のお話をいただいたことがきっかけで知ったんですけど、読んだらすっかりハマりました。今となっては大ファンで、連載を追いかけています。 ――どんなところが斉藤さんのツボにハマったんですか? 斉藤 描かれている世界が「大人」なところですね。話されている内容のバカバカしさだったり、納得できるところだったりの塩梅みたいなものが、とても「大人」の雰囲気なんです。こんな人たちが私の身のまわりにいればいいのに、私もこの世界に行けたらいいのに……と思わせてくれた。(原作者の)フォビドゥン澁川先生は天才だと思います。 ――ちなみにスナックに行ったことは? 斉藤 初めて行ったのは大学生の頃……20歳くらいだったかな。バイト先の先輩に連れて行ってもらったんです。お店の人も、お客さんも仲よくしてくださって、みんなでわいわい楽しく飲んで。それ以来、「ス

                                                                                  TVアニメ『スナックバス江』リレーインタビュー② バス江ママ役・斉藤貴美子 | Febri
                                                                                • 『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』が『ラブライブ!』にもたらしたもの② | Febri

                                                                                  ラブライブ!シリーズでは他の作品でもメンバー同士の強い絆や連帯、そしてそれがゆえの嫉妬などが描かれてきたが、『虹ヶ咲』ではひとりひとりの「個」に焦点が当たっている分、感情のぶつかり合いや関係性の変化もメンバー単位で深く掘り下げられている。 たとえば、1期第5話では、朝香果林のスクールアイドルへの秘めた思いに気がついたエマ・ヴェルデが「自分のキャラじゃない」と言う果林に対して「やりたいと思ったときから、きっともう始まってるんだと思う」と背中を押す。また、1期第8話では、他人に嫌われるのが怖くて自分をさらけ出すことができない、演じているときのほうが気が楽だと言う桜坂しずくに対し、中須かすみが「もしかしたら、しず子のこと好きじゃないっていう人もいるかも知れないけど、私は! 桜坂しずくのこと、大好きだから!!」と堰を切ったように語りかける。こうした他者を通じた自己受容の物語がバリエーション豊かに描

                                                                                    『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』が『ラブライブ!』にもたらしたもの② | Febri