八重樫先生は「意味のイノベーション」の提唱者であるロベルト・ベルガンティ氏の主要著作『突破するデザイン』『デザイン・ドリブン・イノベーション』を日本語に監訳されたデザイン研究者で、安斎の兄弟子にあたる先輩でもあります。 以前にロベルト・ベルガンティ氏が来日された際にも、八重樫先生のコーディネートでパネルディスカッションに登壇させていただく機会をいただきました。(写真は上記リンク記事から抜粋) 意味のイノベーションとは何か本論文の前半は、「意味のイノベーション」の概要と、その前提となる概念である「デザイン・ドリブン・イノベーション」について、ダイジェスト的に解説がされています。 まずベルガンティは、2009年に出版した著書『デザイン・ドリブン・イノベーション』において、クリッペンドルフによる「物の意味を与えること」というデザインの定義を下敷きにしながら、製品の機能ではなく感情や象徴としての「