研究結果は「ペンはキーボードより強し」 話を聞きながらノートを取るとき、手書きかキーボードかの違いによって、理解度や記憶への定着度にはどの程度の差があるでしょうか。アメリカの大学生を対象としてノートの取り方と理解度の関係を調査したパム・ミュラーとダニエル・オッペンハイマーの研究(*1)を紹介しましょう。 この論文のタイトルは「The Pen Is Mightier Than the Keyboard(ペンはキーボードより強し)」で、「ペンは剣より強し」というイギリスのことわざ(言論の力は武力に勝るという意味)をもじった印象的なタイトルをつけています。 ただし、この論文には主要な結果を含め多くの誤りや不備があり、出版から4年も経ってから訂正箇所が公表された(*2)という変則的な経緯があります。広く引用されている実験なので、その杜撰さは大変残念ですが、訂正によって定性的な結果は変わらなかったの