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Neurologyに関するエントリは85件あります。 医療COVID-19AD などが関連タグです。 人気エントリには 『新型コロナウイルスワクチン忌避者は1割。忌避者の年齢・性別差、 理由と関連する要因を明らかに:日本初全国大規模インターネット調査より | 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター National Center of Neurology and Psychiatry』などがあります。
  • 新型コロナウイルスワクチン忌避者は1割。忌避者の年齢・性別差、 理由と関連する要因を明らかに:日本初全国大規模インターネット調査より | 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター National Center of Neurology and Psychiatry

    新型コロナウイルスワクチン忌避者は1割。忌避者の年齢・性別差、 理由と関連する要因を明らかに:日本初全国大規模インターネット調査より 2021年6月25日 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP) 印刷用PDF(1.16MB) 新型コロナウイルスワクチン忌避者は1割。忌避者の年齢・性別差、 理由と関連する要因を明らかに:日本初全国大規模インターネット調査より 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)トランスレーショナル・メディカルセンター大久保亮室長、ならびに福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター吉岡貴史助教、大阪市立大学大学院公衆衛生学大藤さとこ准教授、聖路加国際病院松尾貴公医師、大阪国際がん研究センター田淵貴大副部長らの研究グループは、新型コロナウイルスワクチンに関して「ワクチンを打ちたくない」と答えた方(ワクチン忌避者)の割合と、関連する要

      新型コロナウイルスワクチン忌避者は1割。忌避者の年齢・性別差、 理由と関連する要因を明らかに:日本初全国大規模インターネット調査より | 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター National Center of Neurology and Psychiatry
    • 脳・脊髄インターフェース  ―12年もの間,下半身不随だったひとの歩行を可能とする驚異の医療!!― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

      感嘆して思わず仰け反ったNature誌論文です(解説動画をご覧ください).主人公は40歳のGert-Jan Oskam氏,バイク事故による頸髄損傷により12年間にわたって下半身不随,上肢も一部麻痺になってしまいました.スイス連邦工科大学ローザンヌ校のCourtine博士は,記者会見で「我々はOskam氏の意思を捉え,その意思を脊髄への刺激に変換し,自発運動を再び獲得させることに成功した」と述べています. 博士らは2018年,脊髄の電気刺激と集中的リハビリにより,脊髄損傷患者の再歩行が可能となることを実証しました.しかしその効果は不十分であったため,さらに研究が進められました.Oskam氏が身体のさまざまな部分を動かそうとしたときに,脳のどの部分が電気信号を発するか,つまりその「意思」を解読するために,機械学習プログラムを使った観察を行いました.そしてこの人工知能の「デコーダー」により,特定

        脳・脊髄インターフェース  ―12年もの間,下半身不随だったひとの歩行を可能とする驚異の医療!!― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
      • なぜ加齢によりぐっすり眠れなくなるか? ―新しい認知症予防薬へ― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

        私は日本睡眠学会の専門医ですが,父から「親の不眠も治せないのに専門医とは・・・」と言われています.私は苦笑しながら「加齢により誰もが睡眠の質は低下するので,目が覚めるのは仕方がないのですよ」と言い訳をします.事実,この「睡眠の断片化」と呼ばれる現象は,種を超えて加齢で観察されます.しかしそのメカニズムはよく分かっておりません. 今回,スタンフォード大学から,視床下部の一部の神経細胞によって生成され,覚醒のために重要な役割を果たすヒポクレチン(別名オレキシン)に注目した画期的な研究がScience誌に報告されました.ちなみにこのヒポクレチンの分泌は日内変動し,哺乳類では日中で高く(よって覚醒する),夜間に低下します(よって眠くなる).またヒポクレチンが欠損する疾患が,過眠症を呈するナルコレプシー(Ⅰ型)です. 研究チームは,若齢と老齢マウスを選び,光遺伝学的手法を用いて,老齢マウスのヒポクレ

          なぜ加齢によりぐっすり眠れなくなるか? ―新しい認知症予防薬へ― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
        • アルツハイマー病研究の失われた16年? -揺らぐオリゴマー仮説- - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

          米サイエンス誌が,アルツハイマー病のアミロイドβオリゴマー仮説の根拠となった有名な論文「Lesné S, et al. A specific amyloid-beta protein assembly in the brain impairs memory. Nature. 2006;440(7082):352-7」が捏造されたものである可能性を指摘しています.少し歴史を紐解くと,まずアミロイドβ(Aβ)が線維化・凝集することで老人斑ができ,老人斑が引き金となって神経原線維変化が生じ,そのため神経細胞死が起きて認知症が発症するという説が提唱されました(アミロイド仮説;1992年).この仮説に基づいて,Aβの産生を抑えたり,除去したりする薬が数多く開発され,臨床試験が行われましたが,ことごとく失敗しました.これに対し,神経細胞死を起こすのはAβの線維状凝集体ではなく,その前にできる可溶性のオ

            アルツハイマー病研究の失われた16年? -揺らぐオリゴマー仮説- - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
          • 第3のアルツハイマー病『医原性アルツハイマー病』 の発見!! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

            最新号のNature Medicine誌の論文です.英国から,小児期に頭蓋咽頭腫や特発性成長ホルモン欠損症などのために,屍体由来(ヒトの死後)の脳下垂体から抽出した成長ホルモン(c-hGH)による治療を受けた8名のうち5名が早期発症のアルツハイマー病(AD)を呈したという報告がなされています.孤発性,家族性に加え,第3の病型として医原性が加わることになります. まず背景ですが,1959年から1985年にかけて,英国では少なくとも1848人の患者にc-hGHが投与されました.じつはこの一部がプリオン蛋白とアミロイドβ(Aβ)に汚染されており,比較的若い成人において医原性クロイツフェルト・ヤコプ病(iCJD)を発症したため,この製品は使用中止となりました.そしてこのiCJD患者の病理学的検討で,アミロイド病変(脳アミロイド血管症)を認めたことも明らかになっています.しかしCJDの徴候が目立つた

              第3のアルツハイマー病『医原性アルツハイマー病』 の発見!! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
            • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(8月2日)―若者であっても感染すべきではない―  - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

              今回のキーワードは,COVID-19感染の影響は長期間持続する(心筋障害および呼吸障害),成人の10~100倍高い小児のウイルス量,脳神経内科医による患者100名の診察,IVIG反応性急性炎症性多発神経根炎,過去の風邪コロナウイルスへの感染が防御因子になる可能性,2つのワクチンのアカゲザルでの効果です. 前回,COVID-19では遅発性ないし長期潜伏性の神経障害を引き起こす可能性があることを紹介しました(doi.org/10.1111/ene.14442).今週は①持病のない若年成人でも,症状が長期化する可能性があること,②診断後2~3か月経過しても高率に心筋損傷がみられ,将来,心不全や心疾患が生じる可能性があること,③退院時においても肺の拡散能障害や拘束性障害が認められることが報告されました.やはりこの感染症は急性期が過ぎればそれで終わりという疾患ではないようです.若者であっても感染すべ

                新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(8月2日)―若者であっても感染すべきではない―  - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
              • 新型コロナウィルス肺炎(COVID-19):1ヶ月間のまとめ - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                新型コロナウィルス肺炎(COVID-19)に関して,1月26日から数回に渡って,フェースブックに論文情報を記載してきた.この1ヶ月間の情報をまとめて記載しておきたい. (1)新型コロナウィルス(2019-nCoV)関連肺炎に関する論文の情報(1月26日) 昨晩,講演をした岐阜市内のホテルで,中国からの大勢の団体旅行者とすれ違った際,「新型肺炎への準備が必要だ」と思いました.中国の研究者チームは極めて速やかに2019-nCoVと名付けられたウィルスを単離し,全配列を解読して,そのデータを国際的に共有しました.SARSでの経験が生きたと言われています.NEJM誌とLancet誌は関連論文を無料公開しており,医療関係者は正しい情報を確認しておくべきと思われます.以下,情報の共有です. ◆人から人への感染は確定的である. ◆潜伏期は3~6日(追記参照:最新情報は1~14日),発熱,乾性咳,筋肉痛に

                  新型コロナウィルス肺炎(COVID-19):1ヶ月間のまとめ - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                • 補聴器による認知症予防 ー自分の聴力ナンバーを知ろう!ー - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                  New Engl J Med誌最新号に「加齢性難聴と認知機能障害」に関する総説が掲載されています.難聴は加齢とともに徐々に増加します(図1).内耳(蝸牛)の有毛細胞が徐々に喪失することが主な原因です.また難聴のリスク因子としては加齢のほか,皮膚の色,男性,騒音暴露が知られています(皮膚の色はメラニン量のことです.メラニンは内耳の有毛細胞にも存在し,酸化ストレスに対して保護的な役割を果たします). さて本題ですが,難聴は認知症リスクの増大をもたらします.認知症予防について提言を行っているランセット委員会は,中年以降の難聴を「認知症の最も重要な修正可能なリスク因子」と報告しています.難聴なしの人と比較して,補聴器を使用しない難聴の人は,全認知症のリスクが増加しますが(ハザード比1.42),補聴器を使用していれば増加しません!(同1.04).また補聴器は認知機能低下のリスクがある高齢者において3

                    補聴器による認知症予防 ー自分の聴力ナンバーを知ろう!ー - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                  • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(1月29日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                    今回のキーワードは,ワクチン未接種のLong COVID患者の症状改善にワクチン接種は有効で,sIL-6Rが上昇した人で効果を認める,ワクチン接種をした非入院者に対しパキロビッドはLong COVIDの発症を抑制しない,シンバイオティクスはLong COVIDの症状の改善に有効である,腸管粘膜組織は感染後数ヵ月間,SARS-CoV-2ウイルスを保持する,Long COVIDではアンチトロンビンIIIは低下し,トロンボスポンジン1とvWF因子は増加する,労作後倦怠感の原因として骨格筋の構造・機能異常があり,激しい運動で増悪する,中脳ドパミンニューロンにおけるSARS-CoV-2ウイルス感染後の炎症と細胞老化による消失です. Long COVIDの治療に関する論文を3つ,病態に関する論文を3つ,そしてパーキンソン病の原因となる中脳ドパミンニューロンの消失がSARS-CoV-2ウイルス感染による

                      新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(1月29日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                    • 新型コロナウィルス肺炎(COVID-19):中国から学び,眼前の危機に立ち向かう時 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                      今回のキーワードはトリアージ,胸部CT,PCRの再陽性化,無症状感染者,死亡の危険因子,医療者の精神衛生である.良いニュースは,診断用ELISA kitの目処がたったこと,多数の臨床試験が開始され,ワクチンもすでに第1相に入ったこと,悪いニュースとしては日本の患者発生予測数が,上海並みの厳しい対策を行ったとしても,15~45万人(!)に達すると報告されたことでである.大半が中国からの報告であり,日本は中国の経験や科学から真摯に学び,厳しい眼前の危機に立ち向かう必要がある. ◆ 中国CDCが72,314名の患者の臨床情報をJAMA誌に報告した.80歳以上の罹患は3%で,10歳未満および10歳代はともに1%とやはり子供の罹患は少ない.呼吸不全,ショック,多臓器不全を認める最重症例は5%,呼吸困難,低酸素血症(SpO2≦93%)等を認める重症例は14%,また無症状のキャリアは1%であった.死亡率

                        新型コロナウィルス肺炎(COVID-19):中国から学び,眼前の危機に立ち向かう時 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                      • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(9月12日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                        今回のキーワードは,増殖するウイルスの形態とD614G変異体,2例目の再感染例,若年入院患者の重症化の危険因子,黒人で感染・死亡が多い理由,COVID-19診療に使用されるポータブルMRI,パンデミックがパーキンソン病や脳卒中に及ぼす影響,ワクチンの第3相試験の保留とワクチン誘発性横断性脊髄炎,小蛋白質を用いた新しい治療アプローチです. 今週の一番の関心事は,ワクチンの第3相試験の一時中止ではなかったかと思います.詳細は不明ですが,Nature誌はワクチンの安全性の評価の重要性をあらためて強調しています.有害事象と噂される横断性脊髄炎とワクチン接種の関連についても既報のまとめがありますのでご紹介したいと思います. ◆ウイルスの構造(1)気管支線毛細胞で増殖するウイルスの姿. SARS-CoV-2ウイルスをヒト気管支上皮細胞に接種し,96時間後に,細胞を走査型電子顕微鏡を用いて観察した写真が

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                        • 新型コロナウィルス肺炎(COVID-19):infodemicに屈せず,正しい情報を伝える大切さ. - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                          今回のキーワードは,ウィルス排出の持続,小児例,検疫の失敗,予後不良因子,RNA血症と抗体,東京オリンピックです.そしてもうひとつ,Lancet誌で「infodemic」について議論されています.災害時にデマはつきものですが,現代ではソーシャルメディアによりその情報が増幅し,ウィルスのように伝播します.その意味で「infodemic」という言葉ができました.WHOはネットを巡回し,デマを見つけては正しい情報を提供し,GoogleもCOVID-19などが検索された場合,正しい検索結果を示す努力をしています.マスメディアも情報源の確かさを吟味し報道する必要があります.学術論文でさえ玉石混交であり,チェックが必要です.Lancet. 2020 Feb 29;395(10225):676 ◆NEJM誌に,これまでで最多の1099人の入院患者の症例集積研究が報告された.結論は「症状・重症度・画像所見

                            新型コロナウィルス肺炎(COVID-19):infodemicに屈せず,正しい情報を伝える大切さ. - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                          • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(5月17日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                            今回のキーワードは,事前確率,偽陰性,子供の頃のBCGは無効,死亡率・重症化率の予測,ネコ・ネコ感染,脳卒中画像検査の減少,川崎病様症候群の多発,有望な新規治療(抗IL-6抗体,抗凝固療法)とカトレラ®試験失敗の理由です. PCRの検査拡大が求められています.しかし臨床診断に関する基礎知識が共有されていないため,一部,誤った議論がなされています.オスラー先生がおっしゃったように,臨床診断はあくまで確率の問題ですし,検査は正しく用いて初めて意味を持ちます.「患者さんの希望でPCRを行い,陽性ならCOVID」と言うだけなら医師でなくてもできます.まず必要なのは事前確率(=有病率)や尤度比といった「ベイズの定理」を考えることです.緊急事態宣言によりフェーズが変わり,事前確率が低下した現在,むやみに検査を拡大すれば偽陽性が増え,感染してない人を患者と誤診するばかりでなく,個人防護具やベッドの枯渇,

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                            • 未来の脳神経内科って?|WANT TO KNOW MORE! NEUROLOGY

                              WELCOME - 脳神経内科へようこそ ようこそ,日本神経学会 residentホームページへ! COMMENTARY - これから役立つかも?!(仮) コンテンツ一覧 LEADING EDGE - 脳神経内科施設紹介 記事一覧 RECOMMEND - 日本神経学会入会のススメ 皆さん、日本神経学会へ入会しませんか! 認知症医療の未来:予防と治療の調和が拓く新たな道 世界的に認知症患者の増加が懸念される中、日本では2023年6月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法(認知症基本法)」が成立し、12月にはアルツハイマー病の初の疾患修飾薬が上市され、認知症に対する世間の注目度は高まっています。 2024.03.01 脳神経内科の未来:AIによる脳波解析の革新 近年、医療分野での人工知能(AI)の進歩は目覚ましく、脳神経内科分野も例外ではありません。Jesper Tveit氏らの研究で

                              • ラグビー選手におけるメンタルヘルスの実態 ~ジャパンラグビートップリーグ選手におけるメンタルフィットネスの調査からの報告~ | 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター National Center of Neurology and Psychiatry

                                ラグビー選手におけるメンタルヘルスの実態 ~ジャパンラグビートップリーグ選手におけるメンタルフィットネスの調査からの報告~ 2021年2月4日 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP) 印刷用PDF(1060KB) ラグビー選手におけるメンタルヘルスの実態 ~ジャパンラグビートップリーグ選手におけるメンタルフィットネス*1の調査からの報告~ 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部、認知行動療法センター、日本ラグビーフットボール選手会のグループは、ジャパンラグビートップリーグの男性ラグビー選手を対象に調査を実施し(2019年12月〜2020年1月)、メンタルヘルス不調の実態を報告しました。 調査に参加した251名のうち32.3%(81名)の選手が、過去一ヶ月間に心理的ストレスを、4.8%(12名)がうつ・不安障

                                  ラグビー選手におけるメンタルヘルスの実態 ~ジャパンラグビートップリーグ選手におけるメンタルフィットネスの調査からの報告~ | 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター National Center of Neurology and Psychiatry
                                • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(12月9日) - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                  今回のキーワードは,long COVID患者では認知機能障害が顕著である,long COVID患者脳において神経炎症が生じている,COVID-19患者脳では老化細胞が増加する,3回のワクチン接種によりlong COVIDは73%抑制できる,ニルマトルビル・モルヌピラビルはlong COVID発症を低下させるがその効果は小さい,パクスロビドは31あるlong COVID症状のほとんどを抑制できない,ボルチオキセチンはCRPで調整すると認知機能を改善する,です. Long COVIDに伴う認知機能障害に関する研究が引き続き報告されています.Long COVIDに伴う神経炎症(ミクログリア活性化)を画像化した研究が動物での既報に続き,ヒトでも報告されました.また老化を細胞レベルでとらえ,老化細胞を体内から除去しようとするsenolyticsという概念がありますが,long COVIDに伴う細胞老

                                    新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(12月9日) - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                  • Long COVIDの病態の本質はセロトニンレベルの低下であり,既報の4つの病態仮説を結びつける! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                    PASC(=Long COVID)の病態機序として,ウイルスの持続感染,神経炎症,凝固亢進,自律神経機能障害などいくつかの仮説があります.米国ペンシルバニア大学等から,これら4つの仮説すべてを1つに結びつける病態仮説が提唱されました. まず研究チームはPASCを発症した1500人以上のコホートを追跡調査し,PASC患者と完全に回復した感染者を区別できるバイオマーカーの同定を目指しました.この結果,血漿セロトニンが,急性期COVID-19(中等症,重症)とPASCで減少し,回復した感染者では保たれていることを示しました(図1). このセロトニン減少は,SARS-CoV-2ウイルス感染に特有のものではなく,他のウイルス感染の急性期あるいは慢性期のヒトやマウスでも観察され,またウイルスRNA模倣物質であるポリ(I:C)を投与したマウスでも観察されました(図2). ここでウイルス感染がどのようにし

                                      Long COVIDの病態の本質はセロトニンレベルの低下であり,既報の4つの病態仮説を結びつける! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                    • アルツハイマー病治療薬レカネマブはどんな薬か理解しよう! ―患者・家族のための分かりやすい説明図― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                      FDAでのフル承認を受け,日本でもレカネマブの使用がより現実味を帯びてきました.図はAlberto J Espay教授(シンシナチ大学)がTwitter(@AlbertoEspay)で発信されたレカネマブ治療に関する説明です.一般の方々に必ずしもその効果と副作用について伝わっていないように思われますのでこの図を用いて解説したいと思います. レカネマブの効果を示したClarity AD試験の対象は,PETまたは脳脊髄液検査でアミロイドが検出された50〜90歳の早期アルツハイマー病患者で,レカネマブ群898人,偽薬群897人です(①).2週間ごとにレカネマブを静脈内投与します.主要評価項目は,CDR-SB(Clinical Dementia Rating-Sum of Boxes,範囲0〜18点で高いほど障害が強い)の18カ月間における開始前からの変化です.通常,18点中1点以上の変化がある場

                                        アルツハイマー病治療薬レカネマブはどんな薬か理解しよう! ―患者・家族のための分かりやすい説明図― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                      • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(11月15日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                        今回のキーワードは,感染回数に応じて急性期および急性期後の死亡/入院/後遺症リスクは増加する.パンデミックを終息させるための行動の提言,デキサメタゾン/レムデシビル/両者の併用療法は入院患者の神経合併症を抑制する,COVID-19を合併する急性虚血性脳卒中患者における再灌流療法は頭蓋内出血の合併率が高く転帰も不良である,COVID-19重症者の大多数に血小板第4因子抗体を認める,Long COVID患者では感染11月後に灰白質体積の減少を認め認知機能障害と相関する,COVID-19罹患後の腸内細菌叢の異常が血中への細菌の移行を起こし重篤な二次感染を引き起こす,SARS-CoV-2によるミクログリアのインフラマソームはα-シヌクレインにより著しく活性化する,です. ◆感染回数に応じて急性期および急性期後の死亡/入院/後遺症リスクは増加する. SARS-CoV-2の再感染により急性期およびその

                                          新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(11月15日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                        • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(4月10日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                          今回のキーワードは,神経合併症(髄膜脳炎,急性出血性壊死性脳炎,ギランバレー症候群),感染性をもつもの,中和抗体力価,マスクの効果と限界,中間宿主としてのネコ,有望な新規治療薬(回復患者血漿輸血,ヒドロキシクロロキン,抗寄生虫薬)です.社会的離断の期間を短縮する3つ方法について,イエール大学の研究者らが言及しています.①無症状感染者,軽症者を特定するための積極的なPCR検査と接触者の追跡+早期隔離(専用施設が必要),②家庭での感染を減らすこと(武漢では,ほとんどの感染が家庭内で発生した→早期発見し,家庭でなく,専用施設での隔離する),③集中治療室の在院日数を20~30%短縮する治療の開発(医療システムの維持に大きな効果をもたらしうる)です(JAMA. April 06, 2020).PCR検査数の増加と専用施設での隔離は対応可能な課題だと思います. ◆神経合併症(1).髄膜脳炎を呈した24

                                            新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(4月10日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                          • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(9月4日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                            今回のキーワードは,米国医療従事者におけるデルタ株感染の増加とワクチン有効性の低下,ギラン・バレー症候群の既往のある人でもmRNAワクチンの安全性は高い,武漢の感染者の1年後の調査で,少なくとも1つの後遺症がある患者の割合は49%,呼吸不全の予後に肺におけるウイルス量が関与するが,二次的な細菌感染は関連しない,パンデミック時における幼い子供における体重増加,COVID-19に関連する急性散在性脳脊髄炎と急性出血性白質脳炎は予後不良である,インドのパンデミック禍における鼻・眼・脳ムコール症のアウトブレイク,ファイザー・ワクチンはMS患者における再発の短期的リスクを増加させない,です. 1番目の論文は,先週のイスラエルに続き,米国の医療従事者において「デルタ株に対してはワクチン接種のみでは感染者増加は抑えられない」という報告です.医療従事者のブレークスルー感染は医療崩壊に直結します.やはり医療

                                              新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(9月4日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                            • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(8月22日) ー抗体陽性でも安心はできないー  - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                              今回のキーワードは,飛沫を増やしてしまうマスク,フェイスシールドの威力,母乳は感染源とならなそう,糖尿病と肥満の死亡に対する相対リスク,パンデミックによるてんかん発作の頻度増加,COVID-19脳症の特徴的FDG-PET所見,抗体は存在すればよいわけでない,ヒトにおける中和抗体の感染予防効果の初めての証明,抗体反応が長期に持続しない理由,微妙な抗ウイルス薬レムデシベルの効果です. 主に米国からの研究により,着実に病態機序が明らかになってきた印象があります.とくに抗体の効果と限界については理解する必要があります. ◆感染防御(1)飛沫を増やしてしまうマスクがある. 会話中の飛沫の程度を可視化できる光学測定法を開発し,入手可能なマスクの種類により,飛沫の抑制効果に違いがあるかを調べた米国からの報告.結果として,二層の綿製マスクは標準的なサージカルマスクとほぼ同程度に飛沫を抑制した(→アベノマス

                                                新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(8月22日) ー抗体陽性でも安心はできないー  - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                              • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(8月29日)  - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                今回のキーワードは,ソーシャル・ディスタンス=2メートルは間違い,2度目の感染症例,弱毒化を呈するウイルス変異体,中国におけるアウトブレイク封じ込め成功,男性が重症化する理由,高齢者が重症化する理由,神経合併症(致死性壊死性脳炎,上肢の多発神経障害,脳波モニタリング,ミクログリア活性化),重症例の死亡を顕著に抑制するヤヌスキナーゼ阻害薬です. 「男性が重症化する理由」では,男女のウイルス感染に対する免疫反応の違いが提唱され,また「高齢者が重症化する理由」では,気道を支配する迷走神経が,神経伝達物質の放出を介してマクロファージと連絡するという「神経免疫ユニット」の概念が提唱されています(肺脳免疫連関とも言えるかもしれません).これらはCOVID-19によりもたらされた新しい学問領域と言えると思います. ◆ソーシャル・ディスタンスの距離は状況で変わる. 「ソーシャル・ディスタンスは2メートル」

                                                  新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(8月29日)  - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                • レカネマブは標準治療と比較し費用対効果が優れているとは言えず,価格が年間5100ドル未満とならなければ費用対効果は低い - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                  アルツハイマー病(AD)の疾患修飾薬であるレカネマブは高額であるもののその効果が強力とまでは言えないことから,その費用対効果について関心が高まっていました.Neurology誌の最新号に,米国・カナダの研究チームから,レカネマブの費用対効果が,治療前の検査法,各患者のApoE遺伝子ε4の状態(副作用ARIAの出現のしやすさが分かる)によってどのように変わるかを検討した研究がいよいよ報告されました. 検査法は3つ(PET,脳脊髄液アッセイ,血漿アッセイ),治療法は2つ(ドネペジル・メマンチンによる標準治療,または標準治療+レカネマブ),ApoE遺伝子で患者の標的を絞るか(=標的戦略)は2つ(ε4ノンキャリアまたはヘテロ接合体患者を標的とするか否か)で,これらの組み合わせによって定義される7つのパターンを比較しています.有効性は質調整生存年(QALYs:クオーリーズ)を用いて評価し,費用対効果

                                                    レカネマブは標準治療と比較し費用対効果が優れているとは言えず,価格が年間5100ドル未満とならなければ費用対効果は低い - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                  • COVID-19感染後認知症は20歳の加齢に相当し,感染から1年経過しても脳損傷が持続する! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                    英国からCOVID-19染後の認知障害と血清バイオマーカー,神経画像所見との関係を検討した前向き縦断研究が報告されました(査読前論文ですが,インパクトの大きな研究です).長期観察研究なので,対象はパンデミック初期の,かつ入院を要した中等症~重症感染者になりますが,衝撃的なのは「認知機能障害の程度は20歳の加齢に相当する」ということと,「1年を経過してもなお神経細胞・アストロサイトの障害マーカー(Nfl-L・GFAP)が高値である」ということです.既報と考え合わせると,中枢神経への直接的(=ウイルス感染)ないし間接的(=サイトカイン)原因に伴う神経炎症が持続しているのだと考えられます.また急性期にステロイドを使用すると認知機能障害は抑制されるという重要な知見も明らかにされました. 以上の結果は,軽症例や最近のCOVID-19罹患において一般化できるものではありませんが,中等症から重症のCOV

                                                      COVID-19感染後認知症は20歳の加齢に相当し,感染から1年経過しても脳損傷が持続する! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                    • 大きな進歩!片頭痛における前兆から頭痛発作までのメカニズムが解明された. - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                      片頭痛患者は,頭痛発作に先立ち,皮質拡延性抑制(CSD)と呼ばれる病的脱分極に伴う一過性の前兆(aura)を経験します.症状としては一過性の視覚障害や感覚障害です.このCSDは片頭痛の引き金になると考えられてきましたが,そのメカニズムは不明でした.コペンハーゲン大学のKaag Rasmussen先生らは,最新号のScience誌に,げっ歯類片頭痛モデルを用いて,CSDが脳脊髄液のプロテオームの変化を引き起こし,頭痛に関わるタンパク質の発現を増加させること,そしてそのタンパク質が三叉神経の痛覚受容体(侵害受容体)に結合して活性化させ,片頭痛発作を誘発することを初めて明らかにしました. つまり三叉神経節は血液脳関門の「外側」に存在するため脳脊髄液に直接さらされることはないと考えられてきたのですが,それは間違いで,三叉神経節の根元ではバリアが欠落しているため,脳脊髄液中の物質が侵入して頭痛を引き

                                                        大きな進歩!片頭痛における前兆から頭痛発作までのメカニズムが解明された. - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                      • 知っておくべき市販の頭痛薬による脳症 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                        カンファレンスで「ブロムワレリル尿素」による急性中毒について解説しました.この成分を含む市販頭痛薬の過量内服もしくは依存により,急性ないし慢性中毒が生じます.私自身は数例経験があります.上述の通り,「ブロモバレリル尿素」は一部の市販の鎮痛薬に含まれています.非常に依存が生じやすいので避けたほうが安全です.米国などではすでに医薬品としては禁止されていますが,日本はどういうわけか簡単に手に入ります.具体的には「ナロン錠」「ナロンエース」「ウット」などです.病歴でこれらの薬剤が出てきたら疑ってかかります. 「ブロムワレリル尿素」は有機臭素化合物です.暴露後,直ちに臭化物イオンに代謝され中枢神経に毒性を発揮します.悪心,嘔吐,傾眠,せん妄,錯乱,興奮が生じ,精神疾患と誤診されることがあります.重篤になると昏睡,痙攣重積発作,呼吸抑制・停止が生じます.頻脈と紅斑様皮疹を認めることがあります.検査では

                                                          知っておくべき市販の頭痛薬による脳症 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                        • 新しいうつ病治療として2つの非薬物療法を併用する臨床試験が進行中 〜報酬系神経回路を強化するハイパーソニック・エフェクトの 超高周波音響と認知行動療法のシナジー効果の検証へ〜 | 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター National Center of Neurology and Psychiatry

                                                          新しいうつ病治療として2つの非薬物療法を併用する臨床試験が進行中 〜報酬系神経回路を強化するハイパーソニック・エフェクトの 超高周波音響と認知行動療法のシナジー効果の検証へ〜 TOP トピックス 新しいうつ病治療として2つの非薬物療法を併用する臨床試験が進行中 〜報酬系神経回路を強化するハイパーソニック・エフェクトの 超高周波音響と認知行動療法のシナジー効果の検証へ〜 2019年11月27日 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP) 印刷用PDF(471KB) 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市 理事長:水澤英洋)、認知行動療法センター(センター長:堀越勝、室長:伊藤正哉、研究員:横山知加、駒沢あさみ)、神経研究所(所長:和田圭司)の疾病研究第七部(部長:本田学、室長:山下祐一、研究員:宮前光宏)らの研究チームは、うつ病の中核症状であるアンヘドニア(

                                                            新しいうつ病治療として2つの非薬物療法を併用する臨床試験が進行中 〜報酬系神経回路を強化するハイパーソニック・エフェクトの 超高周波音響と認知行動療法のシナジー効果の検証へ〜 | 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター National Center of Neurology and Psychiatry
                                                          • ブレインフォグとは何か? ―海外で注目されている図― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                            ブレインフォグはCOVID-19罹患後症状(long COVID)の代名詞のようになっていますが,私はパンデミック以前にこの用語を聞いたことがありませんでした.つまり以前から使用されてきた医学用語ではなく,SNSなどで患者さんから発信され定着したものと考えられます.その定義は曖昧で,意味する症状はさまざまであると感じていました. 英国からこの問題を調査した研究が報告されました.方法は2021年10月の1週間,掲示板型ソーシャルニュースサイトであるRedditから「brain fog」を含む投稿を抽出しています.この結果,1663件の投稿が確認され,うち717件が解析の対象になりました.一人称で自分の症状を書いていたのは141件で,内訳は多い順に,健忘(51件),集中力低下(43件),解離現象(本来一つにまとまり繋がっている意識や記憶,知覚,アイデンティティが,一時的に失われた状態)(34件

                                                              ブレインフォグとは何か? ―海外で注目されている図― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                            • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(9月5日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                              今回のキーワードは,空気再循環バスにおける空気感染,気管支喘息は重症化の危険因子ではない,重症COVID-19の病態はサイトカインストームとは言い難い,COVID-19脳症における血液脳関門の破綻,COVID-19関連ギラン・バレー症候群における抗ガングリオシド抗体測定,単独顔面神経麻痺の初めての報告,高齢者へのBCG接種の効果,重症患者に対する全身性ステロイドのメタ解析,突然変異によるウイルス多様性は乏しい,です. 治療に関する良いニュースがありました.国別の致死率の違いに影響する可能性が指摘されてきたBCGワクチン接種が,高齢者において実際にウイルス性呼吸器感染症に対し予防効果をもつこと(ただしCOVID-19への効果はまだ不明),ステロイドの全身性投与は重症例における28日間の死亡率を41.4%から32.7%に低下させたこと(ただし軽症例は避ける),急速にウイルスの感染拡大が広がった

                                                                新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(9月5日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                              • 1930年代生まれと1970年代生まれの人を比較すると,大脳皮質の表面積はなんと14.9%も増加している! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                「エープリルフールだよね?」と思われかねない論文がJAMA Neurol誌に出ています.1948年からアメリカのマサチューセッツ州フラミンガムで継続されている虚血性心疾患の追跡疫学調査研究「Framingham Heart Study」参加者の脳の体積をMRIで評価し,出生年により経年差が生じるかを検証した研究です.参加者は3226人,MRI撮影時の年齢は57.7±7.8歳でした.なんと頭蓋内体積,海馬体積,白質体積,皮質表面積は経年的に有意に大きくなっていました(図).1930年代生まれと1970年代生まれを比較すると,頭蓋内体積は6.6%増,海馬体積は5.7%増,白質体積が7.7%増,なんと大脳皮質表面積は14.9%増です.身長,性,年齢で調整しても結果は変わりませんでした.最も経年変化が大きかったのは1930年から1940年の間でした.以上より,1930年~1970年生まれの人におい

                                                                  1930年代生まれと1970年代生まれの人を比較すると,大脳皮質の表面積はなんと14.9%も増加している! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                • アルツハイマー病本格的治療への糸口:ミクログリアへのApoEとタウの結合バランスが発症の決め手となる - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                  Cell誌最新号の報告です.早発型アルツハイマー病を来すプレセニリン1遺伝子変異を有するにも関わらず,70歳代になっても認知症を発症しない患者が報告されていました.全エクソーム解析を実施したところ,ApoE3遺伝子ホモ変異(R136S,Christchurch変異)がみつかりました.この患者の脳にはアミロイドβ(Aβ)が蓄積していましたが,異常なタウの播種・伝搬や神経変性は認めませんでした.In vitroの実験で,変異遺伝子によりコードされるApoE3chは野生型ApoE3と比べ,Aβ42の凝集を生じにくいことが示されていました. 今回,米国ワシントン大学から,APOE3chはミクログリアの反応を変化させAβにより誘導されるタウの播種・伝搬を抑制するという報告がなされました.ヒトApoE3chを発現するヒト化ノックイン(KI)マウスを作製し,APOE3chがAβ沈着とAβにより誘導される

                                                                    アルツハイマー病本格的治療への糸口:ミクログリアへのApoEとタウの結合バランスが発症の決め手となる - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                  • カラフルだった城郭視(teichopsia)ー片頭痛における歴史的意義ー - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                    閃輝暗点は片頭痛の前兆で,視野にギザギザ模様の光の波が現れ,徐々に広がり,その場所が見えなくなる現象です.私は片頭痛の講義で閃輝暗点を教える際,どこかから引用したモノクロの図を使用してきました.ところが岩田誠先生による「片頭痛の視覚前兆―その歴史的展開―(日本頭痛学会誌48:549-52, 2022)」を拝読し,そのなかにオリジナルの図をみつけて,赤・青・黄・緑・オレンジととてもカラフルであることを知って仰天しました.さらに図の歴史的意義についても初めて学びました.左図は岩田先生が有り難くもお送りくださったものですが,1873年,英国の医師Edward Liveingの著書に掲載されたものだと伺いました. 図の説明: 1-4:左城壁視の初期の像.見ている部位の直ぐ側から始まる.Oの文字が見ている場所を指す. 5-8:同様の左城壁視の初期の像.見ている部位の左下方から始まった場合. 9:完全

                                                                      カラフルだった城郭視(teichopsia)ー片頭痛における歴史的意義ー - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                    • アルツハイマー病の新たな定義の提案と今後生じる重大な臨床的・倫理的・経済的問題 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                      【アルツハイマー病を血液で診断する時代に入る】 リン酸化タウ(p-tau)はアルツハイマー病(AD)の血液バイオマーカーであり,p-tau217が最も有用であると考えられています.先月のJAMA Neurol誌に,血漿p-tau217を測定する市販の免疫アッセイ(ALZpath pTau217 Assay)の有用性を検証した研究が報告されています.786名の参加者にアミロイドPET,タウPET,脳脊髄液バイオマーカー,そしてALZpath pTau217 Assayを行い,詳細は触れませんが,結論として,このアッセイにより脳脊髄液と同程度に血液で「生物学的AD(biological AD=臨床症状ではなく生物学的指標により診断するAD)」を正確に同定できること,かつp-tau217は発症前の前臨床段階を含め経時的に増加することを確認しています. 現在,抗アミロイドβ抗体レカネマブの適応を決

                                                                        アルツハイマー病の新たな定義の提案と今後生じる重大な臨床的・倫理的・経済的問題 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                      • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(3月3日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                        今週号のNEJM誌にCOVID-19罹患後の認知機能障害に関する2つの論文が報告されています.いずれも,前方視的に11万人以上の認知機能を評価した過去最大の研究です.ともにCOVID-19が認知機能低下をきたすことを示した点で一致しています.2つ目の研究では,感染後の知能指数(IQ)の変化を以下のように示してあり,非常にインパクトがあります. 感染後の知能指数(IQ)(非感染対照群と比較) 4~12週で症状改善:IQ 3ポイント低下に相当 12週以上症状持続:IQ 6ポイント低下に相当 ICU入室:IQ 9ポイント低下に相当 再感染:IQ 2ポイント低下に相当 論評では「このようなエビデンスが示されても,それを否定したり軽視したりする人々は今後も存在するだろう.しかし現実に何百万人もの人々が影響を受けていることを認識し,効果的な治療法を見つけるためにさらなる取り組みを行う必要がある」と書か

                                                                          新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(3月3日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                        • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(6月5日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                          今回のキーワードは,12~15歳に対してもファイザー・ワクチンは極めて有効,アビガン®は症状が出てからでは手遅れ,花粉への曝露は感染率を増加させる,Brain fog(脳の霧)の原因は脳の持続炎症?ワクチン接種率向上の障壁としてのアパシー,介護・福祉施設クラスターに対する抗ウイルス抗体(バムラニビマブ)療法の効果,です. ほとんどの子供は感染しても軽症で済みますが,一部,予後不良の転帰を取ります.とくに基礎疾患のある子供は重篤な影響を受けやすいですが,健康な子供でも重症となる可能性があります.また子供から感染拡大する可能性もあります.今回,ファイザー・ワクチンが,12歳以上の子供に有効であることが報告されました.副反応も1~2日程度の軽度なもので,アセトアミノフェンで対処可能でした.子供も2回目の接種から2週間後に完全に接種されたとみなされます(図1).COVID-19ワクチンは,他のワク

                                                                            新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(6月5日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                          • ハーレクイン症候群の解剖学的診断 ―自撮り写真の落とし穴― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                            ハーレクイン症候群(Harlequin syndrome)は,入浴や運動などの温熱負荷などにより健側顔面や頸部が発作性に紅潮・発汗過多を呈する稀な症候群です.神経線維腫症1型で,右腕神経叢の神経線維腫に対する切除歴のある18歳女性が,右頸部~肩の鈍痛と労作後の間欠的な片側顔面潮紅を訴え,「自撮り写真(図1)」を持って来院しました.腕神経叢神経線維腫はホルネル症候群やハーレクイン徴候を併発することがあります.この患者でもホルネル症候群を示唆する右縮瞳を認めました.では顔面の紅潮について解剖学的に説明がつきますでしょうか? 落とし穴①.紅潮側を患側と思いがちですが,患側は非紅潮側です.顔面を支配する交感神経障害による発汗障害と皮膚血管拡張反応の消失のために,正常に血管拡張し紅潮した健側が目立ち,赤く見えます.しかしそうだとすると蒼白の左が患側になってしまい,病歴や右縮瞳と合いません. 落とし穴

                                                                              ハーレクイン症候群の解剖学的診断 ―自撮り写真の落とし穴― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                            • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(4月8日):衝撃!SARS-CoV2ウイルスは頭蓋骨から脳に到達する - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                              今回のキーワードは,頭蓋骨から脳内にスパイク蛋白が到達し,持続的な神経細胞障害が生じる,PCR陽性から5日以内のパキロビッドによりlong COVIDは26%減少する,オミクロン株になっても,インフルエンザより入院患者の死亡率は依然として高い,2価ワクチンに変わっても,脳卒中,急性心筋梗塞,肺塞栓症のリスクは増加しない,COVID-19では頭痛に関与する血清CGRPが増加している,です. Long COVIDの原因として「ウイルスの持続感染説」が有力でしたが,どこにウイルスが存在するのか,どのようにしてブレインフォグや認知症を来すのか(どのようにしてウイルスが脳に影響を及ぼすのか)はよく分かっていませんでした.今回,プレプリント論文ですが,long COVID研究における非常に大きな,そして驚くべき新知見が報告されました.なんとウイルススパイク蛋白の供給源は頭蓋骨のようで(図1),脳に到達

                                                                                新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(4月8日):衝撃!SARS-CoV2ウイルスは頭蓋骨から脳に到達する - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                              • 新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(7月10日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                                今回のキーワードは,米国イプシロン株はワクチン接種や過去の感染でも感染防御しにくい,がん患者さんでもmRNAワクチン接種で抗体は陽転するが,抗CD20抗体治療では抗体価は上昇しにくい,ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症の抗体はヘパリンと同じ第4血小板因子領域に結合する,long COVIDはEBウイルスの再活性化によりもたらされる(?),IL-6拮抗薬は入院28日間の全死亡率の低下と関連し,ステロイドと併用して使用する,です. 受容体結合ドメインのL452R変異を有する変異株には,「デルタ株」「イプシロン株」「カッパ株」等があります.「デルタ株」は「懸念される変異株(Variant of Concern;VOC)」に位置づけられます.VOCは,感染性や重篤度が増し,ワクチン効果を弱めるなど性質が変化した変異株のことです.今回,カルフォルニア州で見いだされた「イプシロン株」も変異により,

                                                                                  新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(7月10日)   - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
                                                                                • オミクロン変異株でも嗅覚伝導路を伝播する脳炎が生じる! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                                  岩田一輝先生,吉倉延亮先生らの症例報告がNeurol Clin Neurosci誌に掲載されました.糖尿病と神経疾患の既往がある80歳男性が,意識障害と全身のけいれん発作のために入院しました.頭部MRIでは両側嗅球と嗅覚伝導路に相当する脳実質に異常信号を認めました(図1).COVID-19 PCRは鼻腔ぬぐい液で陽性,脳脊髄液は陰性でした.CIVID-19脳炎と診断し,レムデシビルとステロイドパルス療法を行いました.意識レベルは回復し,認知機能も感染前のレベルまで改善しました.入院33日目に退院しましたが,嗅覚は改善せず,静脈性嗅覚機能検査にも無反応でした. パンデミック初期にも嗅覚伝導路に沿った脳炎が報告されていますし(図2),マカクザルの感染実験でも鼻から入ったウイルスは嗅覚伝導路を介して眼窩前頭皮質まで伝播してしまうことがわかっています(図3)(眼窩前頭皮質はCOVID-19後に萎縮

                                                                                    オミクロン変異株でも嗅覚伝導路を伝播する脳炎が生じる! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

                                                                                  新着記事