2023年4月7日、2008年の制度開始から15年ぶりに金融庁は「内部統制報告制度」を大きく改訂した。改訂した制度は2024年4月以降に始まる事業年度から適用になる。内部統制報告制度は、上場企業約3900社とその連結子会社を対象に、財務報告について不正や誤りがないように内部統制を整備し、運用状況の評価を求めている制度だ。 2000年前後にエネルギー大手の米エンロンや、通信大手の米ワールドコムが粉飾決算により破綻したことから、米国で制定された法律「2002年サーベインズ・オクスリー法(米SOX法)」を基に策定された。米SOX法と類似しているから「日本版SOX法」あるいは「J-SOX」と呼ばれることが多い。 今回の内部統制報告制度(以下、J-SOX)の改訂は、これまでの内部統制の整備・運用にどのような影響があり、どのような対策が必要になるのだろうか。本特集では改訂版J-SOXの概要を全3回で明