大正時代、人間を化かそうと大阪に出てきた豆狸の女の子・まめだは、人気落語家にして同じ“化け物”である大黒亭文狐と出会う。術でなく芸で人間を化かす彼女の落語を見たまめだは弟子入りを決意。厳しくも優しい師匠の元、寄席の仲間に見守られながらの落語家修業の日々が始まった――。 タヌキの少女が女性落語家に弟子入り ――本作は人に化けたタヌキの少女・まめだが大正時代の大阪で女性落語家・文狐に弟子入りし、上方落語の修業に奮闘する話です。有名な噺の筋を紹介するだけでなく、三味線や太鼓などの「ハメモノ(鳴り物)」が多用される上方落語の特徴や寄席の舞台裏など、入門したてのまめだの視点から初心者も落語の世界に自然と入り込める作りになっています。そもそも、テーマを上方落語にしたのはなぜですか? 僕は大阪出身ですが、上方落語を聞き始めたのはまだ2年強です。大阪は“吉本傘下の国”なので、幼少時からお笑いはずっと楽しん