7月26 上野貴弘『グリーン戦争』(中公新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 副題は「気候変動の国際政治」、パリ協定以降の各国の温暖化対策とその駆け引き、アメリカやEUが打ち出した政策の国際的な影響などを分析した本で、近年の温暖化対策をめぐる駆け引きが分かる本です。 また、第1章が「米国のパリ協定脱退と復帰」となっているのですが、トランプの返り咲きが現実味を帯びる中で、今後の米国の動きなどを考えるうえでも参考になりますし、EUの「規制力」の国際的な影響なども感じさせる内容です。 さらに、「グリーン」であることが企業にとっても一種のブランドとなる中で、それに待ったをかけたアメリカの「反ESG」の動きなどからは、グローバルな経済主体と主権国家の角逐も感じさせますし、先進国VS新興国の図式なども含めて、新しい時代の国際政治が浮かび上がってくる内容になっています。 目次は以下の通り。第1章 米国