実存的な絶望をこれほど激しい苦悩とともに表現した楽曲でありながら、ポップ・チャートのトップ5に入ったものはこの曲のほかに存在しないだろう。そして、それはポリス(The Police)だからできたことなのである。何しろ、彼らは一聴するとロマンティックに聴こえるが実態は究極の”ストーカー・ソング”といえる「Every Breath You Take (見つめていたい)」をチャートの首位に送り込んでもいるのだ。 また、グループ史上初の米国での大ヒット曲である「Don’t Stand So Close To Me (高校教師) 」もキャッチーなサウンドに誤魔化されてはいるが、内容は一歩間違えれば”変態”の域に足を踏み入れかねない学校教師の物語だ。要するに、彼らはかねてから過激なポップ・ヒットを生み出していたのである。 <関連記事> ・ポリスの名盤『Synchronicity』40周年記念盤が7月に