中国人民解放軍サイバー戦部隊の将校5人が米国で起訴された。しかも、FBIが最も危険視するサイバー犯10人の「ウォンテッド(Wanted、お尋ね者、指名手配)」中で上位を独占している。 果たしてこれは「ルビコン」なのか、それとも米国の対中政策は変わらないのか。今回も筆者の独断と偏見にお付合い願いたい。 事件の概要 JBpressでも既に良質の記事がいくつか掲載されており(『米国が中国軍人5人を「サイバー窃盗」で起訴』『人民解放軍将校5人を起訴、ついに「ルビコン」を渡った米国政府』)、いまさら筆者が事件の背景を詳しく書く必要もないほどだ。 ここでは各種報道を踏まえ、事実関係についてのみ、ごく簡単にまとめておきたい。 ●5月19日、ペンシルバニア州西部の米連邦大陪審は、サイバー攻撃で米企業にスパイ行為を行ったとして、中国人民解放軍のサイバー戦部隊61398部隊(『尖閣よりホットな米中サイバー紛争