第三者委員会の報告書を受けて会見する福地茂雄NHK会長(右)。左は久保利英明・第三者委員会委員長。平成20年05月27日、東京・渋谷のNHK 勤務中の取引はもちろん、ニュースの渦中にある企業の株取引、プライバシーを盾にとった調査拒否…。NHK記者らによるインサイダー取引を受け、このほど発表された第三者委員会(委員長・久保利英明弁護士)の調査結果は、職員らの驚くべきモラル低下を暴露した。今後、よほどの綱紀粛正がない限り、公共放送の信頼回復はありえない。128ページにおよぶ報告書を検証した。(草下建夫) ≪消えぬ疑念≫ 〈社会部記者のケース〉 平成18年1月16日。東京地検特捜部がライブドアを捜索した。社会部のA記者は当日午前11時15分、ライブドアに出資していたフジテレビ株を売却、損失を免れていた。記者は委員会に「この日の売却は偶然としか言いようがなく、やましいところはない」としているが、委